交通労働災害防止対策の推進について

基安発0313第1号
平成27年3月13日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局
安全衛生部長

交通労働災害防止対策の推進について

 交通労働災害は、全産業に占める死亡災害のうち2割以上を占め、また、運輸交通業以外の業種でも多く
発生するなど、労働災害防止上の重要な課題となっている。
 第12次労働災害防止計画(以下「災害防止計画」という。)における死亡災害の削減目標(5年間で15%以
上減少させること)を達成させる観点から、平成27年2月19日付け基安発0219第1号「安全衛生業務の推進」
の記の3の(1)のイにおいて交通労働災害防止対策の推進について指示したところであるが、改めて下記に
留意の上、管内の実情に応じた取組を推進されたい。
1 業種横断的な取組
 (1) 春の交通安全運動実施期間(5月11日〜5月20日)、全国安全週間準備期間及び全国安全週間(6月1日
  〜7月7日)、全国労働衛生週間準備期間及び全国労働衛生週間(9月1日〜10月7日)及び秋の交通安全運
  動実施期間(9月21日〜9月30日)を重点に、関係業界団体が開催する集会等事業者が参集する機会や事
  業者と接する機会を捉え、労働災害統計、労働災害事例、「交通労働災害防止のためのガイドライン」
  (平成25年5月28日付け基発0528第2号。以下「交通ガイドライン」という。)のリーフレット等を活用
  し、
    ア. 交通安全教育の実施
    イ. 労働災害事例の提供や危険マップ(危険の見える化)、ポスターの掲示等による情報の共有化、
     安全意識の啓発
    ウ. 危険予知活動等による日常的な安全活動の実施
    エ. 点呼等による健康管理の実施
    オ. 運転者の疲労に配慮した走行計画の策定、走行時間の管理
  を重点に周知し、各々の職場における交通事故防止への取組を促すこと。
   おって、4月を目途に「職場のあんぜんサイト」内に交通労働災害防止の特設サイトを開設する予
  定であるので、活用されたい。
   なお、本省より、中央労働災害防止協会に対し、別紙1のとおり自主的な活動を要請しているので、
  了知されたい。
 (2) 本省より、警察庁に対し、別紙2のとおり要請しているので、全国安全週間準備期間を重点に、都
  道府県労働局、労働基準監督署が実施する集団指導、説明会等の際に、可能な範囲で管内の警察署か
  らの説明を依頼するなど、交通事故防止の関係機関との連携を図ること。

2 重点業種の取組
 (1) 陸上貨物運送事業
   以下の取組を行うこと。
  ア 陸上貨物運送事業の事業場に対する個別指導等、事業者と接する機会を捉え、交通ガイドライン
   に基づく対策の実施について、周知徹底を図ること。
    また、荷主となる事業場と接する機会を捉え、運転者の疲労等による交通労働災害を防止するた
   め、運転者に荷役作業を行わせる際の措置、荷の適正な積載等について交通ガイドラインに基づく
   対策の周知徹底を図ること。
  イ 交通労働災害防止連絡協議会をはじめとする関係行政機関との連携により、交通ガイドラインの
   周知を行い、交通事故防止の意識啓発等を図ること。
  ウ 陸上貨物運送事業労働災害防止協会が実施するパトロールをはじめ、関係事業者団体等による自
   主的な取組を促すとともに、必要な協力支援を行うこと。
    なお、陸上貨物運送事業労働災害防止協会に対し、別紙3により、要請しているので、了知され
   たい。
 (2) 新聞販売業
   下記ア及びイの取組に関し、本省より一般社団法人日本新聞協会及び公益社団法人日本新聞販売協
  会に対し、別紙4及び別紙5のとおり要請しているので了知の上、以下の取組を行うこと。
  ア 交通安全の取組について新聞社・新聞社支局から新聞販売店に対し指導援助等を行うよう、新聞
   社・新聞社支局に対して働きかけること。
  イ 日本新聞販売協会の地域組織が実施する交通安全の取組の機会を捉え交通労働災害防止について
   説明する等、日本新聞販売協会の地域組織と連携を図ること。
  ウ 交通労働災害防止に係る安全活動の実施や安全衛生教育を実効あるものとするために、労働者10
   人以上の新聞販売業の事業者に対し、安全推進者の配置等(平成26年3月28日付け基安発0328第6号)
   を周知指導すること。
    なお、新聞販売業における交通労働災害防止及び転倒災害防止への取組は、災害防止計画で重点
   業種とされている小売業における労働災害防止にも資するものであること。
 (3) 建設業
   本省より建設業労働災害防止協会に対し、別紙6のとおり要請しているので了知の上、以下の取組
  を行うこと。
  ア 建設業の事業場に対する個別指導、集団指導等、事業者と接する機会を捉え、交通ガイドライン
   に基づく対策の実施について、周知徹底を図ること。
    特に、事業所から現場に向かう際又は現場から事業所に戻る際の交通労働災害が多く発生してい
   ることから、交通ガイドラインの第3の2に基づく適正な走行計画の作成及び第3の3に基づく点呼等
   の実施、第4の2の(2)に基づく自動車の運転以外の勤務の終了後に労働者を自動車の運転の業務に
   従事させる場合の疲労による交通労働災害を防止するための自動車の運転以外の勤務の軽減等につ
   いての配慮を重点とすること。
  イ 建設工事関係者連絡会議を活用して、建設業労働災害防止協会都道府県支部、関係行政機関等と
   連携を図り、交通ガイドラインの周知を行うこと。



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