機械等検定規則の施行について

基発第601号の2
昭和47年9月18日
都道府県労働基準局長 殿
労働省労働基準局長

機械等検定規則の施行について

 労働安全衛生法(昭和四七年法律第五七号。以下「法」という。)第四四条および労働安全衛生法施行令
(昭和四七年政令第三一八号)第一四条の規定に基づき制定された機械等検定規則(昭和四七年労働省令第
四五号。以下「規則」という。)は、昭和四七年九月公布され、同年一〇月一日から施行されることとな
つた。
 危険な作業を必要とする機械等に係る製造・流通段階における規制については、従前より種々の施策を
講じてきたところであるが、においては、その趣旨および制度を明確化し、もつて使用段階における安
全衛生の確保をより効果的に行なえることとした。この規則は、従来の労働衛生保護具検定規則(昭和二
五年労働省令第三二号。以下(旧保護具検定則」という。)および防爆構造電気機械器具検定規則(昭和四
四年労働省令第二号。以下「旧防爆検定則」という。)の規定を統合整理するとともに、これらの規則を
廃止し、さらに労働安全衛生規則(昭和二二年労働省令第九号)およびボイラ及び圧力容器安全規則(昭和
三四年労働省令第三号)において規定されていた安全装置の性能認定制度および第二種圧力容器の耐圧検
査制度を検定制度に改めたことに伴い、これらの関係規定について所要の整備をはかつたものである。
 ついては、規則制定の趣旨を十分に理解し、さらに検査対象の機械等の製造者、輸入者等の関係者への
周知徹底をはかるとともに、左記事項に留意して運用に遺憾のないようにされたい。
 なお、昭和四四年二月五日付け基発第六〇号通達(防爆構造電気機械器具検定規則の施行について)は廃
止する。
第一 旧規則との主な相違点
 1 型式検定を受けなければならない機械等として、従前の防爆構造電気機械器具(以下「防爆機器」
  という。)、防じんマスクおよび防毒マスク(以下「防じんマスク等」という。)のほかに、プレス機
  械またはシャーの安全装置、ゴム、ゴム化合物または合成樹脂を練るロール機(以下「ロール機」と
  いう。)の急停止装置およびクレーンまたは移動式クレーンの過負荷防止装置を定めたこと(第一条)。
 2 個別検定を受けなければならない機械等として、アセチレン溶接装置のアセチレン発生器および第
  二種圧力容器を定めたこと(第二条)。
 3 型式検定は労働大臣または検定代行機関が、個別検定は都道府県労働基準局長または検定代行機関
  が行なうこととしたこと(第一条・第二条)。
 4 型式検定合格証の有効期間は、防じんマスク等以外のものにあつては三年、防じんマスク等にあつ
  ては五年としたこと(第七条)。
 5 検定に合格した機械等には検定合格標章を取り付け、またははり付けなければならないこととした
  こと。ただし、個別検定に合格した機械等については、刻印でもつて代えることができることとした
  こと(第一〇条)。
 6 その他検定の実施について所要の事項を定めたこと。
第二 細部事項
 一 第一条関係
 二 削除
 三 第四条関係
  (1) 第一項第二号の「性能に関する説明書」には、防爆機器にあつては、作動原理を示す書面が含ま
   れ、また、輸入品についてはそのほかに製品規格が含まれるものであること。
  (2) 第二項の「その他検定を受けるために必要なもの」とは、現品の検定を受けるために必要な附属
   品をいうものであること。
  (3) 第二項の「検定を受けるために必要な準備」とは、アセチレン溶接装置のアセチレン発生器にあ
   つては、当該発生器を検査しやすい位置に置くこと、および当該発生器が安全弁を有するときは、
   当該安全弁の作動試験の準備をすることをいうものであること。
 四 第五条関係
   本条の「その他特別の事情がある場合」とは、現品が特殊な構造等のため、検定に必要な検査また
  は試験の設備が現品の所在する場所のみにある場合等をいうものであること。
 五 第七条関係
  (1) 本条第一項の型式検定合格証の有効期間は、本条により、旧防爆検定則に規定していた有効期
   間が変更された防爆機器ならびに新しく有効期間が設けられたクレーンまたは移動式クレーンの過
   負荷防止装置および防じんマスク等については、この規則が施行された日以後に交付される当該型
   式検定合格証について定めるものであること。
 六 第一〇条関係
  (1) 本条において、防じんマスク等の検定合格標章(以下「標章」という。)は、様式第七号の三の甲
   および乙に改められたこと。
  (2) 防じんマスク等の標章は、次により附するものとすること。
   イ 防じんマスクで、ろ過材の取替えができないもの……様式第七号の三甲の標章を面体に取り付
    けること。
   ロ 防じんマスクで、ろ過材の取替えができるもの……様式第七号の三甲の標章を面体に、様式第
    七号の三乙の標章をろ過材にそれぞれ取り付けること。
   ハ 防毒マスク……様式第七号の三甲の標章を面体に、様式第七号の三乙の標章を吸収かんに、そ
    れぞれ取り付けること。
  (3) 本条ただし書きの「刻印」をアセチレン溶接装置のアセチレン発生器に押すときは、気鐘または
   水室の本体部以外の部分に押すこと。
 七 第一三条関係
   本条の「その他必要な経費」とは、防爆機器の検定に必要な検査または試験のための材料等の経費
  をいうものであること。
 八 附則第四条関係
   本条により、一酸化炭素用防毒マスクについては、昭和四八年一二月三一日までの間、労働安全衛
  生法第四四条の適用が延期されるが、この間においても、法第四二条の規定により、一酸化炭素用防
  毒マスクの規格を具備するものでなければ譲渡し、貸与し、設置してはならないものであること。
 九 附則第五条関係
   本条により、昭和四七年九月三〇日までに旧保護具検定則による検定に合格した防じんマスク等の
  標章については、昭和四八年九月三〇日までの間は、従前どおり労働省労働基準局長の交付する標章
  を附してもよいものであること。

 




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