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労働安全衛生法 第五章 機械等並びに危険物及び有害物に関する規制
(第三十七条−第五十八条)

労働安全衛生法 目次

第一節  機械等に関する規制

(製造の許可)
第三十七条  特に危険な作業を必要とする機械等として別表第一に掲げるもので、政令で定めるもの(以
 下「特定機械等」という。)を製造しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじ
 め、都道府県労働局長の許可を受けなければならない。
  都道府県労働局長は、前項の許可の申請があつた場合には、その申請を審査し、申請に係る特定機械
 等の構造等が厚生労働大臣の定める基準に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしては
 ならない。

(製造時等検査等)
第三十八条  特定機械等を製造し、若しくは輸入した者、特定機械等で厚生労働省令で定める期間設置
 されなかつたものを設置しようとする者又は特定機械等で使用を廃止したものを再び設置し、若しくは
 使用しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定機械等及びこれに係る厚生労働
 省令で定める事項について、当該特定機械等が、特別特定機械等(特定機械等のうち厚生労働省令で定
 めるものをいう。以下同じ。)以外のものであるときは都道府県労働局長の、特別特定機械等であると
 きは厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録製造時等検査機関」という。)の検査を受けなければな
 らない。ただし、輸入された特定機械等及びこれに係る厚生労働省令で定める事項(次項において「輸
 入時等検査対象機械等」という。)について当該特定機械等を外国において製造した者が次項の規定に
 よる検査を受けた場合は、この限りでない。
  前項に定めるもののほか、次に掲げる場合には、外国において特定機械等を製造した者は、厚生労働
 省令で定めるところにより、輸入時等検査対象機械等について、自ら、当該特定機械等が、特別特定機
 械等以外のものであるときは都道府県労働局長の、特別特定機械等であるときは登録製造時等検査機関
 の検査を受けることができる。
  一  当該特定機械等を本邦に輸出しようとするとき。
  二  当該特定機械等を輸入した者が当該特定機械等を外国において製造した者以外の者(以下この号に
    おいて単に「他の者」という。)である場合において、当該製造した者が当該他の者について前項の
    検査が行われることを希望しないとき。
  特定機械等(移動式のものを除く。)を設置した者、特定機械等の厚生労働省令で定める部分に変更
 を加えた者又は特定機械等で使用を休止したものを再び使用しようとする者は、厚生労働省令で定める
 ところにより、当該特定機械等及びこれに係る厚生労働省令で定める事項について、労働基準監督署長
 の検査を受けなければならない。

(検査証の交付等)
第三十九条  都道府県労働局長又は登録製造時等検査機関は、前条第一項又は第二項の検査(以下「製
 造時等検査」という。)に合格した移動式の特定機械等について、厚生労働省令で定めるところにより、
 検査証を交付する。
  労働基準監督署長は、前条第三項の検査で、特定機械等の設置に係るものに合格した特定機械等につ
  いて、厚生労働省令で定めるところにより、検査証を交付する。
  労働基準監督署長は、前条第三項の検査で、特定機械等の部分の変更又は再使用に係るものに合格し
  た特定機械等について、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定機械等の検査証に、裏書を行う。

(使用等の制限)
第四十条  前条第一項又は第二項の検査証(以下「検査証」という。)を受けていない特定機械等
(第三十八条第三項の規定により部分の変更又は再使用に係る検査を受けなければならない特定機械等で、
  前条第三項の裏書を受けていないものを含む。)は、使用してはならない。
  検査証を受けた特定機械等は、検査証とともにするのでなければ、譲渡し、又は貸与してはならない。

(検査証の有効期間等)
第四十一条  検査証の有効期間(次項の規定により検査証の有効期間が更新されたときにあつては、当
 該更新された検査証の有効期間)は、特定機械等の種類に応じて、厚生労働省令で定める期間とする。
  検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定機械
 等及びこれに係る厚生労働省令で定める事項について、厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録性
 能検査機関」という。)が行う性能検査を受けなければならない。

(譲渡等の制限等)
第四十二条  特定機械等以外の機械等で、別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要と
 するもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するものの
 うち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与
 し、又は設置してはならない。

