無機・有機化学工業製品製造業
当事業所では、設備のほとんどが配管で接続されており、設備の点検・修理時等の工事の際には、各所配管のフランジを解放し、工事終了後、接続する作業が必要となっている。
そして、その配管を接続する作業は、多くの場合フランジ位置がずれているため一人がバールや片口メガネレンチでフランジを合わせ、一人がボルトを締めつけるという二人作業となっていた。
また、バールや片口メガネレンチが外れてけがをするという問題もあった。
そこで作業の効率化、安全性の向上に主眼を置き、省人化にも対応すべく、一人でも簡単かつ安全に配管フランジの接続作業ができる『フランジ合わせピン』を考案した。
- ① ピンの仕様
このピンは、各フランジサイズに合わせ作成した。図1にピンのサイズと使用範囲について示す。
材質は、SUS304(抗張力53kgf/mm2)を採用している。 - ② フランジあわせの方法
まず、Bフランジのボルト穴よりフランジ合わせピンを差し込み、矢印の方向に回転させる(図2参照)。
そしてフランジ合わせピンの先端部がAフランジに接触した時点(C点)よりAフランジをBフランジのボルト穴に沿って下側へ押し下げ始める(図3参照)。
180度回転するとフランジ合わせピンの先端部が、ボルト穴の真下にきてAフランジが上側にずれようとする力を、ピンの下側で直線的に支えることによりABフランジを合わせ固定させる(図4参照)。
また、Aフランジのボルト穴からピンを差し込んだ場合も同様に、ピンの先端部がBフランジに接触した時、BフランジをAフランジのボルト穴に沿って上側へ押し上げ始めることになる。
従って、180度回転すると今度は、ピンの先端部がボルト穴の真上にきてBフランジが下側にずれようとする力を、ピンの上側で直線的に支えることによりABフランジを合わせ固定させることもできる。
場所が狭くても簡単にフランジを合わせてボルトを締めつけることができ、工具が外れてけがをする心配もなくなり安心して作業ができるようになった。また、作業効果も向上することができた。
平成2年10月〜3年4月
5,000円/本
申請中