本書は昭和63年に中央労働災害防止協会が設置した「静電塗装作業における安全衛生対策調査研究委員会」が静電塗装作業に関する統一的な安全衛生基準を策定するために平成3年3月までの間に23回に亘る会議を経て検討した結果の報告書である。内容は静電塗装作業の危険性、作業の実態調査、安全衛生対策、安全衛生基準、災害因子に関する専門的情報や法規、災害事例に亘っている。静電塗装技術の原理、工業的な工程の実態、静電塗装技術の類似工程、塗料の知識を概観した部分と、本委員会が策定した静電塗装の設備及び作業に関する安全衛生基準が記されている。
静電塗装設備に関する安全衛生基準として、塗装機、高電圧関連機器、塗料供給装置、圧縮空気供給装置、被塗装物搬送装置、塗装ブース、自動機等、制御盤及びインターロックシステムの各部に関する設計上の基準が細部に亘り示されている。
静電塗装作業に関する安全衛生基準として、服装と個人保護具、作業環境の整備、始業点検、塗装作業、異常時の対応、機器の洗浄、終業点検に関してチェックリスト形式で実際の管理に役立つ情報を提供している。
災害事例61件を収集し、発生状況と原因を解説しており、さらに静電塗装に含まれる各種危険因子に関する国際的な基準や専門的な参考資料、労働省が公布している関連法規の紹介をしている。
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