(譲渡等の制限等)
第四十三条  動力により駆動される機械等で、作動部分上の突起物又は動力伝導部分若しくは調速部分
 に厚生労働省令で定める防護のための措置が施されていないものは、譲渡し、貸与し、又は譲渡若しく
 は貸与の目的で展示してはならない。

第四十三条の二  厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、第四十二条の機械等を製造し、又は輸入した者
 が、当該機械等で、次の各号のいずれかに該当するものを譲渡し、又は貸与した場合には、その者に対
 し、当該機械等の回収又は改善を図ること、当該機械等を使用している者へ厚生労働省令で定める事項
 を通知することその他当該機械等が使用されることによる労働災害を防止するため必要な措置を講ずる
 ことを命ずることができる。
  一  次条第五項の規定に違反して、同条第四項の表示が付され、又はこれと紛らわしい表示が付された
    機械等
  二  第四十四条の二第三項に規定する型式検定に合格した型式の機械等で、第四十二条の厚生労働大臣
  が定める規格又は安全装置(第四号において「規格等」という。)を具備していないもの
  三  第四十四条の二第六項の規定に違反して、同条第五項の表示が付され、又はこれと紛らわしい表示
    が付された機械等
  四  第四十四条の二第一項の機械等以外の機械等で、規格等を具備していないもの

(個別検定)
第四十四条  第四十二条の機械等(次条第一項に規定する機械等を除く。)のうち、別表第三に掲げる
 機械等で政令で定めるものを製造し、又は輸入した者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労
 働大臣の登録を受けた者(以下「登録個別検定機関」という。)が個々に行う当該機械等についての検
 定を受けなければならない。
  前項の規定にかかわらず、同項の機械等を輸入した者が当該機械等を外国において製造した者(以下
 この項において「外国製造者」という。)以外の者(以下この項において単に「他の者」という。)で
 ある場合において、当該外国製造者が当該他の者について前項の検定が行われることを希望しないとき
 は、当該外国製造者は、厚生労働省令で定めるところにより、自ら登録個別検定機関が個々に行う当該
 機械等についての検定を受けることができる。当該検定が行われた場合においては、当該機械等を輸入
 した者については、同項の規定は、適用しない。
  登録個別検定機関は、前二項の検定(以下「個別検定」という。)を受けようとする者から申請があ
 つた場合には、当該申請に係る機械等が厚生労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなけ
 れば、当該機械等を個別検定に合格させてはならない。
  個別検定を受けた者は、当該個別検定に合格した機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、当
 該個別検定に合格した旨の表示を付さなければならない。
  個別検定に合格した機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれらと紛らわしい表示を付
  してはならない。
  第一項の機械等で、第四項の表示が付されていないものは、使用してはならない。

(型式検定)
第四十四条の二  第四十二条の機械等のうち、別表第四に掲げる機械等で政令で定めるも
  のを製造し、又は輸入した者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の登録を受けた者
  (以下「登録型式検定機関」という。)が行う当該機械等の型式についての検定を受けなければならな
  い。ただし、当該機械等のうち輸入された機械等で、その型式について次項の検定が行われた機械等に
  該当するものは、この限りでない。
  前項に定めるもののほか、次に掲げる場合には、外国において同項本文の機械等を製造した者(以下
  この項及び第四十四条の四において「外国製造者」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、
 当該機械等の型式について、自ら登録型式検定機関が行う検定を受けることができる。
  一  当該機械等を本邦に輸出しようとするとき。
  二  当該機械等を輸入した者が外国製造者以外の者(以下この号において単に「他の者」という。)で
    ある場合において、当該外国製造者が当該他の者について前項の検定が行われることを希望しないと
    き。
  登録型式検定機関は、前二項の検定(以下「型式検定」という。)を受けようとする者から申請があ
 つた場合には、当該申請に係る型式の機械等の構造並びに当該機械等を製造し、及び検査する設備等が
 厚生労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、当該型式を型式検定に合格させて
 はならない。
  登録型式検定機関は、型式検定に合格した型式について、型式検定合格証を申請者に交付する。
  型式検定を受けた者は、当該型式検定に合格した型式の機械等を本邦において製造し、又は本邦に輸
  入したときは、当該機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、型式検定に合格した型式の機械等
 である旨の表示を付さなければならない。型式検定に合格した型式の機械等を本邦に輸入した者(当該
 型式検定を受けた者以外の者に限る。)についても、同様とする。
  型式検定に合格した型式の機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示
  を付してはならない。
  第一項本文の機械等で、第五項の表示が付されていないものは、使用してはならない。

