製鉄・製鋼・圧延業
線材コイルを搬送するため、C型フックを有したキャリヤーが走行用モノレール(地上3.1m)に吊り下げられ、集電装置がそれぞれのトロリーにセットされて運転されている。
トロリーの点検保守作業は、移動式台車上(地上1.8m)で安全帯を使用して行われるが、安全帯のロープを固定する適当な場所がないため、移動式台車の手すりに取付けて作業していた。
一方、移動式台車は、安定性がよいとはいえず、台車が倒れると台車とともに墜落する危険性があった(写真1)。
キャリヤー走行用レールに着脱可能な「安全帯掛金具(重量約3kg)」を考案した(写真2)。以下に使用手順を示す。
- ① 安全帯掛金具の左側の車輪を走行レールに掛け、右側のフレームを矢印方向に押し上げると、ロッドの頭がバーの下面を滑りながら移動する。
- ② ロッドはスプリングで押し上げられているので、バーの穴までくると自動的にロッドの頭が穴に入り、セットされる。この状態で安全帯掛金具は、走行レール上を自由に移動させることができる(図)。
- ③ ハンドルを締付方向に回すと、ロッド先端のネジ部がナットに入り、走行レール下面を強く押さえ付け固定され、安全帯を取り付けることができる。
トロリーの点検保守作業において、走行レールのどの場所でも、安全帯を容易に確実に使用できることとなり、移動式台車が倒れても作業者が墜落するおそれがなくなった。このため、作業者がトロリーの点検保守を安心して行うことができるようになった(写真3)。
昭和63年5月〜平成元年1月
2.8万円/台
無し