安全衛生情報センター
1 労働安全衛生法令の遵守の徹底 (行政運営の方針等) 令和3年の林業における死亡者数(令和4年3月速報値)は平成29年(2017年)の同期比で10人(25.6%)の 減少であるが、第13次労働災害防止計画(以下「13次防」という。)で掲げる目標(死亡者数を平成29年 と比較して、令和4年までに15%以上減少させる)を達成するとともに、なお一層の労働災害の減少を目 的として、厚生労働省は、引き続き平成31年2月に改正された労働安全衛生規則(別添1)を周知するとと もに、作業現場での同法令に基づく伐木作業等の安全対策の普及・定着を進めるとともに、その遵守の さらなる徹底を図ることとする。 2 伐木ガイドライン等の普及・定着 (行政運営の方針等) 令和2年1月に、「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」(平成27年12月7日 基発第1207第3号)(以下「伐木ガイドライン」という。)(別添2、別添3)及び「林業の作業現場におけ る緊急連絡体制の整備等のためのガイドライン」(平成6年7月18日基発第461号の3)(別添4、別添5)が 改正されているが、厚生労働省は、引き続き伐木ガイドライン等を周知し、その普及・定着を進めると ともに、同ガイドライン等に基づく安全対策の実施の徹底を図ることとする。 (留意事項) 事業者は、安全衛生教育等の機会を活用し、作業現場での伐木ガイドラインの普及・定着を図り、チ ェーンソーによる伐木等作業の安全を推進すること。 3 チェーンソーによる伐木等作業に係る安全対策講習会の開催 (行政運営の方針等) 令和4年度、厚生労働省は、委託事業により、チェーンソーによる伐木等作業に係る安全対策講習会 (別添6)を開催し、事業場の安全担当者等に、直接、改正省令及び伐木ガイドライン等に基づく安全対 策について周知し、チェーンソーによる伐木等作業の安全等の確保を推進する。 (留意事項) 事業者は、労働安全衛生法令及び伐木ガイドライン等に基づく安全等の確保を図るため、事業場の安 全担当者等を安全対策講習会に積極的に参加させること。 4 能力向上教育等安全衛生教育の推進 (行政運営の方針等) 厚生労働省は、引き続き、事業者に対して、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第59条に基づく 労働者に対する安全衛生教育の的確な実施について指導を徹底する。 また、厚生労働省は、同法第60条の2に基づく危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全 衛生教育(以下「能力向上教育」という。)について、令和3年3月17日付け安全衛生教育指針公示第6号 「危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針の一部を改正する件」に より「チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育カリキュラム」を改正したことから、 令和3年3月17日付け基発0317第2号「チェーンソーを用いて行う伐木等の業務(労働安全衛生規則第36 条第8号の業務)従事者安全衛生教育について」(別添7)に留意の上、概ね5年ごとに労働者が能力向上教 育を受講できるよう、事業者に対する周知等を行う。 (留意事項) 事業者は、同法第59条に基づく労働者に対する安全衛生教育及び同法第60条に基づく職長等に対する 安全衛生教育を的確に実施するとともに、同法第60条の2に基づく危険又は有害な業務に現に就いてい る者に対する能力向上教育を概ね5年ごとに労働者が受講できるよう、安全衛生教育の機会を確保する こと。 また、チェーンソー作業については、振動障害防止対策の実施も重要であることから、安全衛生教育 の実施に当たっては、「チェーンソー取扱い作業指針について」(平成21年7月10日付け基発0710第1号。 別添8)等に基づく、「日振動ばく露量A(8)」をもとにした作業時間の管理等に関する内容も含んだもの となるよう留意すること。 5 林野行政との連携の強化 (行政運営の方針等) 厚生労働省は、地域の実態等を踏まえ、林野庁や都道府県林務部局と連携し、林業現場での労働災害 の防止に係る各種取組を進める。これまでも、例えば関係機関連絡会議を開催し労働災害の発生状況を 共有して合同パトロールを実施する等、関係都道府県、森林管理署等と連携して労働災害防止に向けて 取り組んでいる。引き続き労働基準監督署と都道府県、森林管理署等との間に設けている連絡協議の場 を活用する等、事業者に対して上記1から4の内容を含む労働安全衛生の確保に関して林野行政と連携し て適切な指導を行う。 6 林業・木材製造業労働災害防止協会等との連携の強化 (行政運営の方針等) 厚生労働省は、令和4年度厚生労働省補助事業(※)等を実施する林業・木材製造業労働災害防止協会 (以下「林災防」という。)と連携を強化し、地域の実態等に即した取組を行うとともに、関係団体等と 効果的な連携を図り、林業の安全対策を推進する。 (留意事項) 事業者は、当該取組への参加等を通じて、伐木作業における安全水準の向上等を図ること。 林災防は、13次防に基づき林災防が策定した「林材業労働災害防止計画(5カ年計画)」の最終年度を 迎えることから、同計画の計画期間中に多く発生しているチェーンソーによる伐倒作業等の死亡災害に ついて分析するとともに同災害の防止対策を「会員事業場の取組事項」として取りまとめたところであ るが、これを会員事業場等の日常作業に反映させるよう取り組むこと。 (※) 林災防は、令和4年度、伐木作業における安全水準の向上等を図るため、安全管理士、林業普及 指導員等が連携し、現場パトロール、講習会等を行う。厚生労働省は、令和4年度厚生労働省補助 事業として、当該取組を補助する。 (添付資料) 【別添1】「伐木作業等の安全対策の規制が変わります!〜伐木作業等を行うすべての業種が対象〜」 (リーフレット) 【別添2】「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」の改正(令和2年1月31日基 発0131第1号) 【別添3】チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン(平成27年12月7日基発1207第3 号、改正令和2年1月31日基発0131第1号) 【別添4】「林業の作業現場における緊急連絡体制の整備等のためのガイドライン」の改正(令和2年1 月31日基発0131第4号) 【別添5】林業の作業現場における緊急連絡体制の整備等のためのガイドライン(平成6年7月18日基発 第461第の3、改正令和2年1月31日基発0131第4号) 【別添6】厚生労働省委託事業「伐木等作業安全対策推進事業」(令和元年度事業開始) 【別添7】チェーンソーを用いて行う伐木等の業務(労働安全衛生規則第36条第8号の業務)従事者安全 衛生教育について(令和3年3月17日基発0317第2号) 【別添8】チェーンソー取扱い作業指針について(平成21年7月10日基発0710第1号)別添1(PDF:891KB)