労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令の施行について

基発0519第6号
平成29年5月19日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令の施行について

 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成29年政令第60号。以下「改正政令」という。)及び特
定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令(平成29年厚生労働省令第60号。以下「改正省令」とい
う。)がそれぞれ平成29年3月29日及び4月27日に公布され、平成29年6月1日から施行することとされたと
ころであるが、その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、その施行に遺漏なきを期
されたい。
 併せて、本通達については、別添のとおり、別紙関係事業者等団体の長宛て傘下会員事業者への周知等
を依頼したので了知されたい。
第1 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令
 1 改正の趣旨
   国が専門家を参集して行った化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価(以下「リス
  ク評価」という。)において、三酸化二アンチモン及びこれを含有する製剤その他の物を製造し、又
  は取り扱う作業については、リスクが高いため健康障害防止措置の導入が必要と評価されたところで
  ある。
   改正政令は、三酸化二アンチモンに関して、リスク評価を基に行った専門家による健康障害防止措
  置内容の検討結果を踏まえ、労働者の化学物質へのばく露防止措置や健康管理を推進するため、労働
  安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「施行令」という。)について、所要の改正を行った
  ものである。

 2 改正の内容及び留意事項
  (1) 施行令の一部改正(改正政令本則関係)
   ア 特定化学物質の追加(施行令別表第3関係)
     特定化学物質の第2類物質として、三酸化二アンチモン及びこれを含有する製剤その他の物で、
    厚生労働省令で定めるもの(具体的には第2の2の(1)のア参照)を追加したこと。これにより、当
    該物質を製造し、又は取り扱う場合は、作業主任者の選任、作業環境測定の実施及び特殊健康診
    断の実施を行わなければならないこととなること。
   イ 配置転換後の健康診断を行うべき有害な業務への追加(施行令第22条第2項関係)
     三酸化二アンチモン及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(具体
    的には第2の2の(1)のコ参照)を製造し、又は取り扱う業務を、労働安全衛生法(昭和47年法律第
    57号。以下「法」という。)第66条第2項後段の健康診断の対象業務としたこと。

  (2) 施行期日(改正政令附則第1項関係)
    改正政令は、平成29年6月1日から施行することとしたこと。

  (3) 経過措置(改正政令附則第2項及び第3項関係)
   ア 作業主任者の選任に関する経過措置(改正政令附則第2項関係)
     三酸化二アンチモン及びこれを含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う作業について
    は、平成30年5月31日までの間(施行後1年間)は、作業主任者の選任を要しないこととしたこと。
   イ 作業環境測定に関する経過措置(改正政令附則第3項関係)
     三酸化二アンチモン及びこれを含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う屋内作業場に
    ついては、平成30年5月31日までの間(施行後1年間)は、作業環境測定を行うことを要しないこと
    としたこと。

第2 特定化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令
 1 改正の趣旨
   改正省令は、改正政令の施行に伴い、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下
  「特化則」という。)作業環境測定法施行規則(昭和50年労働省令第20号。以下「作環則」という。)
  及び労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)について所要の改正を行
  ったものである。

 2 改正の内容及び留意事項
  (1) 特化則の一部改正(改正省令第1条関係)
   ア 三酸化二アンチモン等の「管理第2類物質」への追加(特化則第2条及び別表第1関係)
     三酸化二アンチモン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物(以下「三酸化二ア
    ンチモン等」という。)については、リスク評価において、これを製造し、又は取り扱う業務に
    従事する労働者について、健康障害のリスクが高いとされたことから、今般の改正により特定化
    学物質に追加したものであるが、大量漏洩による急性中毒のリスクは低いものであることから、
    特定化学物質の第二類物質のうち、「管理第2類物質」として規定したこと。
   イ 三酸化二アンチモン等に係る適用除外(特化則第2条の2関係)
    (ア) リスク評価の結果、「樹脂等により固形化された物を取り扱う業務」については、三酸化
      二アンチモン等の労働者へのばく露の程度が低く、労働者の健康障害を生じさせるおそれが
      低いと判断されたため、特化則の規定の適用を除外したこと。ただし、当該固形化された物
      に三酸化二アンチモン以外の特定化学物質が含まれている場合には、当該特定化学物質につ
      いて特化則に基づく措置が必要であること。
    (イ) 「樹脂等により固形化された物」とは、液体状の樹脂等(スラリー状、ペースト状のものを
      含む。)は含まれないが、それが乾燥等により固形化されたものは含まれること。
    (ウ) 特化則第2条の2に規定される業務は、(ア)のとおり労働者の健康障害を生じさせるおそれ
      が低いと判断されたものであるが、三酸化二アンチモンは、ヒトに対する発がんのおそれが
      あることから、これらの業務について自主的な管理をする必要があること。また、特化則第2
      条の2に規定される業務であっても、三酸化二アンチモンにより皮疹等の皮膚障害をおこすお
      それがある業務は、安衛則第594条及び第596条の規定の適用を受けること。
    (エ) 「樹脂等により固形化された物」を取り扱う業務については、特化則に基づく特殊健康診
      断の実施義務はないが、皮膚への接触による健康障害のおそれがあることから、一般健康診
      断における「自覚症状及び他覚症状の有無の検査」の中で、アンチモン皮疹等の皮膚症状に
      ついて確認することが望ましいこと。
   ウ 定期自主検査を行うべき機械等について(特化則第29条関係)特化則第38条の13第3項第1号イに
    より、全体換気装置に設置を義務づける除じん装置について、定期自主検査を行うべき機械に追
    加することとしたこと。
   エ 作業環境測定の実施及びその結果の評価並びにこれらの結果の記録の保存(特化則第36条及び
    第36条の2関係)
     三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う屋内作業場について、作業環境測定及びその結
    果の評価を行い、これらの結果の記録を30年間保存しなければならないこととしたこと。
   オ 三酸化二アンチモンを取り扱う一部の作業に係る作業環境測定の適用除外(特化則第36条第4項
    関係)
     特化則第38条の13第2項第2号イ及びロに掲げる作業については、特化則第38条の13第3項各号
    に規定するばく露防止対策を講じたときに限り、特化則第5条の作業環境管理のための局所排気
    装置等の規定の適用が除外されることから、作業環境測定の対象から除外したこと。
   カ 特別管理物質の追加(特化則第38条の3関係)
     三酸化二アンチモン等を特別管理物質に追加したこと。
     これに伴い、三酸化二アンチモン等については、特化則第38条の3の作業場内掲示、特化則第
    38条の4の作業記録の作成及び記録の30年間保存、特化則第40条第2項の特殊健康診断の結果の記
    録の30年間保存並びに特化則第53条の記録の提出の対象となることに留意すること。
   キ 三酸化二アンチモンに係る措置(特化則第38条の13関係)
    (ア) 三酸化二アンチモンは発じん性が高く、労働者へのばく露の程度を低減させる必要があるこ
     とから、三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う作業に関し、二次発じんを防止するた
     めの措置として、床等の掃除のほか、当該作業に使用した器具、工具、呼吸用保護具等を作業
     場外に持ち出す場合に付着した三酸化二アンチモン等の除去について規定したこと。
      また、「労働者の化学物質による健康障害防止措置に係る検討会」における検討の結果、湿
     潤な状態で取り扱うときは、労働者へのばく露の程度が低いため、特化則第5条の局所排気装
     置等の適用を除外することとしたこと。
      さらに、三酸化二アンチモンの製造炉等におけるかき落とし及び湯出しの作業は、それぞれ、
     高温の気相に対して空気を供給するための吸気口及び炉等内部の析出物を除去する湯出し口に
     おいて、手工具を炉内部等に侵入させて行う作業であり、気相のものを開放系で扱う特殊なも
     のであるため、これらの作業については全体換気装置の設置、呼吸用保護具の使用及びこれら
     の作業に従事する労働者等以外の者の立入禁止の措置を講じた場合には、特化則第5条第1項の
     局所排気装置等を講じる必要はないこととしたこと。
    (イ) 特化則第38条の13第1項第1号の「床等」の「等」には、窓枠、棚が含まれること。
