鉄鋼業
製鉄所における製銑原料工場では、ベルトコンベアによって原料の搬送を行っている。 しかし、原料搬送時、ベルトコンベアやヘットシュートに原料が付着して固まるので、その付着物を取る清掃作業を行う必要がある。特に原料搬送時が雨天の場合は原料が水分過多の場合は清掃作業を行う頻度も高くなる。清掃作業はホースによる水洗いや突き棒によって付着して固まった減量を取る作業であるが、コンベアのプーリー部分に接近して行う作業であるため、コンベアのベルトとプーリーの間に巻き込まれる危険があるほか、突き棒とシュートの間で手をはさむ危険があった。また、大変な労力を必要とする重筋作業となっていた。(図1、写真1)
ベルトコンベア、シュートの清掃方法を自動水洗装置を使用する方式のものに改善することとした。自動水洗装置は、ベルトコンベアの原料が付着しやすい部分に、自動的に水洗シャワーを噴射させ、付着した原料を清掃する装置である。その内容は次のとおりとなってる。
- 水洗シャワーが噴射するまでの仕組み
ベルトの回転を感知させるために、コンベアのヘットプーリー部分に近接スイッチを取り付け、そのスイッチにより信号を発信させる。そしてその信号は、操作盤内のモーションコントローラーに送られ、水洗用の電磁弁を「開」にする。またその水洗時間はタイマーにて30分間に1回の水洗シャワーが2分間噴射するように設定した(図2)。水圧については、水圧調整バルブにて調整するようにした。 - 工夫した点等
- ① 原料に水を掛けすぎないように、水量の調整のために約30日のデータを取り、1回の水洗量を5リットルに設定した(2分間の水洗での水量)。
- ② ベルトコンベアが運転している状態で水洗用電磁弁を「開」になるようにするために、近接スイッチとモーションコントローラーとの組み合わせを取り入れた。
当初は、タイマーのみで対応していたが、ベルトコンベアが停止している時にも水洗が行われコンベア周辺に水が溜まるという問題が発生し、このような工夫を行った。
- 本装置により、原料がコンベアに付着して固まることがなくなったので、清掃作業時にプーリーやベルトコンベアに巻き込まれる危険が減少した。
- 突き棒とシュートの間で手や指を挟む危険が減少した。
- 突き棒による重筋作業が減少した。
- 作業効率の向上につながった。
平成8年7月20日〜12月20日
117,000円
無し