(型式検定合格証の有効期間等)
第四十四条の三  型式検定合格証の有効期間(次項の規定により型式検定合格証の有効期間が更新された
  ときにあつては、当該更新された型式検定合格証の有効期間)は、前条第一項本文の機械等の種類に応
  じて、厚生労働省令で定める期間とする。
  型式検定合格証の有効期間の更新を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、型式
 検定を受けなければならない。

(型式検定合格証の失効)
第四十四条の四  厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号の機械等に係る
 型式検定合格証(第二号にあつては、当該外国製造者が受けた型式検定合格証)の効力を失わせること
 ができる。
  一  型式検定に合格した型式の機械等の構造又は当該機械等を製造し、若しくは検査する設備等が
    第四十四条の二第三項の厚生労働省令で定める基準に適合していないと認められるとき。
  二  型式検定を受けた外国製造者が、当該型式検定に合格した型式の機械等以外の機械等で本邦に輸入
    されたものに、第四十四条の二第五項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付しているとき。
  三  厚生労働大臣が型式検定に合格した型式の機械等の構造並びに当該機械等を製造し、及び検査する
  設備等に関し労働者の安全と健康を確保するため必要があると認めてその職員をして当該型式検定を
  受けた外国製造者の事業場又は当該型式検定に係る機械等若しくは設備等の所在すると認める場所に
  おいて、関係者に質問をさせ、又は当該機械等若しくは設備等その他の物件についての検査をさせよ
  うとした場合において、その質問に対して陳述がされず、若しくは虚偽の陳述がされ、又はその検査
  が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避されたとき。

(定期自主検査)
第四十五条  事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定め
 るところにより、定期に自主検査を行ない、及びその結果を記録しておかなければならない。
  事業者は、前項の機械等で政令で定めるものについて同項の規定による自主検査のうち厚生労働省
 令で定める自主検査(以下「特定自主検査」という。)を行うときは、その使用する労働者で厚生労働
 省令で定める資格を有するもの又は第五十四条の三第一項に規定する登録を受け、他人の求めに応じて
 当該機械等について特定自主検査を行う者(以下「検査業者」という。)に実施させなければならない。
  厚生労働大臣は、第一項の規定による自主検査の適切かつ有効な実施を図るため必要な自主検査指針
 を公表するものとする。
  厚生労働大臣は、前項の自主検査指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者若
 しくは検査業者又はこれらの団体に対し、当該自主検査指針に関し必要な指導等を行うことができる。

(登録製造時等検査機関の登録)
第四十六条  第三十八条第一項の規定による登録(以下この条、次条、第五十三条第一項及び第二項並
 びに第五十三条の二第一項において「登録」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生
 労働省令で定める区分ごとに、製造時等検査を行おうとする者の申請により行う。
  次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
  一  この法律又はこれに基づく命令の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、
    又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
  二  第五十三条第一項又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を
  経過しない者
  三  法人で、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
  厚生労働大臣は、第一項の規定により登録を申請した者(以下この項において「登録申請者」という。)
 が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、登録をしなければならない。
 一 別表第五に掲げる機械器具その他の設備を用いて製造時等検査を行うものであること。
 二 製造時等検査を実施する者(別表第六第一号に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する
  者に限る。以下「検査員」という。)が同表第二号に掲げる数以上であること。
 三 検査員であつて別表第七に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者が検査員を指揮す
  るとともに製造時等検査の業務を管理するものであること。
 四 登録申請者が、特別特定機械等を製造し、又は輸入する者(以下この号において「製造者等」とい
  う。)に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
  イ 登録申請者が株式会社である場合にあつては、製造者等がその親法人(会社法(平成十七年法律
   第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいい、当該登録申請者が外国にある事務所
   において製造時等検査の業務を行おうとする者である場合にあつては、外国における同法の親法人
   に相当するものを含む。)であること。
  ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあ
   つては、業務を執行する社員)に占める製造者等の役員又は職員(過去二年間に当該製造者等の役
   員又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
  ハ 登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、製造者等の役員又は職員(過去二年
   間に当該製造者等の役員又は職員であつた者を含む。)であること。
 登録は、登録製造時等検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
 一 登録年月日及び登録番号
 二 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 三 事務所の名称及び所在地
 四 第一項の区分

