鉄鋼業
天井クレーンの修理、調整、点検等の作業では、従来は、同一軌道上の隣接クレーンとの衝突を避けるためと、さらには、作業者に対する危険防止のため、軌道(レール)上にストッパーを取り付けてから実施していた。
しかし、地上12mの軌道上で重さ10kgのストッパーを運搬し、取り付ける作業は安全上の問題があり、中でも軌道上には手すりが取り付けられないため、一連の作業、特に昇降移動時に、作業者の墜落、工具等の落下の危険性が指摘されていた。
そこで、高所においても安定した姿勢で、安全に作業できる旋回式のストッパーを考案した。
レール横に設置した支軸に、アームを介したストッパーを、支軸の旋回によりレール上に装着できる構造とした。使用方法は次の通りである。
- ① 専用治具(手かぎ)で、レール横のストッパー止めを外し、ストッパーを手前レール上に引き出す。
- ② ストッパーをつり上げていたロックピンを外し、レール上にセットしてボルトを締め付ける。
- ③ ストッパーの取り付けが完了したら、「仮ストッパー取り付け中」の表示を行う。
- ④ 取り外しは、逆の手順で行い、レール横に収納する。
- ⑤ ①〜④の作業は、クレーンの点検デッキ内からすべて行う。
クレーン点検デッキからストッパーの取り付け、取り外し作業が可能となり、作業者の墜落、工具の落下の危険性が排除された。
さらに、作業者の作業姿勢も安定し、作業に余裕ができたうえ、従来に比較して作業時間が6分の1に短縮された。
昭和61年10月〜11月
6万円(5台)
無し