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特定化学物質障害予防規則 第八章 製造許可等(第四十六条−第五十条の二)

特定化学物質障害予防規則 目次

(製造等の禁止の解除手続)
第四十六条  令第十六条第二項第一号の許可(石綿等に係るものを除く。以下同じ。)を受けようとする
 者は、様式第四号による申請書を、同条第一項各号に掲げる物(石綿等を除く。以下「製造等禁止物質」
 という。)を製造し、又は使用しようとする場合にあつては当該製造等禁止物質を製造し、又は使用する
 場所を管轄する労働基準監督署長を経由して当該場所を管轄する都道府県労働局長に、製造等禁止物質を
 輸入しようとする場合にあつては当該輸入する製造等禁止物質を使用する場所を管轄する労働基準監督署
 長を経由して当該場所を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。
  
  都道府県労働局長は、令第十六条第二項第一号の許可をしたときは、申請者に対し、様式第四号
  の二による許可証を交付するものとする。

(禁止物質の製造等に係る基準)
第四十七条  令第十六条第二項第二号の厚生労働大臣が定める基準(石綿等に係るものを除く。)は、
 次のとおりとする。
  一  製造等禁止物質を製造する設備は、密閉式の構造のものとすること。ただし、密閉式の構造とする
    ことが作業の性質上著しく困難である場合において、ドラフトチエンバー内部に当該設備を設けると
    きは、この限りでない。
  二  製造等禁止物質を製造する設備を設置する場所の床は、水洗によつて容易にそうじできる構造のも
    のとすること。
  三  製造等禁止物質を製造し、又は使用する者は、当該物質による健康障害の予防について、必要な知
    識を有する者であること。
  四  製造等禁止物質を入れる容器については、当該物質が漏れ、こぼれる等のおそれがないように堅固
    なものとし、かつ、当該容器の見やすい箇所に、当該物質の成分を表示すること。
  五  製造等禁止物質の保管については、一定の場所を定め、かつ、その旨を見やすい箇所に表示するこ
    と。
  六  製造等禁止物質を製造し、又は使用する者は、不浸透性の保護前掛及び保護手袋を使用すること。
  七  製造等禁止物質を製造する設備を設置する場所には、当該物質の製造作業中関係者以外の者が立ち
    入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示すること。

(製造の許可)
第四十八条  法第五十六条第一項の許可は、令別表第三第一号に掲げる物ごとに、かつ、当該物を製造す
  るプラントごとに行なうものとする。

(許可手続)
第四十九条  法第五十六条第一項の許可を受けようとする者は、様式第五号による申請書に摘要書(様式
  第六号)を添えて、当該許可に係る物を製造する場所を管轄する労働基準監督署長を経由して厚生労働
  大臣に提出しなければならない。
  厚生労働大臣は、法第五十六条第一項の許可をしたときは、申請者に対し、様式第七号による許可証
  (以下この条において「許可証」という。)を交付するものとする。
  許可証の交付を受けた者は、これを滅失し、又は損傷したときは、様式第八号による申請書を第一項
  の労働基準監督署長を経由して厚生労働大臣に提出し、許可証の再交付を受けなければならない。
  許可証の交付を受けた者は、氏名(法人にあつては、その名称)を変更したときは、様式第八号によ
  る申請書を第一項の労働基準監督署長を経由して厚生労働大臣に提出し、許可証の書替えを受けなければ
  ならない。