(登録の更新)
第四十六条の二 登録は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、
 その期間の経過によつて、その効力を失う。
 前条第二項から第四項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。

(製造時等検査の義務等)
第四十七条  登録製造時等検査機関は、製造時等検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由が
  ある場合を除き、遅滞なく、製造時等検査を行わなければならない。
  登録製造時等検査機関は、製造時等検査を行うときは、検査員にこれを実施させなければならない。
 登録製造時等検査機関は、公正に、かつ、第三十七条第二項の基準のうち特別特定機械等の構造に係
 るものに適合する方法により製造時等検査を行わなければならない。
 登録製造時等検査機関は、製造時等検査を行うときは、製造時等検査の検査方法から生ずる危険を防
 止するために必要な措置として厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。

(変更の届出)
第四十七条の二 登録製造時等検査機関は、第四十六条第四項第二号又は第三号の事項を変更しようと
 するときは、変更しようとする日の二週間前までに、厚生労働大臣に届け出なければならない。

(業務規程)
第四十八条  登録製造時等検査機関は、製造時等検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)
  を定め、製造時等検査の業務の開始の日の二週間前までに、厚生労働大臣に届け出なければならない。
 これを変更しようとするときも、同様とする。
  業務規程には、製造時等検査の実施方法、製造時等検査に関する料金その他の厚生労働省令で定める
 事項を定めておかなければならない。

(業務の休廃止)
第四十九条  登録製造時等検査機関は、製造時等検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しよう
 とするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なけ
 ればならない。

(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第五十条  登録製造時等検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書又は収支決算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気
 的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機
 による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的
 記録を含む。次項及び第百二十三条第一号において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所
 に備えて置かなければならない。
 製造時等検査を受けようとする者その他の利害関係人は、登録製造時等検査機関の業務時間内は、い
 つでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号及び第四号の請求をするには、登録製造
 時等検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
 一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
 二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
 三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生
  労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供す
  ることの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
 製造時等検査を受けようとする者その他の利害関係人は、登録製造時等検査機関が製造時等検査に関
 し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約(以下この項において「損
 害保険契約」という。)を締結しているときは、登録製造時等検査機関の業務時間内は、いつでも、次
 に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号及び第四号の請求をするには、登録製造時等検査機
 関の定めた費用を支払わなければならない。
 一 損害保険契約の契約内容を記載した書類が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又
  は謄写の請求
 二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
 三 第一号の書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を
  厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供す
  ることの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
 登録製造時等検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、第一項の規定により作成した損益計算書又
 は収支決算書及び事業報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

(検査員の選任等の届出)
第五十一条  登録製造時等検査機関は、検査員を選任し、又は解任したときは、厚生労働省令で定める
 ところにより、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

(適合命令)
第五十二条  厚生労働大臣は、登録製造時等検査機関(外国にある事務所において製造時等検査の業務
 を行う登録製造時等検査機関(以下「外国登録製造時等検査機関」という。)を除く。)が第四十六条
 第三項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録製造時等検査機関に対し、これら
 の規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(改善命令)
第五十二条の二 厚生労働大臣は、登録製造時等検査機関(外国登録製造時等検査機関を除く。)が第
 四十七条の規定に違反していると認めるときは、その登録製造時等検査機関に対し、製造時等検査を行
 うべきこと又は製造時等検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ず
 ることができる。

(準用)
第五十二条の三 前二条の規定は、外国登録製造時等検査機関について準用する。この場合において、前
 二条中「命ずる」とあるのは、「請求する」と読み替えるものとする。

