安全衛生情報センター
「化学物質のリスク評価検討会」において、酸化チタン(W)(ナノ粒子を除く)等3物質についてリスク 評価を行い、今般その報告書が取りまとめられたところである。 ついては、本報告書を踏まえ、過去に酸化チタン(W)等3物質に係る有害物ばく露作業報告がなされた 事業場に対して、別添1の記載例を活用して、下記の点について要請されたい。 併せて、別添2により別紙の関係事業者団体等の長に対して会員、傘下事業者等の関係者への周知等を 要請しているので了知されたい。 なお、本報告書に係る報道発表資料を別添3として添付しているが、報告書全文(本文及び別冊)は厚生 労働省のウェブサイト (http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000145756.html) に掲載しているので、併せて了知されたい。
1 詳細リスク評価を行った物質について (1) 酸化チタン(W)(ナノ粒子を除く) 詳細リスク評価の結果、酸化チタン(W)(ナノ粒子を除く)の製造・取扱いの業務について、適切な ばく露防止措置が講じられない状況では、労働者に健康障害を発生させるリスク(以下「リスク」と いう。)が高いことが認められた。このため、今後、既にリスク評価を実施してリスクが高いとされ ている「酸化チタン(W)(ナノ粒子)」と併せて、「酸化チタン(W)」による健康障害防止措置の検討 を行うことを予定しているが、この検討結果を待たず、速やかに労働安全衛生法(昭和47年法律第57 号。以下「法」という。)第57条の3の規定に基づき、当該物質に関する危険性又は有害性等の調査を 行い、その結果に基づき、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。) 第576条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ずることにより、リスクの低減に取 り組むこと。 2 初期リスク評価を行った物質について (1) 2−ブロモプロパン 初期リスク評価の結果、一部の事業場で、リスクが高い状況が見られたこと、また、ヒトにおける 経皮吸収等が指摘されている物質であることから、今後、引き続き詳細リスク評価のためのばく露実 態調査を行うとともに、経皮吸収等に関する知見の収集や保護具の使用等作業実態の調査等を行い、 これらの情報を踏まえた詳細なリスク評価を行うことを予定している。しかしながら、当該物質は、 有害性の高い物質であり、かつ、事業場において高いばく露が生じる可能性があること、また、経皮 吸収によるばく露が生じる可能性があることから、今後実施する詳細リスク評価の結果を待たず、速 やかに法第57条の3の規定に基づき、当該物質に関する危険性又は有害性等の調査を行い、その結果 に基づき、安衛則第576条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ずることにより、 リスクの低減に取り組むこと。 (2) ノルマル−ブチル−2,3−エポキシプロピルエーテル 初期リスク評価の結果、経気道からのばく露によるリスクは低いと考えられるが、ヒトにおける経 皮吸収等が指摘されている物質であることから、経皮吸収等に関する知見の収集や保護具の使用等作 業実態の調査等を行い、これらの情報を踏まえた詳細リスク評価を行うことを予定している。しかし ながら、当該物質は、有害性の高い物質であり、かつ、事業場において経皮吸収によるばく露が生じ る可能性があることから、今後実施する詳細リスク評価の結果を待たず、速やかに法第57条の3の規 定に基づき、当該物質に関する危険性又は有害性等の調査を行い、その結果に基づき、安衛則第576 条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ずることにより、リスクの低減に取り組 むこと。別添3(PDF:260KB)