(製造許可の基準)
第五十条  第一類物質のうち、令別表第三第一号1から5まで及び7に掲げる物並びに同号8に掲げる物
  で同号1から5まで及び7に係るもの(以下この条において「ジクロルベンジジン等」という。)の製
  造(試験研究のためのジクロルベンジジン等の製造を除く。)に関する法第五十六条第二項の厚生労働
  大臣の定める基準は、次のとおりとする。
  一  ジクロルベンジジン等を製造する設備を設置し、又はその製造するジクロルベンジジン等を取り扱
    う作業場所は、それ以外の作業場所と隔離し、かつ、その場所の床及び壁は、不浸透性の材料で造る
    こと。
  二  ジクロルベンジジン等を製造する設備は、密閉式の構造のものとし、原材料その他の物の送給、移
    送又は運搬は、当該作業を行う労働者の身体に当該物が直接接触しない方法により行うこと。
  三  反応槽については、発熱反応又は加熱を伴う反応により、撹拌(かくはん)機等のグランド部からガ
    ス又は蒸気が漏えいしないようガスケット等により接合部を密接させ、かつ、異常反応により原材料、
    反応物等が溢(いつ)出しないようコンデンサーに十分な冷却水を通しておくこと。
  四  ふるい分け機又は真空ろ過機で、その稼動中その内部を点検する必要があるものについては、その
    覆いは、密閉の状態で内部を観察できる構造のものとし、必要がある場合以外は当該覆いが開放でき
    ないようにするための施錠等を設けること。
  五  ジクロルベンジジン等を労働者に取り扱わせるときは、隔離室での遠隔操作によること。ただし、
    粉状のジクロルベンジジン等を湿潤な状態にして取り扱わせるときは、この限りでない。
  六  ジクロルベンジジン等を計量し、容器に入れ、又は袋詰めする作業を行う場合において、前号に定
    めるところによることが著しく困難であるときは、当該作業を作業中の労働者の身体に当該物が直接
    接触しない方法により行い、かつ、当該作業を行う場所に囲い式フードの局所排気装置又はプッシュ
    プル型換気装置を設けること。
  七  前号の局所排気装置については、次に定めるところによること。
    イ  フードは、ジクロルベンジジン等のガス、蒸気又は粉じんの発散源ごとに設けること。
    ロ  ダクトは、長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少なく、かつ、適当な箇所に掃除口
      が設けられている等掃除しやすい構造とすること。
    ハ  ジクロルベンジジン等の粉じんを含有する気体を排出する局所排気装置にあつては、第九条第一
      項の表の上欄に掲げる粉じんの粒径に応じ、同表の下欄に掲げるいずれかの除じん方式による除じ
      ん装置又はこれらと同等以上の性能を有する除じん装置を設けること。この場合において、当該除
      じん装置には、必要に応じ、粒径の大きい粉じんを除去するための前置き除じん装置を設けること。
    ニ  ハの除じん装置を付設する局所排気装置のファンは、除じんをした後の空気が通る位置に設ける
      こと。ただし、吸引された粉じんによる爆発のおそれがなく、かつ、ハの除じん装置を付設する局
      所排気装置のファンの腐食のおそれがないときは、この限りでない。
    ホ  排気口は、屋外に設けること。
    ヘ  厚生労働大臣が定める性能を有するものとすること。
 八 第六号のプッシュプル型換気装置については、次に定めるところによること。
  イ ダクトは、長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少なく、かつ、適当な箇所に掃除口
   が設けられている等掃除しやすい構造とすること。
  ロ ジクロルベンジジン等の粉じんを含有する気体を排出するプッシュプル型換気装置にあっては、
   第九条第一項の表の上欄に掲げる粉じんの粒径に応じ、同表の下欄に掲げるいずれかの除じん方式
   による除じん装置又はこれらと同等以上の性能を有する除じん装置を設けること。この場合におい
   て、当該除じん装置には、必要に応じ、粒径の大きい粉じんを除去するための前置き除じん装置
   を設けること。
  ハ ロの除じん装置を付設するプッシュプル型換気装置のファンは、除じんをした後の空気が通る位
   置に設けること。ただし、吸引された粉じんによる爆発のおそれがなく、かつ、ロの除じん装置を