(登録の取消し等)
第五十三条  厚生労働大臣は、登録製造時等検査機関(外国登録製造時等検査機関を除く。)が次の各
 号のいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定
 めて製造時等検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 一 第四十六条第二項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
 二 第四十七条から第四十九条まで、第五十条第一項若しくは第四項又は第百三条第二項の規定に違
  反したとき。
 三 正当な理由がないのに第五十条第二項各号又は第三項各号の規定による請求を拒んだとき。
 四 第五十一条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
 五 第五十二条及び第五十二条の二の規定による命令に違反したとき。
 六 不正の手段により登録を受けたとき。
 厚生労働大臣は、外国登録製造時等検査機関が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その
 登録を取り消すことができる。
 一 前項第一号から第四号まで又は第六号のいずれかに該当するとき。
 二 前条において読み替えて準用する第五十二条又は第五十二条の二の規定による請求に応じなかつた
  とき。
 三 厚生労働大臣が、外国登録製造時等検査機関が前二号のいずれかに該当すると認めて、六月を超え
  ない範囲内で期間を定めて製造時等検査の業務の全部又は一部の停止を請求した場合において、その
  請求に応じなかつたとき。
 四 厚生労働大臣が、外国登録製造時等検査機関の業務の適正な運営を確保するため必要があると認め
  て、その職員をして外国登録製造時等検査機関の事務所に立ち入らせ、関係者に質問させ、又はその
  業務に関係のある帳簿、書類その他の物件を検査させようとした場合において、その立入り若しくは
  検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避され、又は質問に対して陳述がされず、若しくは虚偽の陳述
  がされたとき。
 五 厚生労働大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、外国登録製造時等検査機関に対し、
  必要な事項の報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
 六 次項の規定による費用の負担をしないとき。
 前項第四号の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける外国登録製造時等
 検査機関の負担とする。

(都道府県労働局長による製造時等検査の実施)
第五十三条の二  都道府県労働局長は、登録を受ける者がいないとき、第四十九条の規定による製造時
 等検査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき、前条第一項若しくは第二項の規定に
 より登録を取り消し、又は登録製造時等検査機関に対し製造時等検査の業務の全部若しくは一部の停止
 を命じたとき、登録製造時等検査機関が天災その他の事由により製造時等検査の業務の全部又は一部を
 実施することが困難となつたときその他必要があると認めるときは、当該製造時等検査の業務の全部又
 は一部を自ら行うことができる。
2 都道府県労働局長が前項の規定により製造時等検査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における製
 造時等検査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、厚生労働省令で定める。

(登録性能検査機関) 
第五十三条の三 第四十六条及び第四十六条の二の規定は第四十一条第二項の登録について、第四十七
 条から前条までの規定は登録性能検査機関について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げ
 る規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。

(登録個別検定機関)
第五十四条  第四十六条及び第四十六条の二の規定は第四十四条第一項の登録について、第四十七条か
 ら第五十三条の二までの規定は登録個別検定機関について準用する。この場合において、次の表の上
 欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものと
 する。

(登録型式検定機関)
第五十四条の二  第四十六条及び第四十六条の二の規定は第四十四条の二第一項の登録について、第四
 十七条から第五十三条の二までの規定は登録型式検定機関について準用する。この場合において、
 次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替え
 るものとする。

(検査業者)
第五十四条の三  検査業者になろうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省又は
 都道府県労働局に備える検査業者名簿に、氏名又は名称、住所その他厚生労働省令で定める事項の登録
 を受けなければならない。
  次の各号のいずれかに該当する者は、前項の登録を受けることができない。
  一  第四十五条第一項若しくは第二項の規定若しくはこれらの規定に基づく命令に違反し、又は
    第五十四条の六第二項の規定による命令に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、
  又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
  二  第五十四条の六第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過し
    ない者
  三  法人で、その業務を行う役員のうちに第一号に該当する者があるもの
  第一項の登録は、検査業者になろうとする者の申請により行う。
  厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の申請が厚生労働省令で定める基準に適合していると認
 めるときでなければ、第一項の登録をしてはならない。
  事業者その他の関係者は、検査業者名簿の閲覧を求めることができる。

(検査業者)
第五十四条の四  検査業者は、他人の求めに応じて特定自主検査を行うときは、厚生労働省令で定める
 資格を有する者にこれを実施させなければならない。

(検査業者)
第五十四条の五  検査業者がその事業の全部を譲り渡し、又は検査業者について相続、合併若しくは分
 割(その事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、その事業の全部を譲り受けた者又は
 相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定し
 たときは、その者。以下この項において同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立された
 法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その検査業者の地位を承継する。ただし、
 当該事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若
 しくは分割により当該事業の全部を承継した法人が第五十四条の三第二項各号いずれかに該当するとき
 は、この限りでない。
  前項の規定により検査業者の地位を承継した者は、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、
 その旨を厚生労働大臣又は都道府県労働局長に届け出なければならない。

