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工夫・改善事例

フランジオープナー

業種

その他の鉄鋼業

動機

当工場ではコイル・テンパラチヤー・コントロールを用いて、熱間圧延薄板鋼帯を指令巻き取り温度まで冷却している。コイル・テンパラチヤー・コントロールは循環水をラミナータンクにポンプアップ後、主水管→給水管→上部ヘッダー・下部ヘッダーヘ供給するもので、主水管と給水管の間にある循環水の流量を調整するシリンダーバルブを介してコンピュータで制御されている。ところがシリンダーバルブはラミナータンクヘの異物混入により作動不良が発生するため、定期的に点検・整備または交換作業が行われる。

シリンダーバルブを外すのは比較的容易に行えるが、バルブを組み込む際に密着しているフランジ間にガスケットを挿入するとき、チェーンブロックで引っ張ったり、チェーンブロックを保持する個所がなければバール・たがね等を打ち込んで口開きを行っていたため、次のような問題があった。

  1. ① フランジを開口するために打ち込んだバール・たがねが外れ、指をはさまれる危険がある。
  2. ② バールが外れた反動で身体を打撲、切傷する危険性があった。
  3. ③ 肉体的負荷・精神的負荷が大きく、作業効率が悪かった。(図1

内容

そこで、シリンダーバルブにガスケットを挿入するためのフランジオープナー(図2)を考案した。

本治具の使用方法は以下のとおりである。

  1. ① フリーアームをフランジのボルト穴に入れる。
  2. ② くさび部の先端をフランジ間にあてがう。
  3. ③ 固定ストッパーをピンに掛ける。
  4. ④ ハンドルを回す。
  5. ⑤ フランジの間隔を開け、ガスケットを挿入する。

効果

  1. 安全性の向上

    バール・たがねが外れ、指をはさまれる危険がなくなった。 チェーンブロックけん引時に腰を痛める危険もなくなった。

  2. 作業性の向上

    2名で2時間を費やした点検・整備や交換作業が1名で1時間になった。よって、年間672時間の作業時間の短縮が図れた。

  3. その他

    潜在的な危険を排除することで、肉体的・精神的負担の軽減を図れた。

    シリンダーバルブのフランジだけでなく、多種のフランジに借用ができた。

期間

平成10年6月〜8月

費用

廃材を活用したため、人件費のみ

特許・実用新案申請の有無

不明

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