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改正履歴 | ||||
基発第413号 平成13年4月27日 |
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都道府県労働局長 殿 | ||||
厚生労働省労働基準局長 |
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労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則及び 特定化学物質等障害予防規則の一部を改正する省令等の施行等について |
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労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成13年政令第78号)は平成13年3月28日に、労働安全衛生規則及び特定化学物質等障害予防規則等の一部を改正する省令(平成13年厚生労働省令第122号)、平成13年厚生労働省告示第189号(化学設備において製造し、又は取り扱う危険物の量に関する厚生労働大臣が定める基準を定める件の一部を改正する件)、平成13年厚生労働省告示第190号(特定化学物質等障害予防規則の規定に基づき厚生労働大臣が定める性能を定める件の一部を改正する件)、平成13年厚生労働省告示第191号(作業環境測定基準の一部を改正する件)及び平成13年厚生労働省告示第192号(作業環境評価基準の一部を改正する件)は、本日公布され、それぞれ平成13年5月1日から施行・適用されたところである(一部の規定を除く。)。 今回の改正は、平成12年11月に行われた職業がん対策専門家会議において、エチレンオキシドがヒトに対する発がん性を有するとの検討結果が取りまとめられたことから、エチレンオキシドを製造し、又は取り扱う作業に従事する労働者の健康障害防止対策の徹底を図ることを目的としたものである。 ついては、今回の改正の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、下記の事項に留意して、その運用に遺漏なきを期されたい。 なお、今回の改正に併せて、別紙のとおり、昭和47年9月29日付け基発第634号「労働安全衛生法第57条に基づく表示の具体的記載方法について」、昭和51年2月18日付け基発第206号「作業環境測定機関が設置すべき機器及び設置を定める告示の施行について」及び平成2年7月17日付け基発第461号「作業環境測定特例許可について」の一部を改正するので、了知されたい。 |
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記 |
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第1 | 改正の要点 | |||
1 | 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)関係 | |||
(1) | 特定化学物質等の第二類物質に、エチレンオキシドを追加したこと。(別表第3 関係) | |||
(2) | 化学物質等を譲渡し、又は提供する場合に、譲渡し、又は提供する者が名称等を 表示しなければならない物質として、エチレンオキシドを追加したこと。(第18条 関係) | |||
(3) | エチレンオキシドを製造し、又は取り扱う業務を行う事業者は、特殊健康診断の 対象業務としないこととしたこと。(第22条関係) | |||
2 | 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)関係 | |||
(1) | 名称等を表示すべき有害物のうち人体に及ぼす作用を表示すべきものとしてエチ レンオキシドを追加したこと。(第32条関係) | |||
(2) | 化学物質等を譲渡し、又は提供する場合に、譲渡し、又は提供する者が名称等を 表示しなければならない物質として、エチレンオキシドを1パーセントを超えて含 有する製剤その他の物を追加したこと。(別表第2関係) | |||
(3) | 基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律(平成11年法律第121号)により電気用品取締法(昭和36年法律第234号)の法律名が「電気用品安全法」に変更され、平成13年4月1日に施行されたことに伴い、安衛則第333条の適用除外の要件を、電気用品安全法に基づき同法上の技術基準に適合している旨の表示がなされている二重絶縁構造の電動機械器具に改めたこと。(第334条関係) | |||
3 | 特定化学物質等障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)関係 エチレンオキシド等を用いて行う滅菌作業については、特化則第5条の規定による局所排気装置の設置と同等以上の措置を講ずる場合には、局所排気装置を設けることを要しないこととしたこと。(第38条の12関係) |
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4 | 昭和47年労働省告示第114号(化学設備において製造し、又は取り扱う危険物の量に関する厚生労働大臣が定める基準を定める件) 告示中の「酸化エチレン」を「エチレンオキシド」に改めたこと。 |
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5 | 昭和50年労働省告示第75号(特定化学物質等障害予防規則の規定に基づき厚生労働大臣が定める性能を定める件)関係 エチレンオキシド等を製造し、又は取り扱う事業場に設置される局所排気装置の性能要件を定めたこと。(第1号の表関係) |
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6 | 作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)関係 空気中のエチレンオキシド等の濃度の測定方法を定めたこと。(別表第1関係) |