第五十四条の六  厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、検査業者が第五十四条の三第二項第一号又は第
 三号に該当するに至つたときは、その登録を取り消さなければならない。
  厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、検査業者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、
 その登録を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて特定自主検査の業務の全部若しくは一
 部の停止を命ずることができる。
  一  第五十四条の三第四項の基準に適合しなくなつたと認められるとき。
  二  第五十四条の四の規定に違反したとき。
  三  第百十条第一項の条件に違反したとき。

第二節  危険物及び有害物に関する規制

(製造等の禁止)
第五十五条  黄りんマツチ、ベンジジン、ベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を
  生ずる物で、政令で定めるものは、製造し、輸入し、譲渡し、提供し、又は使用してはならない。ただ
  し、試験研究のため製造し、輸入し、又は使用する場合で、政令で定める要件に該当するときは、この
  限りでない。

(製造の許可)
第五十六条  ジクロルベンジジン、ジクロルベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障
 害を生ずるおそれのある物で、政令で定めるものを製造しようとする者は、厚生労働省令で定めるとこ
 ろにより、あらかじめ、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
  厚生労働大臣は、前項の許可の申請があつた場合には、その申請を審査し、製造設備、作業方法等が
 厚生労働大臣の定める基準に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
  第一項の許可を受けた者(以下「製造者」という。)は、その製造設備を、前項の基準に適合するよ
  うに維持しなければならない。
  製造者は、第二項の基準に適合する作業方法に従つて第一項の物を製造しなければならない。
  厚生労働大臣は、製造者の製造設備又は作業方法が第二項の基準に適合していないと認めるときは、
 当該基準に適合するように製造設備を修理し、改造し、若しくは移転し、又は当該基準に適合する作業
 方法に従つて第一項の物を製造すべきことを命ずることができる。
  厚生労働大臣は、製造者がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分
 に違反したときは、第一項の許可を取り消すことができる。

(表示等)
第五十七条  爆発性の物、発火性の物、引火性の物その他の労働者に危険を生ずるおそれのある物若し
 くはベンゼン、ベンゼンを含有する製剤その他の労働者に健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定
 めるもの又は前条第一項の物を容器に入れ、又は包装して、譲渡し、又は提供する者は、厚生労働省令
 で定めるところにより、その容器又は包装(容器に入れ、かつ、包装して、譲渡し、又は提供するとき
 にあつては、その容器)に次に掲げるものを表示しなければならない。ただし、その容器又は包装のう
 ち、主として一般消費者の生活の用に供するためのものについては、この限りでない。
 一 次に掲げる事項
  イ 名称
  ロ 人体に及ぼす作用
  ハ 貯蔵又は取扱い上の注意
  ニ イからハまでに掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
 二 当該物を取り扱う労働者に注意を喚起するための標章で厚生労働大臣が定めるもの
  前項の政令で定める物又は前条第一項の物を前項に規定する方法以外の方法により譲渡し、又は提供
  する者は、厚生労働省令で定めるところにより、同項各号の事項を記載した文書を、譲渡し、又は提供
 する相手方に交付しなければならない。

(文書の交付等)
第五十七条の二  労働者に危険若しくは健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの又は第五
 十六条第一項の物(以下この条及び次条第一項において「通知対象物」という。)を譲渡し、又は提供
 する者は、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により通知対象物に関する次の事項(前条第二
 項に規定する者にあっては、同項に規定する事項を除く。)を、譲渡し、又は提供する相手方に通知し
 なければならない。ただし、主として一般消費者の生活の用に供される製品として通知対象物を譲渡し、
 又は提供する場合については、この限りでない。
  一 名称
  二 成分及びその含有量
  三 物理的及び化学的性質
  四 人体に及ぼす作用
  五 貯蔵又は取扱い上の注意
  六 流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置
  七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
 通知対象物を譲渡し、又は提供する者は、前項の規定により通知した事項に変更を行う必要が生じた
 ときは、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により、変更後の同項各号の事項を、速やかに、
 譲渡し、又は提供した相手方に通知するよう努めなければならない。
 前二項に定めるもののほか、前二項の通知に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

