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工夫・改善事例

タイヤ専用ラック及び反転機

業種

道路貨物運送業

動機

当事業場では、輸出用タイヤをトラック及び鉄道コンテナからフォークリフトで降ろし、倉庫に一時保管する作業を行っている。輸出用タイヤは、近年、コンテナ化の進歩、物流コストの見直し等から裸タイヤが多くなってきており、本作業では、次のような問題点があった。

  1. ① 裸タイヤの表面にシリコンが塗布されているため滑りやすく、作業中や倉庫で保管する際に荷崩れが起こり、危険であった。
  2. ② フォークリフトによる運搬中、落下する危険があった。

内容

タイヤの運搬中の落下防止と保管の際の荷崩れを防止するため「タイヤ専用ラック」及びタイヤをラックに入れる際に使用する「反転機」を考案した。

① タイヤ専用ラック(写真1

【構造・機構】
  • 対象タイヤ:トラック、バス用タイヤ
  • 外観寸法850mm(奥行き)×2,600mm(幅)×1,385mm(高さ)
  • 両端に側面フレームがあり、この側面フレームは上部を掛け金は、タイヤの落下を防止する役割を持つ。
  • タイヤを9〜12本積載できる。
【工夫した点】
  • 側面フレームを折りたたみ式にし、ラックが空の場合は保管スペースをあまり取らないように積み重ねて保管できるものにした。
  • 強度は最大積載重量800kg、4段積みが可能とした。
  • フォークで爪でタイヤを傷つけないようにフォークガイドを取り付けた。
  • コンテナ詰めの作業効率向上につながる横幅とした。
  • タイヤ品質保持のため、保管時に平均した荷重がかかるようにした。

② 反転機(写真2

【構造・機構】
  • タイヤ専用ラックを反転(倒立)させるものであり、油圧ポンプとシリンダーによって作動させる仕組みとなっている。
【工夫した点】
  • ラックの転倒を防止するため、倒立させる際の角度を地面に対して80度とした。
  • ラックの脱落防止のためのストッパーを設け、また反転機自身の転倒を防止するためにカウンターウエイトを設けた。
  • 反転機への挟まれ等を防止するため、反転機から離れた位置で手元スイッチで操作できるようにした。
  • 反転スピードを15秒以内とした。

③ 作業方法(写真3

  1. フォークリフトでタイヤを運搬
  2. 反転機により空のラックを倒立させる
  3. 倒立させたラックにフォークリフトでタイヤを入れる
  4. 反転機によりラックを横転させる
  5. 横転させたラックをフォークリフトで保管倉庫まで運搬し、段積みする

効果

  1. 保管している倉庫において、フォークリフトの振動等によって荷崩れが発生していたが、ラックを使用することにより防止することができるようになった。
  2. フォークリフトで運搬の際に路面の高低差等によりタイヤが落下する危険があったが、
    ラックにより固定して運搬することによって防止することができるようになった。
  3. 倉庫内の整理整頓ができ、作業者のつまずきによるケガ等を防止することができるようになった。
  4. ラックの4段積みにより、倉庫スペースを有効に活用できるようになった。

期間

ラック 平成8年5月〜9月

反転機 平成8年7月〜9月

費用

ラック1台 34,200円、反転機1機 1,031,000円

特許・実用新案申請の有無

申請中

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