構造規格を具備していない防爆構造電気機械器具の譲渡に対する再発防止対策の徹底について

基安発0407第2号
平成23年4月7日
横河電機株式会社
代表取締役社長 海堀 周造 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部長

構造規格を具備していない防爆構造電気機械器具の譲渡に対する
再発防止対策の徹底について

 今般、貴社から報告のあった電気機械器具防爆構造規格(昭和44年4月1日労働省告示第16号、以下「構
造規格」という。)を具備していない防爆構造電気機械器具(以下「不適合機器」という。)の譲渡の問題
については、労働安全衛生法第42条の規定に違反したことにより、4月7日付け発基安0407第1号をもって
厚生労働大臣から貴職に対して機械等措置命令書が発出されたところであるが、昨年2月1日に本職より通
知した「防爆構造電気機械器具に係る型式検定の適切な手続の徹底等」の問題に引き続く不祥事であり、
労働安全衛生関係法令に関する遵法意識が低いと言わざるを得ず極めて遺憾である。
 今般の不適合機器の譲渡をはじめとした構造規格に関する問題が続発していることは、不適合機器が使
用されることによる労働災害発生の危険性に対する認識が低いことが大きな原因と考えられる。
 ついては、下記に留意の上、上記の命令を的確に履行するとともに、本件事案が発生した原因を踏まえ
た実効ある再発防止対策を検討し、それらの結果を4月28日(木)までに本職に報告するとともに、対策を
確実に実施することで、その徹底について万全を期されたい。
1. 機械措置等命令書に基づく履行状況のフォローについて
  命令を履行するための計画を作成し、その履行状況を確認するとともに、改善状況を報告すること。

2. 再発防止対策の徹底について
 (1) 構造規格の重要性の意識付けの徹底について
   今般の問題は、設計部門及び製造部門ともに具備すべき構造規格の要件について低い認識しか持っ
  ていなかったことにより発生したと考えられるため、防爆構造電気機械器具の設計及び製造に携わる
  者に対して、労働安全衛生法及び構造規格に関する教育訓練を充実することにより、構造規格の重要
  性の意識付けを徹底すること。また、設計部門において、構造規格の要件に係るチェック体制を充実
  強化させること。

 (2) 部門間の連絡調整の徹底について
   検定申請を担当する部門が、更新検定を申請するに際して、機器が設計変更されたことの認識が無
  かったことについては、検定申請担当部門が十分なチェック機能を果たしていなかったこと及び当該
  機器の設計部門が検定申請担当部門に設計変更に係る情報を提供していなかったが原因と考えられる
  ため、検定申請部門におけるチェック体制を確立するとともに部門間の連絡調整体制を見直し、円滑
  に情報伝達がなされるような体制を整備すること。
 
 (3) 検査組織体制の適切な整備について
   貴社が製造する防爆構造電気機器について、構造規格を具備しない設計により製造された不適合機
  器の譲渡を防ぐとともに、製造された防爆構造電気機器が構造規格に適合することを確実に担保する
  ため、抜き取り検査などの検査の手法、頻度等について明確な基準を確立すること等により万全の検
  査組織体制を整備すること。
   
 (4) 他の防爆構造電気機械器具に対する総点検の実施について
   今般の事案は、貴社における調査で判明したところであるが、貴社において製造、譲渡されている
  他の防爆構造電気機器についても、今般と同様の問題が発生していないかどうか早急に総点検を実施
  すること。