労働安全衛生法第55条ただし書及び同法施行令第16条第2項の規定による製造等禁止物質の製造等許可手続について

基安発第0723001号
平成15年7月23日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部長

労働安全衛生法第55条ただし書及び同法施行令第16条第2項の規定による製造等
禁止物質の製造等許可手続について

 標記については、昭和47年9月18日付け基発第591号(以下「591号通達」という。)昭和50年10月1日
付け基発第573号昭和52年5月20日付け基発第292号により、その取扱いについて示されてきたところで
あるが、下記事項に留意の上、その運用に遺憾のないようにされたい。
1  基本的事項
  591号通達の記のUの12の(2)に示されているとおり、労働安全衛生法第55条ただし書の規定による製
 造等禁止物質(以下「禁止物質」という。)の試験研究目的での製造又は輸入は、試験研究を行おうとす
 る者が自ら当該禁止物質を試験研究のために使用する場合に限り認められるものであって、製造者又は
 輸入者と使用者とは本来同一であること。

2  許可申請等の手続
 (1) 製造及び使用許可申請の場合
   禁止物質を製造し、使用しようとする者(以下「製造使用者」という。)には、一方の手続漏れを防
  止するため、労働安全衛生法施行令(以下「令」という。)第16条第2項第1号の規定に基づく製造及び
  使用の双方の許可を一括申請させるよう指導すること。申請書が提出されたら内容を審査し、許可基
  準に適合していることを確認した上で双方の行為について許可すること。なお、申請の段階で使用設
  備が新設のため未整備の場合等やむを得ない事由のあるときは、製造及び使用の許可申請を分離して
  行っても差し支えないが、後段の使用許可が手続漏れにならないよう、製造許可証交付時に製造使用
  者に注意を喚起し、確実に手続をとるよう指導すること。
 (2) 輸入及び使用許可申請の場合
   禁止物質を輸入し、使用しようとする者(禁止物質を使用しようとする者が、輸入に係る事務を輸
  入業者に代行せしめる場合を含む。以下「輸入使用者」という。)の場合には、令第16条第2項第1号
  の規定により、同項に基づく手続のほかに、輸入について経済産業大臣に対して輸入貿易管理令第9
  条第1項の規定に基づく輸入割当ての申請(以下「輸入割当申請」という。)及び同令第4条第1項の規
  定に基づく輸入承認の申請(以下「輸入承認申請」という。)を行う必要がある。この場合、令第16条
  第2項第1号では輸入貿易管理令に則った適法な輸入行為であることを証するため、許可の際に輸入割
  当てを受けたことを証する書面の提出を求められる一方で、輸入割当て及び輸入承認に当たっては、
  申請者が令第16条第2項第1号の規定に基づく許可を受けていることが求められる。
   このため、輸入及び使用許可申請の場合には、輸入及び使用の許可申請を分離し、以下の順に手続
  を行わせること。(別添フロー図参照)
   なお、下記イの申請について許可証を交付する際には、ハの輸入許可を受けなければ使用許可を受
  けていても輸入使用はできない旨を輸入使用者に注意喚起し、確実に輸入許可申請の手続をとるよう
  指導すること。
  イ 使用許可申請
    輸入使用者は、禁止物質の使用予定事業場を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄労働局長」
   という。)に対して令第16条第2項第1号に基づく使用許可申請を行う。
  ロ 輸入割当申請及び輸入承認申請
    輸入使用者は、イの申請に係る使用許可証の写しを添えて経済産業大臣に対して輸入割当申請及
   び輸入承認申請を行い、輸入割当て及び輸入承認を受ける。
  ハ 輸入許可申請
    輸入使用者は、ロの申請に係る輸入割当を受けたことを証する書面を添えて所轄労働局長に対し
   て令第16条第2項第1号の規定に基づく輸入許可申請を行う。この場合、申請書記載事項のうち使用
   設備、保管及び保護具に関する事項については記載を省略することができる。
 (3) その他の留意事項
   輸入使用者は、輸入に係る事務を輸入業者に代行せしめることも認められるが、その場合も、輸入
  許可申請は、当該輸入業者ではなく、輸入使用者が行うものであること。


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