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別紙

除染関連業務における主な安全確保措置について

1 墜落・転落災害の防止
  屋根等に登って洗浄等の作業を行う場合は、次の措置を講ずること。
 (1) 高さが2m以上の箇所で作業を行う場合は、足場等の作業床を設置すること。(安衛則第518条第1項)
 (2) 作業床の設置が困難なときは、防網、安全帯の使用等墜落による危険防止措置を講ずること。(安衛
  則第518条第2項)
 (3) 高さが2m以上の作業床の端、開口部等には囲い、手すり、覆い等(以下「囲い等」という。)を設置
  すること。(安衛則第519条第1項)
 (4) 囲い等の設置が著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取り外すときは、防網、安全帯
  の使用等墜落による危険防止措置を講ずること。(安衛則第519条第2項)
 (5) 高さが2m以上の箇所で安全帯等を使用して作業を行う場合は、安全帯等を安全に取り付けるための
  設備を設けること。(安衛則第521条第1項)
 (6) 高さ又は深さが1.5mを超える箇所で作業を行う場合は、安全に昇降できる設備を設けること。(安衛
  則第526条第1項)
 (7) 物体の飛来・落下による危険を防止するため、労働者に保護帽を着用させること。(安衛則第539条)
 (8) 作業に当たっては、滑落等を防止するため滑り止め機能を有する安全靴及び手袋を労働者に使用さ
  せること。

2 車両系建設機械による災害の防止
  車両系建設機械を使用して放射性物質により汚染された表土を除去する作業等を行う場合は、次の措
 置を講ずること。
 (1) あらかじめ作業場所の地形、地質の状態等を調査し、その結果を踏まえ次の事項を含む作業計画を
  定め、これに基づき作業を行うこと。(安衛則第154条及び第155条)
  ア 使用する車両系建設機械の種類及び能力
  イ 車両系建設機械の運行経路
  ウ 車両系建設機械による作業の方法
 (2) 運行経路についての路肩の崩壊防止、地盤の不同沈下の防止及び必要な幅員の保持等の措置を講ず
  るとともに、路肩、傾斜地等で作業を行う場合は、誘導者を配置して誘導させることにより、転倒又
  は転落を防止すること。(安衛則第157条)
 (3) 路肩、傾斜地等で作業を行う場合は、転倒時保護構造を有し、かつシートベルトを備えたもの以外
  の車両系建設機械を使用しないよう努めるとともに、運転者にシートベルトを使用させるように努め
  ること。(安衛則第157条の2)
 (4) 車両系建設機械と労働者が接触するおそれのある箇所に立入禁止措置を講ずるか、誘導者を配置し
  て誘導させること。(安衛則第158条)
 (5) ドラグショベルによる荷のつり上げ等車両系建設機械の主たる用途以外の用途に使用しないこと。
  この場合には、移動式クレーンやクレーン機能付きドラグショベルを用いること。(安衛則第164
  条)
 (6) 車両系建設機械の運転については、その種類に応じ、技能講習を修了した者等必要な資格を有する
  者に運転させること。(安衛則第41条)

3 刈払機による災害の防止
  刈払機を使用して放射性物質により汚染された草等を刈り払う場合は、次の措置を講ずること。
 (1) あらかじめ作業手順を定め、作業員に徹底しておくこと。
 (2) 作業に適した構造、強度を有する刈払機を選択すること。
 (3) 作業開始前には、刈刃の損傷、変形の有無、緊急離脱装置、飛散防護装置の機能等の事項について
  刈払機を点検すること。
 (4) 刈払機を使用して作業を行う場合は、保護帽、防じん眼鏡、防じんマスク、耳栓、袖の締まった長
  袖の上着、裾の締まった長ズボン、防振手袋、滑りにくい丈夫な履物を着用すること。
 (5) 刈払機の操作者から5m以内を危険区域とし、この区域には他の者が立ち入らないようにすること。
 (6) 刈払い場所を変えるため等で移動する場合は、原則としてエンジンを停止すること。

4 高圧洗浄作業に伴う災害の防止
  高圧洗浄作業においては、高圧水の直撃による裂傷、出血性ショック等による災害発生の危険性があ
 るため、作業に当たっては、次の措置を講ずること。
 (1) 噴射ガン、高圧ホース等高圧洗浄機器の使用上の情報を確実に入手の上、安全装置の作動状況を確
  認すること。
 (2) 作業中に部外者を立ち入らせないよう、作業中の表示を行うこと。
 (3) 感電防止のため、絶縁状態の点検等安全措置を講ずること。
 (4) 高圧水の噴射中、噴射ガンのレバーを針金、ひも、金具などで固定しないこと。
 (5) 高圧水の噴射停止中であっても、噴射ガンの先を人の方向に向けないこと。

5 破砕、選別、圧縮、濃縮等を行う設備(破砕機等)、コンベヤーによる災害の防止(平成5年3月2
 日付け基発第123号第3の1の(2)のロ等)
  事故由来廃棄物等を破砕機等及びコンベヤーで処分する場合は、次の措置を講ずること。
 (1) 機械ごとに動力遮断装置を設けること。遮断装置は、容易に操作できるものであり、接触等により
  不意に機械が起動するおそれがないものとすること。(安衛則第103条)
 (2) コンベヤーについては、接触予防装置、非常停止スイッチを設置するとともに、定期的に点検する
  こと。(安衛則第151条の78第151条の82)
 (3) 爆発物及び破裂物の入った容器等については、安全な作業方法により選別し、これらのものを破砕機
  等へ投入しないこと。
 (4) 破砕機等及びコンベヤーの運転開始に当たっては、人員を点検し、破砕機の内部等に人がいないこと
  を確認させること。
 (5) 破砕機等及びコンベヤーの運転を中断し内部に入る場合には、機械の停止の確認を徹底させること。
 (6) 破砕機等及びコンベヤーの点検、整備においては、必ず電源を切り、操作盤に点検、整備中である
  旨を明示させること。(安衛則第107条第108条)

6 焼却作業に伴う災害の防止(平成5年3月2日付け基発第123号第3の1の(2)のハ)
  焼却炉において事故由来廃棄物等を焼却する場合には、焼却灰による水蒸気爆発の危険性等があるこ
 とから、作業に当たっては、次の措置を講ずること。
 (1) 焼却炉の灰出しに当たっては、大量の焼却灰の落下による水蒸気爆発の発生を防止するための適当
  な措置を講ずること。
 (2) 焼却炉内の補修、整備等の作業は適当に冷却した後でなければ行わせないこと。シュートに詰まっ
  たごみ、灰等の除去作業に直接労働者が従事するときは、炉を冷却する等の措置を講じ、水蒸気爆発
  の防止を図ること。
 (3) ごみのかくはん等のため炉の扉を開ける場合には、労働者に保護面、保護帽、手袋、安全、呼吸用
  保護具等の保護具を使用させること。
 (4) 炉の扉を開ける際は、まず細目に開け、破裂物の有無を確かめて開けさせること。この場合、当該
  作業については、炉の正面を避け側面の安全な位置で行わせること。
 (5) 機械装置の下方又は側方等の狭い場所で点検又は整備等の作業を行う場合は、保護帽を着用させる
  こと。

7 危険性又は有害性等の調査等の実施
  除染対象設備、機器等の危険性又は有害性に関する情報提供を受けた上で、建設物、設備、原材料、ガ
 ス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等を調査し、その結果
 に基づいて、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずること。