電気通信工事業
地中送電設備は、送電ケーブルとこれを通すための管路、洞道およびケーブルを接続したり補修点検するためのマンホールで構成されている。このマンホールは出入りが簡単に行えるように、その上部に胴枠(「首」という。)を設置し、道路面には鉄ぶたが取り付けられている。
設置されている鉄ぶたは、道路面上部と同一平面上になければならず、道路の改修工事等により路面高さが変更されるたびに「首」を据え変え、鉄ぶたの高さを道路面上部と同一平面上にする必要が生じる。
この「首」は鋳鋼製であり、その重量は500kg程度もあり、その取り外しや取り付けには移動式クレーンを用いるとともに、レベル調整には手間がかかり、数回この重量物を上げ下げしなければならず、安全作業を行う上で問題があった。
通常、車道は中央部分が高く両端部が低くなっているため、地中送電設備の補修点検のためのマンホールの最上部に取り付けてある鉄ぶたの上面レベルを路面の高さと同一にする必要がある(交通安全対策上)。
この際、マンホールの首高調整作業に当たって、各種ライナーを用意しておき、鉄ぶたを「首」の上に乗せ、路面との高さ調整を行い、完全にできるまでには重量約500kgの「首」を数回、移動式クレーンを用いて上げ下げし、レベル調整をする必要があった。しかも、この作業には安全上の配慮からも、また道路占有時間の制限からも、できるだけ短時間に安全に作業が行えるようにしなければならなかった。
そこで、「首」によるレベル調整に代えて、重量2kgのアクリル製治具を考案した。
マンホール首高調整作業は、道路補修工事の際仮舗装した部分や周囲部分を機械により掘削を行う。次に、既設の「首」部分を撤去し、マンホールの表面を出す。そこにアクリル製の治具を置き、鉄製のライナーを使用して道路表面とのレベル調整を行った後、この治具を取り外し、移動式クレーンを用いて鉄製の首を据え付け、固定モルタルで周囲を固める。その後に路面の復旧工事を行い作業が完了する。すなわち、重量のある「首」の上げ下げを1回程度で済ませることができ、安全に作業を行うことができるようになった。
- マンホール首高調整のための重量物取扱作業がなくなり、手足の「挾まれ」災害の危険がなくなった。
- マンホール首高調整のためのクレーン作業が不要になった。
- レベル調整時間が短縮され、作業時間が短くなった。
- 作業時間の短縮により、路面占有時間の短縮がはかられ、作業場所への車両の飛び込みによる交通災害が防止された
などがあげられる。
平成2年12月〜平成3年2月
一台当たり約3万円
無し