鋳物業
傾動出湯式誘導炉(るつぼ型)は、傾動デッキと固定デッキで構成されており、両者は操業に必要な作業床として利用されていた。
しかし、出湯する時や、メンテナンス時においては、誘導炉を傾動する時に傾動デッキと固定デッキの間に大きな開口部ができ、作業者が開口部から墜落する危険性があった。
固定デッキ側へ安全柵を常時設置することは、作業者が原料を炉に投入するための通路を確保しておく必要上、また、作業の効率の面からも難しかった。
そこで、作業効率を妨げないで、かつ、開口部からの墜落も防止することのできるような安全柵の開発を試みた。
作業者が原料を炉へ投入するための通路を確保しておく必要上、炉を傾動させる時のみ、安全柵が設置でき、傾動デッキと固定デッキの間の大きな開口部への作業者の墜落防止を図り、傾動しない時には、安全柵が格納され作業効率性を妨げない安全柵を開発した。
誘導炉を傾動させると、傾動デッキと一体に取り付けてある側面の安全柵がせり出し始める。傾動デッキの傾斜角が30度〜35度を過ぎるとリミットスイッチが働き、後部の安全柵がエアーシリンダーを駆動することにより上昇する。
傾動が完了と同時に、開口部の周囲には安全柵が設置された状態となる。
誘導炉を傾動させた時、傾動デッキと固定デッキの間に生じていた開口部は、側面の安全柵と後部の安全柵とで完全にふさがれ、作業者が開口部へ墜落する危険を防ぐことに効果が上がった。
また、誘導炉を傾動させない時には、作業デッキの床下へ安全柵が収納されてしまうので、炉への原料投入時の作業効率を下げることなく作業が遂行できるようになった。
平成3年3月〜平成3年9月
50万円/台
申請中