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工夫・改善事例

工事用エレベーターの鉄塔組立・解体装置

業種

建設業

動機

高層ビル建設時に使用する2.8トン工事用高速エレベーター(100トン/分、人荷用)の解体時には(図1)の標準解体方法がある。

  1. ① タワークレーン抜取方式
    上部開口よりタワークレーンにて抜き取る(メーカー推奨の方法)。
  2. ② 塔内ウインチ方式
    塔内上部に滑車をつけウインチで荷を降ろし解体する。
  3. ③ ダルマ落とし方式
    今回は工事の都合で①及び③の解体方法を用いることが困難であり、したがって②の塔内ウインチ方式で解体を行わざるをえなかったが、より安全に解体を行うため、他の解体方法がないかと考えた。

内容

最初に中小の建設現場の解体方法を検討した。

これはピアット方式といって搬器を作業床とし、作業員はその上に乗りマストを一本ずつ外して取り込み、搬器に乗せて1階まで下ろすものである。ところが、ここでは次のような問題点があった。

  1. ① エレベーターのマストが重く(650kg)人力で外して取り込めない。
  2. ② 搬器の強度が弱く、じかにマストを乗せられない。
  3. ③ カウンターウエイトを外すとハンキ搬器の積載荷重は600kgなり、それに対してマストは650kgであり過荷重になる。

以上の問題点を解消するため次のような改善策を実施した。

重いマスト(650kg)を抱えて搬器上へ取り込む装置=「解体装置」及び本体搬器(1,640kg)を外し、「軽量フレーム」を考案した(図2)。

解体装置と専用フレームを使った解体手順を以下に示す(図3)。

  1. ① カウンターウエイトを外した後、トップシーブを外す。
  2. ② 搬器を下げながら床開口部の両側にデッキプレートを敷き開口部を必要最小限にする。
  3. ③ 最下段で搬器を外し、代わりに専用フレーム及び解体装置をつける。
  4. ④ 再び上昇し、解体装置でマストを取り込みフロアーレベルまで下げる。
  5. ⑤ すぐ下に解体装置がある状態で開口部に安全ネットを張りデッキプレートを敷いて、墜落・飛来落下防止策をとる。
  6. ⑥ 1階まで下げフォークリフトでマストを搬出する。
  7. ⑦ デッキプレートを敷いた状態で開口部周囲の養生を解体する。
  8. ⑧ 以上の④〜⑦を繰り返し完了する。

効果

  1. 考案装置がコンパクトなので、開口部を必要最小限にできる。
  2. デッキプレートを敷きながら降下するので開口部が残らず、墜落、飛来落下を防止できる。
  3. 開口部養生は最後まで残すので、転落の恐れがない。
  4. ダメ穴が残らないので、後でふさぐためのコストと工期が不要になる。

期間

平成7年7月〜平成8年9月

費用

100万円

特許・実用新案申請の有無

有り

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