自動車・同付属品製造業
シールド線表皮むき作業を市販工具を使って行っていたが、シースに見えにくいキズがつき、配線ショートを起こすトラブルが発生したので、これをカッターナイフに変えた。しかし、カッターナイフでは、シースにキズをつけないよう一本一本切り口を凝視しながら慎重に作業を行わなければならず、次のような問題点も指摘され、何らかの改善が求められていた。
- ① カッターナイフを用いた指先作業のため、突く・切るの危険性がある。
- ② 凝視状態での連続作業(4時間)のため、目・肩・腕等の疲労が大きく、きつい。
- ③ 細かい作業のため、やり直しが多くイライラする。
治具を回転させるだけで、だれにでも簡単に表皮むきができ、次の特徴を有するローリングカッターを考案した。
- ① ベークライト製で、大きさが150mm×50mm×20mm、重量120gとコンパクトで持ち運びに便利である。
- ② ストッパーでフレームの作動範囲を規制し、カッターを常に一定の位置に保たせているため、切り込みの深さは、シールド線のセット位置をスリットにより決めることができる。
- ③ 治具を一回転させ、引き放すだけの操作で表皮がむける。
次に表皮むきの手順を示す。
<手順1>シールド線をその太さに合った挿入口に入れる。
<手順2>シールド線の一方を動かないように手で固定し、治具を一回転させる。
<手順3>治具をシールド線から引き放す。
- カッターを格納したため、突く・切るという危険性がなくなった。
- 切り込みの深さを調整しなくてもすむようになったので、目、肩、腕等の疲労がなくなった。
- 失敗がほとんどなくなり、イライラが解消された。
- 従来、4時間かかっていた作業時間を1時間に短縮することができた。
平成3年1月〜2月
5,000円/1個
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