サービス経済化の進行に伴い、第三次産業における労働者数の増加傾向は、労働災害の割合も年々高くなっており、昭和60年頃から全産業の死傷者数の3分の1以上を占めるに至った。
この報告書は、昭和60年の1年間に全国で発生した労働災害のうち、休業4日以上の死傷災害を対象に、サービス業を中心とした8業種(警備業、ビルメンテナンス業、旅館・ホテル業、ゴルフ場の事業、卸・小売業、金融・保険業、保険・医療業、廃棄物処理業)で発生した労働災害について、死傷者数の上位を占める「転倒」「墜落・転落」災害に注目し、その発生状況の要因分析を行い、これら事故の型に対する労働災害防止対策を策定するための基礎資料を提供している。
災害の要因分析については、例えば、「転倒」「墜落・転落」災害と作業の種類との関連では、「事務・営業・販売作業」、「運搬・移動作業」との関連が強く、特に「墜落・転落」の「運搬・移動作業」に占める割合は25%であった。次に、起因物では「作業面・場所」との関連が強く、「転倒」では60%を占めている。
まとめとして、これら第三次産業における「転倒」「墜落・転落」災害を起こす背景、災害防止上の問題点、基本的対策、今後の課題が記されている。
Copyright(C) Japan Advanced InformationCenter of Safety and Health. All Rights Reserved.