法令 安全衛生情報センター:ホームへ
ホーム > 法令・通達(検索) > 法令・通達

二酸化炭素消火設備による酸素欠乏症の防止について

改正履歴


                                                                                  内翰
                                                                       平成10年10月12日

  二酸化炭素消火設備(酸素欠乏症等防止規則第19条の炭酸ガスを使用する消火設備をいう。以下同じ。)
による酸素欠乏症の防止については、酸素欠乏症等防止規則第19条及び昭和62年7月6日付け基発第413
号「下水道工事等における酸素欠乏症及び硫化水素中毒等の防止対策の徹底について」の記の3に基づき、
その対策の徹底を図っているところである。しかしながら、本年10月7日に二酸化炭素消火設備に係る重
大災害が発生するなど、ここ数年の間においても、なお別添1のとおり標記の災害が発生しているところ
であるので、消防関係機関と連携を図りながら、二酸化炭素消火設備に係る災害防止の一層の徹底を図ら
れたい。
  なお、二酸化炭素消火設備に関しては、消防庁においても、平成7年12月に発生した全域放出方式の二
酸化炭素消火設備の誤作動による酸素欠乏死亡事故に係る調査結果等を踏まえ、下記1のとおり平成9年
3月31日付け自治省令第19号により消防法施行規則を改正し、二酸化炭素消火設備を設置した防護区画に
隣接する部分の防護基準を定めるとともに、下記2のとおり平成9年8月19日付け消防予第133号・消防
危第85号により「全域放出方式の二酸化炭素消火設備の安全対策ガイドライン」(以下「ガイドライン」
という。)を定めたところであるので(ガイドライン全文については別添2参照)<略>、業務の参考と
されたい。

記

1.消防法施行規則の一部を改正する省令(平成9年自治省令第19号)の概要(二酸化炭素消火設備に関
  する事項)
    全域放出方式の二酸化炭素消火設備を設置した防護区画と当該防護区画に隣接する部分(以下「防護
  区画に隣接する部分」という。)を区画する壁、柱、床又は天井(以下「壁等」という。)に開口部が
  存する場合にあっては、防護区画に隣接する部分は、次により保安のための措置を講じることとされた
  こと。ただし、防護区画において放出された消火剤が開口部から防護区画に隣接する部分に流入するお
  それがない場合又は保安上の危険性がない場合にあっては、この限りではないこととされたこと(第19
  条第4項第19号の2関係)。
  (1) 消火剤を安全な場所に排出するための措置を講じること。
  (2) 防護区画に隣接する部分の出入口等(防護区画と防護区画に隣接する部分を区画する壁等に存する
    出入口等を除く。)の見やすい箇所に防護区画内で消火剤が放出された旨を表示する表示灯を設ける
    こと。
  (3) 防護区画に隣接する部分には、消火剤が防護区画内に放射される旨を有効に報知することができる
    音響警報装置を消防法施行規則第19条第4項第17号の規定の例により設けること。
2.ガイドラインの主な内容
  (1) 部外者、不特定の者等が出入りするおそれのある場所、定常的に人のいる可能性のある場所等には、
    原則として全域放出方式の二酸化炭素消火設備を設置しないこと。
  (2) 防護区画について、二方向避難ができるよう二以上の出入口を設けること、扉を内側から外側に開
    放される構造とすること、避難経路を明示する誘導灯を設けること等。
  (3) 防護区画に隣接する部分について、扉(防護区画に面するものを除く。)を内側から外側に容易に
    開放される構造とすること、防護区画から漏えいした二酸化炭素が滞留するおそれのある窪地が設け
    られていないこと等。
  (4) 二酸化炭素消火設備の起動装置について、その場所を容易に識別できるよう明るさを確保すること、
    他の設備の操作とまぎらわしい操作方法を避けること、必要な保安上の注意事項を表示すること等。
  (5) 自然排気又は機械排気装置により、消火剤を屋外の安全な場所に排出できるようにすること等。
  (6) 消火剤が放出された旨を表示する表示灯について、出入口等の見やすい箇所に設けること、必要に
    応じて当該表示灯の点滅等の措置を講じること等。
  (7) 音響警報装置について、必要に応じて赤色回転灯を付置すること等。
  (8) 二酸化炭素消火設備の点検整備、防護区画及び防護区画に隣接する部分の入退室等の管理、二酸化
    炭素消火設備の取扱方法の周知等に留意しつつ、維持管理すること。