    (ウ) 特化則第38条の13第1項第1号の「水洗等」、「水洗する等」の「等」には、超高性能(HEP
     A)フィルター付きの真空掃除機による清掃が含まれること。なお、当該真空掃除機を用いる際
     には、フィルターの交換作業等による粉じんの再飛散に注意する必要があること。
    (エ) 特化則第38条の13第1項第2号の「器具、工具、呼吸用保護具等」の「等」には、作業場内に
     おいて使用され、粉じんが付着した全ての物が含まれる趣旨であり、作業衣、ぼろ等が含まれ
     ること。
    (オ) 特化則第38条の13第1項第2号の「付着した物を除去」する方法は、三酸化二アンチモン等を
     製造し、又は取り扱う作業を行う作業場を他の作業場と隔離し、作業場間にエアシャワー室を
     設ける方法、付着物を拭き取る方法、作業場の出入り口に粘着性マットを設ける方法等汚染の
     程度に応じて適切な方法を用いること。また、フィルター等の付着した物の除去が困難な物は、
     廃棄物として処分すること。
    (カ) 特化則第38条の13第2項第1号の「湿潤な状態」には、スラリー化したもの、溶媒に溶解させ
     たものが含まれること。
      なお、同号の規定に関し、粉状の三酸化二アンチモン等を湿潤化せずに取り扱う場所が作業
     場内に別途ある場合には、当該粉状の三酸化二アンチモン等を取り扱う作業について、特化則
     第5条の規定に基づく措置が必要であるので留意すること。
    (キ) 特化則第38条の13第2項第2号については、かき落としの作業等に係る発散源について特化則
     第5条の適用除外を設ける趣旨であり、製造炉等が稼働しているか否かにかかわらず、同号の
     イ又はロの作業が行われているときには、全体換気装置の有効な稼働、立入禁止措置の実施等、
     特化則第38条の13第3項各号に基づく措置を講じた場合には、特化則第5条の局所排気装置等を
     設けることを要しないこと。
      また、特化則第38条の13第3項第2号の立入禁止の対象となる作業場所とは、作業場内におい
     て当該作業が行われている個々の作業場所をいうものであること。保護具等を使用した者は立
     入禁止の対象としていないが、みだりに当該作業場所で他の作業を行うべきでなく、第38条の
     13第1項第1号の清掃、除じん装置の点検、必要な衛生巡視など必要最小限の立入りに限るべき
     であること。
    (ク) 特化則第38条の13第3項第1号のイからハまでの除じん装置の留意点等については、特化則第
     9条の除じん装置と同様であること。
    (ケ) 特化則第38条の13第3項第1号の「全体換気装置を設け、有効に稼働」の「有効」とは他の作
     業場所への発散が十分に抑制されることをいい、基本的に、特化則第36条第4項第3号の規定に
     より作業環境測定の実施を要しない場所以外の場所について特化則第36条に基づき作業環境測
     定により確かめることで足りること。
    (コ) 特化則第38条の13第3項第2号の「作業衣」は粉じんの付着しにくいものとすること。また、
     「保護衣」は、日本工業規格T8115に定める規格に適合する浮遊固体粉じん防護用密閉服を含
     むこと。
    (サ) 三酸化二アンチモン等に係る作業主任者においては、更衣時飛散した三酸化二アンチモン等
     を吸入しないよう、作業方法を決定し、労働者を指揮すること。
   ク 三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う業務に係る特殊健康診断(特化則第39条関係)
     事業者は、三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者(以下
    「業務従事労働者」という。)及びこれらの業務に常時従事させたことのある労働者で、現に使
    用しているもの(以下「配置転換後労働者」という。)に対し、特化則第39条の特殊健康診断を実
    施しなければならないこととしたこと。
     なお、配置転換後労働者は、事業者が過去に当該業務に常時従事させたことのある労働者で、
    現に使用しているものをいい、退職者までを含む趣旨ではないことは、従前のとおりであること。
     また、配置転換後労働者には、改正省令の施行日(平成29年6月1日)より前に当該業務に常時従
    事させ、施行日以降に当該業務に従事させていない労働者で、現に使用しているものが含まれる
    こと。
   ケ 三酸化二アンチモン等に係る特殊健康診断の項目(特化則別表第3及び別表第4関係)
     三酸化二アンチモンについては、ヒトに対する呼吸器の障害(腫瘍等)、心臓の障害、アンチモ
    ン皮疹等の皮膚症状等を引き起こす可能性が指摘されたことを踏まえ、三酸化二アンチモン等の
    業務従事労働者及び配置転換後労働者に対する特殊健康診断の項目の趣旨等については、次のと
    おりとすること。
    (ア) 特化則別表第3(いわゆる「一次健康診断」)関係
     ① 「業務の経歴の調査」は、三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う業務について聴
      取するものであり、業務従事労働者に対して行う健康診断におけるものに限るものであるこ
      と。
       ただし、配置転換後労働者が改正省令の施行日以降に初めて受ける健康診断が、法第66条
      第2項後段に規定する配置転換後健康診断に当たる場合には、当該健康診断の際に「業務の
      経歴の調査」を行うことが望ましいこと。
     ② 「作業条件の簡易な調査」は、労働者の三酸化二アンチモンへのばく露状況の概要を把握
