鉄鋼業
当工場には、17台の天井走行クレーンがあり、各クレーンには4台ずつガーダー燈が取り付けられている。このガーダー燈は、6か月に1回電球を交換するほか、1か月に1回ガーダーから取り外して点検を行っている。
これらの作業は歩廊側から行っているが、歩廊とガーダー燈の間が40cm離れており、ガーダー燈が支持枠にボルト止めになっているため、作業者は歩廊の手すりの間から身を乗り出して作業を行わなければならず、墜落の危険性があった(図34)。また、配線が直結であったため、解線や結線の作業に時間がかかり、さらに不自然な作業姿勢のため、作業者の腰痛発症や、器具・工具類の落下のおそれもあった。
このような危険要因を解消するため、ガーダー燈をワンタッチで取り付け、取り外しができるように、次の改善を行った(図35、写真37)。
- ① 従来、ボルト止めであったガーダー燈の取り付け部を、新たに支持枠に設けた切り込みに差し込んで取り付けることができるように、形状を変更した。
- ② ガーダー燈の取付け部に取手を設け、持ち運びやすくした。
- ③ ガーダー燈の配線を直結式から差し込み式にした。
- 容易にガーダー燈を取り外し、歩廊上で点検や電球の交換作業ができるため、墜落の危険性や器具・工具類の落下のおそれがなくなった(図36)。
- 不自然な作業姿勢がなくなり、腰痛発症のおそれが少なくなった。
- 解線や結線の作業がなくなり、従来一人で30分かかっていた作業時間が10分に短縮できた。
昭和61年10月〜昭和62年9月
約10万円(コンセント代のみ、68燈分)
無し