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(平成23年10月28日 基安労発1028第1号・基安化発1028第1号により廃止)
 
                                             別添

                                     基安労発第0326002号
                                     基安化発第0326002号
                                       平成21年3月26日

(別記関係団体の長) 殿

                                厚生労働省労働基準局安全衛生部
                                         労働衛生課長
                                       化学物質対策課長  

   国が実施したがん原性試験の結果がん原性を示す証拠が認められた化学物質による労働者の
   健康障害防止対策の徹底について

 労働安全衛生行政の推進につきましては、日頃から格段の御支援、御協力をいただき厚く御礼申し上げ
ます。
 さて、厚生労働省においては、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条の5
の規定に基づき、有害性情報が不十分な化学物質等についてがん原性の疑いに着目した有害性の調査を進
めているところです。
 今般、塩化アリルオルト-フェニレンジアミン及びその塩、1-クロロ-2-ニトロベンゼン2,4-ジクロ
ロ-1-ニトロベンゼン1,2-ジクロロプロパンノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルパラ-
ニトロアニソール1-ブロモ-3-クロロプロパン(以下「塩化アリル等」という。)の8物質については、職
業がん対策専門検討会において、哺乳動物を用いた長期毒性試験の結果、動物に対するがん原性が認めら
れる等のため、人に対するがん原性は現在確定していないものの、労働者がこれに長期間ばく露された場
合に将来においてがん等の重篤な健康障害を生ずる可能性が否定できないことから、関係労働者の塩化ア
リル等による健康障害の防止のための行政対応が必要である旨報告されたところです。
 今後、厚生労働省としては、本報告を踏まえ、塩化アリル等について、法第28条第3項の厚生労働大臣
が定める物質とし、化学物質による健康障害を防止するための指針の公示等を行うこととしていますが、
貴団体におかれましては、指針の公示を待たず、下記の事項につきまして、貴団体会員に対し、周知・徹
底していただきますようよろしくお願い申し上げます。

                       記

 1 塩化アリル等による労働者の健康障害を防止する観点から、以下の事項に留意の上、必要な措置を
  講じること。
  ア 塩化アリル等の労働者へのばく露を低減させる措置として、作業工程の改善、設備の密閉化、
   局所排気装置等の設置、保護具の使用や装置等の操作、異常な事態が発生した場合における応急の
   措置に係る作業基準を定めること等を行うこと。
  イ 定期的に、作業環境の測定及び当該測定結果の評価を行い、必要に応じて、作業環境改善のため
   の措置を講ずるとともに、呼吸用保護具の着用その他労働者の健康障害を防止するため必要な措置
   を講ずること。また、作業環境の測定の結果及び結果の評価の記録を保存すること。
  ウ 塩化アリル等の性状及び有害性並びに保護具の使用方法等について、労働者に労働衛生教育を行
   うこと。
  エ 塩化アリル等の製造等に従事する労働者の把握のため、当該業務に従事する労働者について、定
   期的に、従事した業務の概要及び当該業務に従事した期間その他必要な事項について作業の記録を
   作成し、それを保存すること。
  オ 「化学物質等の危険有害性等の表示に関する指針(平成4年労働省告示第60号)」に基づき、容器、
   包装等にラベルを付す等により必要な事項を表示すること。

 2 塩化アリルについては、動物試験において、歩行困難等の神経毒性が認められるとの指摘がなされ
  たことから、健康障害防止のため、留意すること。