製鉄・製鋼・圧延業
コークス炉の燃焼管理業務には、高温、多湿、粉じんなどの悪条件下で行う作業が多い。特に、コークス炉下部に設置されている加熱用燃料ガス支管については、定期的に取り外して内部内部の付着物をクリーニングする必要があるが、この作業には、次のような問題点があった。
- ① 暑熱の作業場所で、防じんマスクと防じん眼鏡を着用して作業を行う必要がある。(夏期の作業場所の気温は、平均65℃程になる。)
- ② 燃料ガス支管は、長さ1.9m、重量45kgである。これを狭い場所で取り扱う作業は、腕や腰の負担が大きい。
- ③ 対象となる燃料ガス支管は、344本であるが、1回のクリーニングに約90時間かかり、作業効率が低い。
フレキシブルシャフトを使用した燃料ガス支管クリーニング治具を考案し、燃料ガス支管を取外し分解せずにクリーニング作業ができるようにした。このクリーニング治具は、燃料ガス支管下部のクロス管から先端にブラシを付けたフレキシブルシャフトを挿入して回転させながら徐々に前進させ、管内全長をクリーニングするものである。その主な特徴は、次のとおりである。
- ① フレキシブルシャフトを使用したので、曲管内を円滑に移動させることができる。
- ② フレキシブルシャフトは、先端を回転させながら前進、後退させることができる。
- ③ フレキシブルシャフトは、保護カバー(フレキシブルチューブ)でガードされている。
- ④ 内部付着物の硬さ等の状態に応じて、先端のブラシ(形状3種類)を選定できるほか、シャフトの回転数を3段階に変更できる。
- ⑤ クリーニングで出るタール等の付着物は、吸引治具を取り付けた掃除機で吸引除去することができる。
- 燃料ガス支管の分解作業がなくなり、せまい場所で無理な姿勢で行う重筋作業がなくなった。
- 1支管当たり16分要していたクリーニング作業が3分でできるようになった。
- 4名で行っていたクリーニング作業が3名でできる(1名でもできる)ようになった。
平成7年8月21日〜平成7年12月7日
65万円
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