安全衛生情報センター
労働災害防止団体法施行規則等の一部を改正する省令(平成25年厚生労働省令第3号)及びボイラー及び 第一種圧力容器の製造許可基準等の一部を改正する告示(平成25年厚生労働省告示第1号)が平成25年1月9 日に公布され、同年4月1日から施行し、又は適用することとされたところである。その改正の趣旨、内容 等については、下記のとおりであるので、関係者への周知を図るとともに、その運用に遺漏なきを期され たい。
第1 改正の趣旨 1 選任要件等の拡大 安全衛生関係の選任要件等の一部に、学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学を卒業した者で あることを規定しているものがある。今般、安全衛生管理体制の確保等のため、学校教育法による大 学を卒業した者と同等以上の学力を有する者について、学校教育法による大学を卒業した者と同様に 選任等の対象として規定したものである。 また、学校教育法による高等学校を卒業した者であることを規定している選任要件等においても、 学校教育法による高等学校を卒業した者と同等以上の学力を有する者について、学校教育法による高 等学校を卒業した者と同様に選任等の対象として規定したものである。 2 都道府県労働局長による免許の取消事由の追加 安全衛生関係の免許所持者から、免許の取消しを受けたい旨の申出があった場合の取扱いについて、 規定の整備を行ったものである。 第2 改正の内容及び留意事項 1 資格要件等の拡大 (1) 学校教育法による大学を卒業した者であることを規定している選任要件等 ① 改正の内容 学校教育法による大学を卒業した者であることを規定している別紙1の選任要件等において、独 立行政法人大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された者又はこれと同等以上の学力 を有すると認められる者について、学校教育法による大学を卒業した者と同様に選任等の対象と して規定したこと。ただし、学校教育法による大学において特定の課程等を修めて卒業した者で あることが規定されている選任要件等においては、これと同様の課程等を修めた者であることを 規定したこと。 ② 独立行政法人大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された者 独立行政法人大学評価・学位授与機構による学士の学位の授与は、学位規則(昭和28年文部省令 第9号)第6条に規定する者に対して行われるものであり、学校教育法による短期大学等を卒業し、 学校教育法による大学において一定の単位を取得した者又は各省庁に設置された大学校において 独立行政法人大学評価・学位授与機構が認定した課程を修めて卒業した者で、同機構より学士の 学位を授与された者が含まれること。 各省庁に設置された大学校の課程のうち、同機構により当該認定を受けた課程は、次のアから キまでの大学校ごとに、それぞれ当該アからキまでに掲げるものであること。(平成25年1月1日現 在) ア 防衛大学校 人文科学、社会科学、理学、工学 イ 防衛医科大学校 医学 ウ 独立行政法人水産大学校 水産学 エ 海上保安大学校 海上保安 オ 気象大学校 理学 カ 職業能力開発総合大学校 工学 キ 国立看護大学校 看護学 ③ 独立行政法人大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された者と同等以上の学力を有 すると認められる者 独立行政法人大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された者と同等以上の学力を有 すると認められる者には、次のものが含まれること。 ア 旧国立学校設置法(昭和24年法律第150号)による大学評価・学位授与機構により学士の学位 を授与された者 イ 独立行政法人大学評価・学位授与機構又は旧国立学校設置法による大学評価・学位授与機 構による学士の学位の授与の申請対象となる者で、当該申請を行わなかったもの ウ 専修学校の専門課程(修業年限が4年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を 満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修 了した者その他の学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第155条第1項に規定する者 ④ 労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令第19条の22第1項第2号 等の規定に基づき厚生労働大臣が定める者及び同令第19条の24の2の3第1項第1号の規定に基づき 厚生労働大臣が定める検査業者検査員研修の内容及び時間(昭和47年労働省告示第134号)第2条第1 号の厚生労働省労働基準局長が定める研修 同号の「厚生労働省労働基準局長が定める研修」は、同告示第1条の研修をいうものであること。 (2) 学校教育法による高等学校を卒業した者であることを規定している選任要件等 ① 改正の内容 学校教育法による高等学校を卒業した者であることを規定している別紙2の選任要件等(特定の 学科を修めたことが規定されているものを除く。)について、学校教育法施行規則第150条に規定 する者又はこれと同等以上の学力を有すると認められる者について、学校教育法による高等学校 を卒業した者と同様に選任等の対象として規定したこと。 ② 学校教育法施行規則第150条に規定する者 学校教育法施行規則第150条には、次の者が規定されていること。 ア 外国において学校教育における12年の課程を修了した者又はこれに準ずる者で文部科学大臣 の指定したもの イ 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当 該課程を修了した者 ウ 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満 たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了し た者 エ 文部科学大臣の指定した者 オ 高等学校卒業程度認定試験規則 による高等学校卒業程度認定試験に合格した者(旧規程によ る大学入学資格検定に合格した者を含む。) カ 学校教育法第90条第2項 の規定により大学に入学した者であって、当該者をその後に入学さ せる大学において、大学における教育を受けるにふさわしい学力があると認めたもの キ 大学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると 認めた者で、18歳に達したもの ③ 学校教育法施行規則第150条に規定する者と同等以上の学力を有すると認められる者 学校教育法第90条第1項の「通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の 課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)」が含まれること。 2 都道府県労働局長による免許の取消事由の追加 (1) 労働安全衛生規則第66条関係 ① 都道府県労働局長が、免許を取り消し、又は期間を定めて免許の効力を停止することができる場 合として、免許を受けた者から当該免許の取消しの申請があったときを追加したこと。 ② 現に複数の免許を受けている者について、その免許の一部を取り消した場合には、労働安全衛生 規則第68条第2項に基づき免許証の再交付を行うこととなるが、当該取消しの申請は、免許証の再交 付を受けることを目的とするものではないことから、労働安全衛生法第112条第1項第9号の免許証の 再交付を受けようとする者には該当せず、同条の規定による手数料の納付は不要であること。なお、 取消しの申請を行う場合であっても、同時に、氏名等の変更について免許証の書替えを受けようと するとき又は免許証の紛失若しくは滅失を事由として再交付を受けようとするときは、同条の規定 による手数料の納付が必要であること。 ③ 取消しの申請をしようとする者からの相談等の機会を捉え、当該申請が申請者の意思に基づいて 行われていることを確認すること。また、その際には、免許の取消しの処分を受けた場合に改めて 免許を受けなければ当該免許に係る業務に従事することができなくなること及びその取消しの日か ら起算して1年を経過するまでは改めて免許を受けることができなくなることを丁寧に説明すること。 (2) 労働安全衛生規則様式第13号関係 ① 「現に受けている免許の種類」及び「取消しを申請する免許の種類」欄に関して、労働安全衛生 規則の一部を改正する省令(昭和63年労働省令第24号)による改正前の労働安全衛生規則(昭和47年労 働省令第32号)に基づく衛生管理者の免許については「一衛生管理」を選択すべきものであること。 また、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(昭和53年労働省令第35号)による改正前の労働安 全衛生規則に基づく揚貨装置運転士免許、クレーン運転士免許、移動式クレーン運転士免許又はデ リック運転士免許については、それぞれ「揚貨措置」、「クレーン」、「移クレーン」又は「(デリ ック)」に加え、「(玉掛)」を選択すべきものであること。 「免許の種類」欄には、これにならって記載すべきこと。 ② 備考4の「免許証等」の「等」には、申請に基づき全ての免許の取消しをした場合における当該処 分の結果を通知するための書面があること。 第3 関係通達の一部改正 「労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令の一部を改正する省令の施 行及び関係告示の適用等について」(平成23年4月6日付基発0406第3号)の一部を次のように改正する。 第2の2(2)ア中(ア)を削り、(イ)を(ア)とし、(ウ)を(イ)とし、(エ)を(ウ)とする。