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7 | 作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)関係 エチレンオキシド等に係る作業環境測定の結果の評価を行うための管理濃度を定めたこと。(別表関係) |
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第2 | 細部事項 | |||
1 | 令関係事項 第15条関係 滅菌作業においてエチレンオキシド等を取り扱う設備は、建物と一体である等移動できないものを除き、特定化学設備には該当しないものであること。 |
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2 | 安衛則関係事項 第13条関係 エチレンオキシド等は、第1項第2号ヲの「これらに準ずる有害物」に該当するものであること。なお、第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者に対しては、第45条第1項に基づき、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、一般定期健康診断を行う必要があることに留意すること。 |
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3 | 特化則関係事項 | |||
(1) | 第5条関係 | |||
ア | 滅菌する物の出し入れを行うために労働者が滅菌設備の内部に立ち入る必要がある場合は、第1項ただし書にいう「設置が著しく困難なとき」に該当すること。 | |||
イ | アの場合に講ずべき第2項の「必要な措置」には、第38条の12第2号から第5号に定める措置を講じた上で、内部に残留するエチレンオキシド等によるばく露を防止するため、滅菌設備の内部に立ち入る労働者に対する有機ガス用防毒マスク等適切な呼吸用保護具を使用させることが含まれること。 | |||
(2) | 第38条の12関係 | |||
ア | エアレーションを行う設備に係るエチレンオキシド等の排出口は、屋外に設けること。また、エアレーションは、滅菌設備に応じて適した手順により行い、エチレンオキシド等の濃度を十分に減少させる必要があること。 | |||
イ | 第3号の「扉等が閉じていることを点検すること」とは、扉等の隙間からエチレンオキシド等が漏えいしていないかを点検することを含む趣旨であること。 |
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第3 | 施行期日等 | |||
1 | 施行期日 今回改正する政令、省令及び告示は、一部の規定を除き平成13年5月1日から施行・適用することとしたものであること。 |
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2 | 経過措置 | |||
(1) | 令関係 | |||
ア | 作業主任者関係(第6条関係) エチレンオキシド等を製造し、又は取り扱う作業については、平成15年4月30 日までの間は、当該作業の作業主任者の選任の規定を適用しないこととしたものであること。 |
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イ | 名称等の表示関係(第18条関係) 令の施行の日(平成13年5月1日)において現に存するエチレンオキシド等の容器については、平成13年10月31日までの間は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第57条第1項の規定による名称等の表示の規定を適用しないこととしたものであること。 |
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ウ | 作業環境測定関係(第21条関係) エチレンオキシド等を製造し、又は取り扱う屋内作業場については、平成14年4月30日までの間は、作業環境測定を行うことを要しないこととしたものであること。 |
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(2) | 安衛則関係 | |||
ア | 計画の届出関係(第86条、第88条及び別表第3関係) エチレンオキシド等を製造する設備、エチレンオキシド等が発散する屋内作業場に設ける発散抑制の設備又はエチレンオキシド等に係る特定化学設備の設置等を平成13年8月1日前までに行う場合には、事前の工事計画のを届け出る規定を適用しないこととしたものであること。 |
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イ | 施行期日関係(第334条関係) 改正後の労働安全衛生規則第334条の規定については、平成13年4月1 日に遡及して適用することとしたものであること。 |
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(3) | 特化則関係 | |||
ア | 第2類物質の製造等に係る設備関係(第4条及び第5条関係) エチレンオキシド等を製造し、又は取り扱う設備で、特化則の施行の日(平成13年5月1日)において現に存するものについては、平成14年4月30日までの間は、密閉設備等の設置の規定を適用しないこととしたものであること。 |
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イ | 出入口関係(第18条関係) エチレンオキシド等を製造し、又は取り扱う特定化学設備を設置する屋内作業場及び当該作業場を有する建築物であって、特化則の施行の日(平成13年5月1日)において現に存するものについては、平成14年4月30日までの間は、避難設備の規定を適用しないこととしたものであること。 |
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ウ | 床関係(第21条関係) エチレンオキシド等を製造し、又は取り扱う特定化学設備を設置する屋内作業場であって、特化則の施行の日(平成13年5月1日)において現に存するものについては、床の材料の規定を適用しないこととしたものであること。 |