      するため、前回の特殊健康診断以降の作業条件の変化、環境中の三酸化二アンチモンの濃度
      に関する情報、作業時間、ばく露の頻度、三酸化二アンチモンの粉じんの発散源からの距離、
      保護具の使用状況等について、医師が主に当該労働者から聴取することにより調査するもの
      であること。このうち、環境中の三酸化二アンチモンの濃度に関する情報の収集については、
      当該労働者から聴取する方法のほか、衛生管理者等から作業環境測定の結果等をあらかじめ
      聴取する方法があること。
       なお、この項目については、業務従事労働者に対して行う健康診断におけるものに限るも
      のであるが、配置転換後労働者への取扱いについては、上記①と同様であること。
     ③ 「三酸化二アンチモンによるせき、たん、頭痛、嘔吐、腹痛、下痢、アンチモン皮疹等の
      皮膚症状等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査」は、三酸化二アンチモンにより
      生じるこれらの症状の既往歴の有無の検査をいうこと。このうち「既往歴」とは、雇入れの
      際又は配置替えの際の健康診断にあってはその時までの症状を、定期の健康診断にあっては
      前回の健康診断以降の症状をいうこと。
       また、喫煙は呼吸器の障害(腫瘍等)の原因の一つであることから、三酸化二アンチモンに
      よる健康影響やばく露状況の評価の参考とするため、喫煙歴についても聴取することが望ま
      しい。
       なお、これらの症状のうち「頭痛、嘔吐、腹痛、下痢、アンチモン皮疹等の皮膚症状等」
      の急性の疾患に係る症状については、業務従事労働者に対して行う健康診断におけるものに
      限るものであること。
     ④ 「せき、たん、頭痛、下痢、アンチモン皮疹等の皮膚症状等の他覚症状又は自覚症状の有
      無の検査」は、三酸化二アンチモンにより生じるこれらの症状の有無の検査をいうこと。な
      お、これらの症状のうち「頭痛、嘔吐、腹痛、下痢、アンチモン皮疹等の皮膚症状等の急性
      の疾患に係る症状」については、業務従事労働者に対して行う健康診断におけるものに限る
      ものであること。
     ⑤ 「尿中のアンチモンの量の測定」は、医師が必要と認める場合に行う、三酸化二アンチモ
      ンのばく露状況を把握するための検査であること。
       なお、この項目については、業務従事労働者に対して行う健康診断におけるものに限るも
      のであること。
     ⑥ 「心電図検査」は、医師が必要と認める場合に行う、心臓の障害を把握するために行う検
      査であること。
    (イ) 特化則別表第4(いわゆる「二次健康診断」)関係
     ① 「作業条件の調査」は、労働者の三酸化二アンチモンへのばく露状況の詳細について、当
      該労働者、衛生管理者、作業主任者等の関係者から聴取することにより調査するものである
      こと。なお、この項目は、業務従事労働者に対して行う健康診断におけるものに限るもので
      あること。
     ② 「胸部のエックス線直接撮影若しくは特殊なエックス線撮影による検査、喀痰の細胞診又
      は気管支鏡検査」は、いずれも医師が必要と認める場合に行う、呼吸器系の障害(腫瘍等)を
      把握するための検査であること。
       また、これらのうち、「特殊なエックス線撮影による検査」は、コンピュータ断層撮影
      (CT)による検査等をいうこと。
    (ウ) 「医師が必要と認める場合」に行う検査の実施の要否の判断について
      三酸化二アンチモンについては、一次健康診断及び二次健康診断のそれぞれにおける項目に
     「医師が必要と認める場合」に行う検査を規定したが、それぞれの検査の実施の要否は、次に
     より医師が判断すること。また、この場合の「医師」は、健康診断を実施する医師、事業場の
     産業医、産業医の選任義務のない労働者数50人未満の事業場において健康管理を行う医師等が
     あること。
     ① 一次健康診断における「医師が必要と認める場合」に行う検査一次健康診断における必須
      項目(業務の経歴の調査、作業条件の簡易な調査、他覚症状及び自覚症状の既往歴の有無の
      検査、他覚症状及び自覚症状の有無の検査)の結果、前回までの当該物質に係る健康診断の
      結果等を踏まえて、当該検査の実施の要否を判断すること。
     ② 二次健康診断における「医師が必要と認める場合」に行う検査一次健康診断の結果、前回
      までの当該物質に係る健康診断の結果等を踏まえて、当該検査の実施の要否を判断すること。
   コ 法第66条第2項後段の特殊健康診断の対象物に係る裾切値(特化則別表第5関係)
     改正政令による施行令第22条第2項の改正により、法第66条第2項後段の特殊健康診断の対象業
    務として、三酸化二アンチモン又はこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるも
    のを製造し、又は取り扱う業務が規定されたことに伴い、これらの物に係る裾切値を1%とした
    こと。
   サ 特定化学物質健康診断結果報告書の様式(特化則様式第3号(裏面)関係)
     三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う業務を特殊健康診断の対象業務として規定した
    ことに伴い、特化則様式第3号について所要の改正を行ったこと。

