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基発第461号
平成2年7月17日
改正 基発第145号
平成7年3月27日
改正 基発0123第1号
平成25年1月23日
改正 基発1001第4号
平成25年10月1日
改正 基発1023第10号
平成26年10月23日
改正 基発1122第3号
令和5年11月22日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

作業環境測定特例許可について

 粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号。以下「粉じん則」という。)第26条第3項並びに作業環
境測定基準(昭和51年労働省告示第46号。以下「測定基準」という。)第10条第3項及び第13条第3項の規
定に基づく所轄労働基準監督署長の許可については、下記によることとするので、その運用に遺憾のない
ようにされたい。
1 許可の基準等
  申請のあった単位作業場所について、申請日以前の2年間(以下「申請に係る期間」という。)におい
 て、次の事項のいずれにも適合する場合は、許可すること。
 (1) 作業環境測定が6月以内ごとに1回、定期に実施されていること。
 (2) 作業環境測定が測定基準に従って行われていること。
 (3) 作業環境測定の結果の評価がすべて第1管理区分であること。
 (4) 作業環境測定の結果の評価が作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)に従って行われてい
   ること。
 (5) 測定基準第10条第3項を適用する場合であって、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第
   39号。以下「特化則」という。)第2条第1項第3号の3に規定する特別有機溶剤等のうち同項第3号の
   2に規定する特別有機溶剤を2種類以上含有するもの(以下「混合特別有機溶剤」という。)を測定対
   象物とする場合には、当該混合特別有機溶剤に含有される特別有機溶剤のうち、含有量(重量パーセ
   ント。以下同じ。)が最大のもの(以下「主成分」という。)が測定基準第10条第2項第5号又は第7号
   から第10号までに掲げる物であること。
 (6) 測定基準第13条第3項を適用する場合であって、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)別
   表第6の2第1号から第47号までに掲げる有機溶剤(特別有機溶剤を含む。備考を除き、以下同じ。)を
   2種類以上含有するもの(有機溶剤の含有量の合計が5パーセントを超えるものに限る。以下「混合有
   機溶剤」という。)を測定対象物とする場合には、当該混合有機溶剤に含有される有機溶剤のうち、
   主成分が測定基準第10条第2項第5号若しくは第7号から第10号までに掲げる物又は測定基準第13条第
   2項項各号に掲げる物であること。
   (備考) 混合有機溶剤には次の①〜⑥があること。
      ①2種類以上の有機溶剤のみを成分とする物
      ②2種類以上の特別有機溶剤のみを成分とする物
      ③有機溶剤及び特別有機溶剤のみを成分とする物
      ④2種類以上の有機溶剤に加えて、有機溶剤及び特別有機溶剤以外の物質を成分とする物
      ⑤2種類以上の特別有機溶剤に加えて、有機溶剤及び特別有機溶剤以外の物質を成分とする
       物
      ⑥有機溶剤及び特別有機溶剤に加えて、有機溶剤及び特別有機溶剤以外の物質を成分とする
       物
 (7) 次のイからハまでに掲げる事項に変更がないこと。
   イ 測定対象物(注1)
   ロ 単位作業所における有害業務の概要(注2)
   ハ 単位作業所の位置(注3)

   (注1) 測定対象物が混合特別有機溶剤又は混合有機溶剤である場合に、次の(イ)又は(ロ)に該当す
     るときは、測定対象物の変更はないものとして取り扱って差し支えないこと。
    (イ) 混合特別有機溶剤又は混合有機溶剤の主成分が同一である場合
    (ロ) 混合特別有機溶剤又は混合有機溶剤の主成分が異なるものとなった場合には、当該主成分
      が測定基準第10条第2項第5号若しくは第7号から第10号までに掲げる物又は測定基準第13条第
      2項各号に掲げる物であり、かつ、別添1の方法により求めた値(以下「成分指数」という。)
      が申請に係る期間における作業環境測定に係る成分指数の最小値の3倍を超えない場合。
       なお、測定対象物が混合特別有機溶剤に該当し、かつ、混合有機溶剤にも該当する場合で
      あって、成分に特別有機溶剤と有機溶剤の両方を含むものである場合には、当該測定対象物
      を混合有機溶剤として成分指数を求めること。
   (注2) 次の(イ)又は(ロ)に該当する場合は、有害業務の内容の変更がないものとして取り扱って差
     し支えないこと。
    (イ) 測定対象物が粉じんの場合であって、別添2粉じん作業の作業形態の区分の表において、異
      なる区分への変更がない場合
    (ロ) 測定対象物が特別有機溶剤等又は有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号。以下
      「有機則」という。)第1条第1項第2号に規定する有機溶剤等の場合であって、同項第6号イか
      らヲまでにより示された業務の区分について、異なる区分への変更がない場合
   (注3) 次の場合は、単位作業場所の位置の変更がないものとして取り扱って差し支えないこと。
      申請に係る直近の作業環境測定に係る単位作業場所を基準として、当該単位作業場所と他の
     測定に係る単位作業場所との共通部分の面積が少なくとも一方の単位作業場所の面積の2分の1
     以上である場合

2 粉じん測定特例許可申請書(粉じん則様式第3号)の記載事項等
 (1) 「申請に係る単位作業場所における粉じん作業」の欄は、粉じん則別表第2の号別及び別添2の区
   分に対応する作業形態を記載すること。
 (2) 粉じん則第26条第4項第2号の図面については、当該単位作業場所における粉じん業務の概要が分
   かるものとし、申請に係る期間の各測定に係るものをすべて添付させること。

