安全衛生情報センター
1 目的 産業現場で使用される機械による労働災害は、全労働災害の約1/4を占めており、機械にはさまれ・ 巻き込まれる等による重篤な災害は後を絶たない状況にある。これら、機械災害を一層減少させるため、 「機械の包括的な安全基準に関する指針」(平成19年7月31日付基発第0731001号)において機械の設計・ 製造段階、使用段階におけるリスクアセスメント及びリスク低減等を実施し、機械の安全化を図ること が示されているとともに、労働安全衛生規則第24条の13に基づく「機械譲渡者等が行う機械の危険性等 の通知の促進に関する指針」(平成24年厚生労働省告示第132号)において機械の危険性等の通知を作成 する場合は、機械に関する危険性等の調査の手法等について十分な知識を有する者に作成させるべきこ とが示されている。さらに、「機能安全に よる機械等に係る安全確保に関する技術上の指針」(平成28 年厚生労働省告示第353号)の2−3(3)において、機能安全を含む機械等の設計等を行う者に対して、必 要な教育を実施することが示されている。 平成3年1月21日付基発第39号「安全衛生教育の推進について」の2の「教育の対象者」に「設計技術 者」及び「生産技術管理者」が示されているが、これらの者は危険性等の調査等の実施に重要な役割を 担うものである。このため、本実施要領において、これらの者に対する安全衛生教育の教育カリキュラ ム等を示すことにより、機械の安全化を図るために必要な知識を付与し、機械の安全化を促進すること により機械による労働災害の一層の防止を図ることを目的とする。 2 対象者 (1) 設計技術者 機械の製造者(メーカー)等に所属する機械の設計技術者。なお、製造者(メーカー)等には、機械の エンジニアリング会社(複数の機械を一つのシステムとして統合する者(以下「システムインテグレー ター」という。)を含む)、機械の議渡者(流通業者を含む)、機械の使用者(ユーザー)であって、機械 の設計・改造を行う事業者が含まれること。 (2) 生産技術管理者 機械を使用する事業者(ユーザー)に所属する生産技術管理者 3 実施者 (1) 機械の製造者(メーカー)等及び使用者(ユーザー)である事業者 (2) 事業者に代わって当該教育を行う安全衛生団体、事業者団体等 4 実施方法 (1) 教育カリキュラムは別紙1の「設計技術者に対する機械安全教育カリキュラム」、別紙2の「設計技 術者に対する機能安全教育カリキュラム」又は別紙3の「生産技術管理者に対する機械安全教育カリ キュラム」によること。 また、安全衛生団体、事業者団体等が実施する教育については、教育カリキュラムのうち一部の科 目を実施するものであっても差し支えないこと。 なお、別紙の教育カリキュラムの科目のうち、既に一部又は全部の科目の内容について、十分な研 修等が行われ、十分な知識を有する者に対しては、当該科目の教育を省略して差し支えないこと。 (2) 安全衛生団体、事業者団体等が行う教育にあっては、1回の教育対象人数は概ね100人以内とする こと。 (3) 講師については、別紙の教育カリキュラムの科目について十分な知識・経験を有する者を充てるこ と。 (4) 教育の実施に当たっては、教育効果を高めるため、既存のテキストの活用、演習又は実機を用いた 教育を行うことが望ましいこと。 5 記録の保管等 (1) 事業者は、当該教育を実施した結果について、その旨を記録し、保管すること。 (2) 安全衛生団体、事業者団体等が当該教育を実施した場合(別紙の教育カリキュラムの一部の科目を 実施した場合を含む。)は、教育修了者に対して、その修了を証する書面を交付する等の方法により、 所定の教育を受けたことを証明するとともに、教育修了者名簿を作成し、保管すること。