昭和60年中に清掃業(廃棄物処理業)で発生した災害事例1,407件について、中央労働災害防止協会が行った災害の発生傾向、原因などの分析結果を示す。
廃棄物処理業務を以下の5種類に区分した。
1.〜3.の区分毎の従業員数、事業場の規模、年齢分布、業種などの別に死傷者数を集計している。その結果によれば、従業員数は全体で194,948人であり、その中でごみの収集・焼却に従事する者が最も多く、民間企業では全体の約55%、地方自治体では82%である。死傷者数は全体で1,407人で、ごみの収集・焼却に従事する者が最も多く、全体の58%である。傷病の部位としては胴体(全区分について25.3%)、上肢(全区分について23.7%)、下肢(全区分について33.0%)が多いが、頭部(全区分について6.8%)及び複合部位(全区分について8.7%)への傷害もある。
廃棄物処理における傷病の種類は発生の多い順に打撲・挫傷、骨折、関節の捻挫、腰痛症、火傷となっており、その他に内部損傷、急性中毒、窒息が報告されている。職種別に死傷病の発生率を比較すると、産業廃棄物処理業では死亡、永久一部労働不能、及び休業1月以上の全ての区分でごみ・し尿関係よりはるかに高率となっている。
本調査では死傷病の原因分析から、業種毎の作業に内在する災害要因を指摘し、ごみ収集車の定期自主点検等のためのチェックリストの例を示している。
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