   付設するプッシュプル型換気装置のファンの腐食のおそれがないときは、この限りでない。
  ニ 排気口は、屋外に設けること。
  ホ 厚生労働大臣が定める要件を具備するものとすること。 九 ジクロルベンジジン等の粉じんを含有する気体を排出する製造設備の排気筒には、第七号ハ又は前
号ロの除じん装置を設けること。
 十 第六号の局所排気装置及びプッシュプル型換気装置は、ジクロルベンジジン等に係る作業が行われ
  ている間、厚生労働大臣が定める要件を満たすように稼働させること。 十一 第七号ハ、第八号ロ及び第九号の除じん装置は、ジクロルベンジジン等に係る作業 が行われている間、有効に稼動させること。 十二 ジクロルベンジジン等を製造する設備からの排液で、第十一条第一項の表の上欄に掲げる物を含有 するものについては、同表の下欄に掲げるいずれかの処理方式による排液処理装置又はこれらと同等 以上の性能を有する排液処理装置を設け、当該装置を有効に稼動させること。 十三 ジクロルベンジジン等を製造し、又は取り扱う作業に関する次の事項について、ジクロルベンジ ジン等の漏えい及び労働者の汚染を防止するため必要な作業規程を定め、これにより作業を行うこと。 イ バルブ、コック等(ジクロルベンジジン等を製造し、又は取り扱う設備に原材料を送給するとき、 及び当該設備から製品等を取り出すときに使用されるものに限る。)の操作 ロ 冷却装置、加熱装置、撹拌(かくはん)装置及び圧縮装置の操作 ハ 計測装置及び制御装置の監視及び調整 ニ 安全弁、緊急しや断装置その他の安全装置及び自動警報装置の調整 ホ ふた板、フランジ、バルブ、コック等の接合部におけるジクロルベンジジン等の漏えいの有無の 点検 ヘ 試料の採取及びそれに用いる器具の処理 ト 異常な事態が発生した場合における応急の措置 チ 保護具の装置、点検、保管及び手入れ リ その他ジクロルベンジジン等の漏えいを防止するため必要な措置 十四 ジクロルベンジジン等を製造する設備から試料を採取するときは、次に定めるところによること。 イ 試料の採取に用いる容器等は、専用のものとすること。 ロ 試料の採取は、あらかじめ指定された箇所において、試料が飛散しないように行うこと。 ハ 試料の採取に用いた容器等は、温水で十分洗浄した後、定められた場所に保管しておくこと。 十五 ジクロルベンジジン等を取り扱う作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に作業衣並びに 不浸透性の保護手袋及び保護長靴を着用させること。 試験研究のためジクロルベンジジン等の製造に関する法第五十六条第二項の厚生労働大臣の定める基準 は、次のとおりとする。 一 ジクロルベンジジン等を製造する設備は、密閉式の構造のものとすること。ただし、密閉式の構造 とすることが作業の性質上著しく困難である場合において、ドラフトチエンバー内部に当該設備を設 けるときは、この限りでない。 二 ジクロルベンジジン等を製造する装置を設置する場所の床は、水洗によつて容易に掃除できる構造 のものとすること。 三 ジクロルベンジジン等を製造する者は、ジクロルベンジジン等による健康障害の予防について、必 要な知識を有する者であること。 四 ジクロルベンジジン等を製造する者は、不浸透性の保護前掛及び保護手袋を使用すること。 第五十条の二 ベリリウム等の製造(試験研究のためのベリリウム等の製造を除く。)に関する法第五十 六条第二項の厚生労働大臣の定める基準は、次項によるほか、次のとおりとする。 一 ベリリウム等を焼結し、又はか焼する設備(水酸化ベリリウムから高純度酸化ベリリウムを製造す る工程における設備を除く。次号において同じ。)は他の作業場所と隔離された屋内の場所に設置し、 かつ、当該設備を設置した場所に局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けること。 二 ベリリウム等を製造する設備(ベリリウム等を焼結し、又はか焼する設備、アーク炉等により溶融 したベリリウム等からベリリウム合金を製造する工程における設備及び水酸化ベリリウムから高純度 酸化ベリリウムを製造する工程における設備を除く。)は、密閉式の構造のものとし、又は上方、下 方及び側方に覆い等を設けたものとすること。 三 前号の規定により密閉式の構造とし、又は上方、下方及び側方に覆い等を設けたベリリウム等を製 造する設備で、その稼動中内部を点検する必要があるものについては、その設備又は覆い等は、密閉 の状態又は上方、下方及び側方が覆われた状態で内部を観察できるようにすること。