自動車・同付属品製造業
自動車の組立行程において、バックドアガラス、ヘッドランプ等の外装品の組付作業が行われている。バックドアガラス取付けを行うときは図1のとおり、1人は室内、もう1人は室外とペアで行い、室内作業は中腰で作業を行っていた。1台当たりのガラスはめ込み時間は10秒弱とはいえ、1日で約40分、中腰の姿勢でを続ける。これらの中での問題点として、①室内の作業者は同一姿勢(中腰)の連続作業のため、足腰が疲れる、②ペア作業であるため、タイミングを合わせにくい等の作業者の声があった。
そこで、疲労がたまりやすい室内作業を室外からの作業にできないかを着眼点として、①中腰作業をなくす、②ペア作業をなくす、この2点ついての改善を考えた。
工夫・改善方法として図2のようなバックドアを押さえ装置を開発した。この考案に当たり、図3に示すよう、①ガラス押さえ圧の調整、②ボディの長さの識別、③ロード・センサーについては特に工夫した。
①では車型によりバックドアの高さが異なるため、バックドアガラス押さえクランプの工夫、②では超音波センサーでボディの長さを識別するが押さえクランプがガラスの中央にくるような工夫、③ではガラスの割れ防止とゴムとボディの確実なはめ込みの工夫といった工夫・改善により、作業は室外で1人で行うことが可能となった。
工夫・改善後の作業では室内作業がなくなり、足腰の疲れが減少し、さらには腰痛の心配が解消された。また、ペア作業の排除により、気遣いのいらない作業となった。労働衛生の面だけでなく腰曲げ・室内出入り動作がなくなり、安全性も向上し、2人で行っていた作業が1人でできるようになったことから、作業性も向上した。
平成9年5月〜6月
40万円/台
無し