清掃業等におけるダイオキシン類の労働者へのばく露実態による調査研究委員会はゴミ・廃棄物焼却業務における労働者のダイオキシンばく露の実態等を把握し、有効な労働衛生対策を策定するための基礎資料を収集し、労働者の健康を確保することを目的としている。
本年度の調査研究は実態調査、文献調査、アンケート調査を実施し、多面的な労働環境中のダイオキシン類についての知見の収集を試みた。
実態調査は作業環境測定の例数を増やし、焼却炉の型式ごとにおける作業環境空気中のダイオキシン類濃度の実態を調査するとともに、個人ばく露濃度についても調査を行った。測定方法については粉じん濃度とダイオキシン類濃度の比較等を行うことで、より実用性の高いダイオキシン類の測定方法の検討した成果を取りまとめたものである。
文献調査は、広く文献を収集し、物性、ダイオキシン類発生メカニズム、環境及び生体試料中ダイオキシン類濃度、発がん性等の各種生体影響についてのレビューを行っている。
アンケート調査は全国1600の事業場について、各事業場の焼却炉、稼動条件、ダイオキシン類濃度(煙道、飛灰等)、労働衛生管理等についてのアンケート用紙を送付し、現状の労働衛生管理の状況についての把握を試みた。
以上の方針に従い、3回の本委員会と3回の部会を開催し、加えて6工場の作業環境調査を実施し、廃棄物処理作業に従事する労働者へのダイオキシン類の労働衛生対策のための基礎資料の収集を行った報告がされている。
文献調査では発がん性、遺伝子障害性、生殖毒性、免疫毒性、甲状腺機能障害性、急性障害についても報告されている。また、参考資料として、廃棄物処理業務に係る労働衛生管理に関するアンケート解答用紙が添付されている。
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