その設備の外板 等又は覆い等には必要がある場合以外は開放できないようにするための施錠等を設けること。 四 ベリリウム等を製造し、又は取り扱う作業場の床及び壁は、不浸透性の材料で造ること。 五 アーク炉等により溶融したベリリウム等からベリリウム合金を製造する工程において次の作業を行 う場所に、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けること。 イ アーク炉上等において行う作業 ロ アーク炉等からの湯出しの作業 ハ 溶融したベリリウム等のガス抜きの作業 ニ 溶融したベリリウム等から浮渣(さ)を除去する作業 ホ 溶融したベリリウム等の鋳込の作業 六 アーク炉については、電極を挿入する部分の間隙(かんげき)を小さくするため、サンドシール等を 使用すること。 七 水酸化ベリリウムから高純度酸化ベリリウムを製造する工程における設備については、次に定める ところによること。 イ 熱分解炉は、他の作業場所と隔離された屋内の場所に設置すること。 ロ その他の設備は、密閉式の構造のものとし、上方、下方及び側方に覆い等を設けたものとし、又 はふたをすることができる形のものとすること。 八 焼結、か焼等を行つたベリリウム等は、吸引することにより匣鉢(さや)から取り出すこと。 九 焼結、か焼等に使用した匣鉢(さや)の破砕は他の作業場所と隔離された屋内の場所で行い、かつ、 当該破砕を行う場所に局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けること。 十 ベリリウム等の送給、移送又は運搬は、当該作業を行う労働者の身体にベリリウム等が直接接触し ない方法により行うこと。 十一 粉状のベリリウム等を労働者に取り扱わせるとき(送給し、移送し、又は運搬するときを除く。) は、隔離室での遠隔操作によること。 十二 粉状のベリリウム等を計量し、容器に入れ、容器から取り出し、又は袋詰めする作業を行う場合 において、前号に定めるところによることが著しく困難であるときは、当該作業を行う労働者の身体 にベリリウム等が直接接触しない方法により行い、かつ、当該作業を行う場所に囲い式フードの局所 排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けること。 十三 ベリリウム等を製造し、又は取り扱う作業に関する次の事項について、ベリリウム等の粉じんの 発散及び労働者の汚染を防止するために必要な作業規程を定め、これにより作業を行うこと。 イ 容器へのベリリウム等の出し入れ ロ ベリリウム等を入れてある容器の運搬 ハ ベリリウム等の空気輸送装置の点検 ニ ろ過集じん方式の集じん装置(ろ過集じん方式の除じん装置を含む。)のろ材の取替え ホ 試料の採取及びそれに用いる器具の処理 ヘ 異常な事態が発生した場合における応急の措置 ト 保護具の装着、点検、保管及び手入れ チ その他ベリリウム等の粉じんの発散を防止するために必要な措置 十四 ベリリウム等を取り扱う作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に作業衣及び保護手袋 (湿潤な状態のベリリウム等を取り扱う作業に従事する労働者に着用させる保護手袋にあつては、 不浸透性のもの)を着用させること。 前条第一項第七号から第十二号まで及び第十四号の規定は、前項のベリリウム等の製造に関する法第五 十六条第二項の厚生労働大臣の定める基準について準用する。この場合において、前条第一項第七号中 「前号」とあるのは「五十条の二第一項第一号、第五号、第九号及び第十二号」と、「ジクロルベンジ ジン等」とあるのは、「ベリリウム等」と、同項第八号中「第六号」とあるのは「第五十条の二第一項 第一号、第五号、第九号及び第十二号」と「ジクロルベンジジン等」とあるのは、「ベリリウム等」と、 同項第九号中「ジクロルベンジジン等」とあるのは「ベリリウム等」と、同項第十号中「第六号」とある のは「第五十条の二第一項第一号、第五号、第九号及び第十二号」と、「ジクロルベンジジン等」と あるのは「ベリリウム等」と、同項第十一号、第十二号及び第 十四号中「ジクロルベンジジン等」と あるのは「ベリリウム等」と読み替えるものとする。 前条第二項の規定は、試験研究のためのベリリウム等の製造に関する法第五十六条第二項の厚生労働 大臣の定める基準について準用する。この場合において、前条第二項各号中「ジクロルベンジジン等」 とあるのは「ベリリウム等」と読み替えるものとする。