(第五十七条第一項の政令で定める物及び通知対象物について事業者が行うべき調査等)
第五十七条の三 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第五十七条第一項の政令で定める物
 及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければならない。
 事業者は、前項の調査の結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずる
 ほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。
 厚生労働大臣は、第二十八条第一項及び第三項に定めるもののほか、前二項の措置に関して、その適
 切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことが
 できる。
   
(化学物質の有害性の調査)
第五十七条の四  化学物質による労働者の健康障害を防止するため、既存の化学物質として政令で定め
 る化学物質(第三項の規定によりその名称が公表された化学物質を含む。)以外の化学物質(以下この
 条において「新規化学物質」という。)を製造し、又は輸入しようとする事業者は、あらかじめ、厚生
 労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める基準に従つて有害性の調査(当該新規化学物質
 が労働者の健康に与える影響についての調査をいう。以下この条において同じ。)を行い、当該新規化
 学物質の名称、有害性の調査の結果その他の事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、
 次の各号のいずれかに該当するときその他政令で定める場合は、この限りでない。
  一  当該新規化学物質に関し、厚生労働省令で定めるところにより、当該新規化学物質について予定さ
  れている製造又は取扱いの方法等からみて労働者が当該新規化学物質にさらされるおそれがない旨の
  厚生労働大臣の確認を受けたとき。
  二  当該新規化学物質に関し、厚生労働省令で定めるところにより、既に得られている知見等に基づき
  厚生労働省令で定める有害性がない旨の厚生労働大臣の確認を受けたとき。
  三  当該新規化学物質を試験研究のため製造し、又は輸入しようとするとき。
  四  当該新規化学物質が主として一般消費者の生活の用に供される製品(当該新規化学物質を含有する
    製品を含む。)として輸入される場合で、厚生労働省令で定めるとき。
  有害性の調査を行つた事業者は、その結果に基づいて、当該新規化学物質による労働者の健康障害を
  防止するため必要な措置を速やかに講じなければならない。
  厚生労働大臣は、第一項の規定による届出があつた場合(同項第二号の規定による確認をした場合を
 含む。)には、厚生労働省令で定めるところにより、当該新規化学物質の名称を公表するものとする。
  厚生労働大臣は、第一項の規定による届出があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、
 有害性の調査の結果について学識経験者の意見を聴き、当該届出に係る化学物質による労働者の健康障
 害を防止するため必要があると認めるときは、届出をした事業者に対し、施設又は設備の設置又は整備、
 保護具の備付けその他の措置を講ずべきことを勧告することができる。
  前項の規定により有害性の調査の結果について意見を求められた学識経験者は、当該有害性の調査の
  結果に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、労働者の健康障害を防止するためやむを得
  ないときは、この限りでない。

第五十七条の五  厚生労働大臣は、化学物質で、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれの
 あるものについて、当該化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要があると認めるときは、
 厚生労働省令で定めるところにより、当該化学物質を製造し、輸入し、又は使用している事業者その他
 厚生労働省令で定める事業者に対し、政令で定める有害性の調査(当該化学物質が労働者の健康障害に
 及ぼす影響についての調査をいう。)を行い、その結果を報告すべきことを指示することができる。
  前項の規定による指示は、化学物質についての有害性の調査に関する技術水準、調査を実施する機関
  の整備状況、当該事業者の調査の能力等を総合的に考慮し、厚生労働大臣の定める基準に従つて行うも
 のとする。
  厚生労働大臣は、第一項の規定による指示を行おうとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定める
 ところにより、学識経験者の意見を聴かなければならない。
  第一項の規定による有害性の調査を行つた事業者は、その結果に基づいて、当該化学物質による労働
  者の健康障害を防止するため必要な措置を速やかに講じなければならない。
  第三項の規定により第一項の規定による指示について意見を求められた学識経験者は、当該指示に関
  して知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、労働者の健康障害を防止するためやむを得ないとき
  は、この限りでない。

(国の援助等)
第五十八条  国は、前二条の規定による有害性の調査の適切な実施に資するため、化学物質について、
  有害性の調査を実施する施設の整備、資料の提供その他必要な援助に努めるほか、自ら有害性の調査を
  実施するよう努めるものとする。