  (2) 作環則の一部改正(改正省令第2条関係)
    三酸化二アンチモンが特定化学物質に追加されることにより、三酸化二アンチモン等を製造し、
   又は取り扱う屋内作業場が作環則別表第4号の作業場の種類に追加されること。

  (3) 安衛則の一部改正(改正省令第3条関係)
    計画の届出をすべき機械等の追加(安衛則別表第7関係)
    特化則第2条の2に規定する三酸化二アンチモンに関する適用除外業務のみに係る発散抑制の設備
   については、届出の対象としないこととしたこと。

  (4) 施行期日(改正省令附則第1条関係)
    改正省令は、平成29年6月1日から施行することとしたこと。

  (5) 経過措置(改正省令附則第2条から第5条まで関係)
   ア 計画の届出に関する経過措置(改正省令附則第2条関係)
     三酸化二アンチモン等の粉じん等が発散する屋内作業場に設ける発散抑制設備の設置若しくは
    移転又は主要構造部分の変更を平成29年8月31日までの間(施行後3月)に行う場合には、安衛則第
    86条第1項及び法第88条第1項の規定に基づく計画の届出を要しないこととしたこと。
   イ 様式に関する経過措置(改正省令附則第3条関係)
     改正省令の施行の際、現に存する改正省令による改正前の様式による報告書の用紙は、当分の
    間、必要な改訂をした上、使用することができることとしたこと。
   ウ 第2類物質の製造等に係る設備に関する経過措置(改正省令附則第4条関係)
     三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う設備で、改正省令の施行の際、現に存するもの
    については、平成30年5月31日までの間(施行後1年間)は、改正省令による改正後の特化則(以下
    「新特化則」という。)第5条の規定は、適用しないこととしたこと。
   エ 床に関する経過措置(改正省令附則第5条関係)
     三酸化二アンチモン等を製造し、又は取り扱う作業場で改正省令の施行の際、現に存するもの
    については、平成30年5月31日までの間(施行後1年間)は、新特化則第21条及び第38条の13第1項
    第1号の規定は、適用しないこととしたこと。







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