3 作業環境測定特例許可申請書(測定基準様式第1号)の記載事項等
 (1) 申請書の記載事項については、次によるものであること。
   イ 「申請に係る単位作業場所における有害業務」の欄は、次の(イ)及び(ロ)に掲げる方法による
    こと。
     なお、当該単位作業場所において複数の有害業務(粉じん作業は含まない。)が行われている場
    合には、それらを併記すること。
   (イ) 特定化学物質等を製造し、又は取り扱う作業場における業務については、その内容を具体的
      に記載すること。
   (ロ) 有機溶剤業務については、有機則第1条第1項第6号に掲げる区分により記載すること。
   ロ 「種類」の欄は、測定対象物が混合特別有機溶剤又は混合有機溶剤である場合には、申請に係
    る期間における各測定において測定対象とされた混合特別有機溶剤及び混合有機溶剤について、
    それぞれの成分、含有量及び成分指数をすべて記載すること。
 (2) 測定基準第10条第5項第2号(第13条第5項において準用される場合を含む。)の図面については、
   当該単位作業場所における有害業務の概要が分かるものとし、申請に係る期間の各測定に係るもの
   をすべて添付させること。

4 作業環境測定結果摘要書(測定基準様式第2号)の記載事項
  摘要書の「氏名又は名称」の欄は、特化則第36条の5に規定する特定有機溶剤混合物について同条に
 おいて準用する有機則第28条第2項の規定による測定を行った場合には、当該測定を行った全ての者の
 氏名又は名称を記入すること。

5 測定基準第10条第3項及び第13条第3項の特例許可の申請を併せて行う場合の作業環境測定特例許可申
 請書及び作業環境測定結果摘要書の記載方法
 (1) 特化則第2条第1項第3号の3に規定する特別有機溶剤等に該当し、かつ、特化則第36条の5に規定
   する特定有機溶剤混合物にも該当する物について、測定基準第10条第3項の特例許可の申請と測定基
   準第13条第3項の特例許可の申請を併せて行う場合、1つの申請書に併記して差し支えないこと。
 (2) この場合、申請書の「申請における単位作業場所における有害業務」欄については、測定基準第
   10条第3項に関する業務と測定基準第13条第3項に関する業務とを分けて記載する必要はないこと。
    また、申請書の「申請における単位作業場所における測定対象物質の種類及び使用量」欄のうち
   「種類」欄には、申請書の備考に従い、「混合有機溶剤」と記入するとともに()内に主成分の名称
   を記入すること。さらに、主成分の記載の後に、含有する特別有機溶剤のうち重量1パーセントを超
   えるものについてその名称を「(含有する特別有機溶剤○○○)」と記入すること。
    ただし、「申請における単位作業場所における測定対象物質の種類及び使用量」欄のうち「使用
   量」欄には、含有する特別有機溶剤の量を物質ごとに記載する必要はなく、混合有機溶剤全体の量
   を記入すれば足りること。
 (3) 摘要書は、測定基準第10条第3項の特例許可については特別有機溶剤等に含有される個々の特別有
   機溶剤ごとに1つ作成し、測定基準第13条第3項の特例許可については特定有機溶剤混合物として1つ
   作成すること。これにより摘要書が複数となるので、区別のため「整理番号」欄に①、②、③など
   の数字を記入すること。

6 許可の処理要領
 (1) 申請が行われた場合は、申請書及び添付書類に記載された内容について1により審査し、必要に応
   じ実地調査を行い、その結果に基づいて許可の可否を決定すること。また、1(1)から(7)までで規定
   される管理等が適切に行われることを確認する手法としては、現場に赴く手法によるほか、デジタ
   ル技術を活用して実地調査の目的を完遂するために必要な情報を得ることができる手法(例えば、ウ
   ェアラブルカメラ及び音声通話の併用によるリアルタイム動画通信並びに音声による質疑応答を可
   能とする手法等)によることができること。
 (2) 申請書及び添付書類は、2部提出させ、許可又は不許可の旨を表示して、1部を申請者に返還し、
   保存させるとともに、1部は所轄労働基準監督署において保管すること。
    なお、申請書1枚で2以上の単位作業場所について同時に許可申請が行われた場合であって、その
   一部の単位作業場所について許可することとした場合には、その旨記載し、返還すること。
 (3) 許可又は不許可に際しては、次の事項を記録し、保存すること。
   イ 受付年月日
   ロ 業種
   ハ 事業場名
   ニ 所在地
   ホ 整理番号(測定基準様式第2号又は粉じん則様式第4号に付されたもの)
   ヘ 許可番号(許可の場合に限る。)
   ト 許可又は不許可年月日
   チ 申請のあった単位作業場所における測定対象物

7 許可の効力等
  本許可は、申請のあった単位作業場所について行われるものであるので、許可後に1の(7)のイからハ
 までに掲げる事項に変更があった場合には、当該許可の効力は及ばないこと。また、許可に当たっては、
 申請者にこれを了知させること。
  なお、作業環境測定の結果の評価が第1管理区分でなくなった場合には、当該許可を取り消すもので
 あること。

8 その他
  作業環境測定の結果の評価では、第1管理区分が継続しているにもかかわらず、当該有害業務に係る
 特殊健康診断の結果、新規に要観察とされた者が発見された場合等には、作業環境測定が適切に実施さ
 れているかを確認させるとともに、当該作業場の施設、設備、作業の方法等の点検を行うよう指導する
 こと。