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(令和元年7月1日 基発0701第1号により廃止)
(別添)
1 経営幹部、管理者及び労働者の役割・意識
  職場における受動喫煙防止対策を効果的に進めていくためには、企業において、組織的に実施するこ
 とが重要であり、当該企業の経営首脳である者(以下「経営幹部」という。)、管理職である者(以下「管
 理者」という。)及び労働者が下記の役割を果たしつつ、協力して取り組むことが効果的である。
  (1) 経営幹部
    経営幹部が示す当該企業における受動喫煙防止対策に関する基本方針と姿勢は、職場における受
   動喫煙防止対策に大きな影響を与えると考えられる。このため、経営幹部は、適切な受動喫煙防止対
   策が、労働者の健康の保持増進に資するものであることを認識するとともに、改正法の趣旨や受動喫
   煙防止対策の意義について管理者及び労働者に認識させるよう努めることが重要である。
    また、経営幹部は、衛生委員会、安全衛生委員会等(以下「衛生委員会等」という。)の場を通じ
   て、労働者の受動喫煙防止対策についての意識・意見を十分に把握し、事業者及び事業場の実情を
   把握した上で、各々の事業場における適切な措置を決定するよう努めることが望ましい。
  (2) 管理者
    管理者は経営幹部の基本方針、受動喫煙防止対策の意義、改正法の趣旨等を理解し、当該内容等
   を踏まえ、労働者に対して、適切な措置に従った取組等を行うよう周知啓発したり、事業場におけ
   る措置に従っていない者に対して適切に指導したりするなど、対策の推進のために積極的に取り組
   むことが期待される。
  (3) 労働者
    職場の受動喫煙防止対策の推進のためには、当該事業場に従事する労働者の意識、行動等が特に
   重要であるため、経営幹部が決定した措置や基本方針を理解しつつ、労働者は衛生委員会等の代表
   者を通じる等により、必要な対策について積極的に意見を述べるようにすることが期待される。
    また、労働組合は、経営幹部に対する対策の推進の働きかけ、労働者の要望等の集約、対策に関
   する周知・教育の勧奨等を行うことにより、事業者が行う対策が円滑に推進されるよう必要な支援
   を行う役割が期待される。

2 妊婦、未成年等への配慮
  妊娠している労働者、呼吸器・循環器等に疾患を持つ労働者及び未成年者である労働者については、
 受動喫煙による健康への影響を一層受けやすい懸念があることから、事業者及び労働者は、これらの者
 への受動喫煙を防止するため格別の配慮を行うこと。

3 受動喫煙防止対策の組織的な進め方
  職場における受動喫煙防止対策の実施にあたり、事業者及び事業場の実情に応じて、次のような取組
 を行い、組織的に進めることが効果的である。
  (1) 推進計画の策定
    事業者は、当該事業者及び事業場の実情を把握したうえで、受動喫煙防止対策を推進するための
   計画(中長期的なものを含む。)を策定することが効果的である。この場合、安全衛生に係る計画、
   衛生教育の実施計画、健康保持増進を図るため必要な措置の実施計画等に、職場の受動喫煙防止対
   策に係る項目を盛り込むことも考えられる。
    当該計画に含める内容の例として、受動喫煙防止対策に関し将来達成する目標と達成時期、当該
   目標達成のために講じる措置や活動等が考えられる。
    なお、当該計画の策定の際は、経営幹部の指導の下に、労働者の積極的な協力を得て、衛生委員
   会等で十分に検討することが望ましい。
  (2) 受動喫煙防止対策の担当部署等の指定
    事業者は、企業全体又は事業場の規模に応じて、受動喫煙防止対策の担当部署やその担当者を指
   定し、受動喫煙防止対策に係る相談対応等を実施させるとともに、各事業場における受動喫煙防止
   対策の状況について定期的に把握、分析、評価等を行い、問題がある職場について改善のための指
   導を行わせるなど、受動喫煙防止対策全般についての事務を所掌させることが効果的である。
    また、評価結果等については、経営幹部や衛生委員会等に適宜報告し、事業者及び事業場の実情
   に応じた適切な措置の決定に資するようにすることが望まれる。

4 受動喫煙の防止のための措置
  (1) 施設・設備(ハード面の対策)
    事業者は、当該事業者及び事業場の実情を把握・分析した結果等を踏まえ、実施することが可能
   な労働者の受動喫煙の防止のための措置のうち、最も効果的な措置を講ずるよう努めること。
    なお、上記の分析の結果、講じる措置として、屋外喫煙所の設置(屋内全面禁煙)、喫煙室の設置
   (空間分煙)又は喫煙可能区域を設定した上で当該区域における適切な換気の実施を選択した場合の、
   当該措置を効果的に実施するために参考となる事項について、別紙1「受動喫煙の防止のための措
   置を講じる際の効果的な手法等の例」に示しているので、事業者及び事業場の実情に鑑み、適宜参
   照すること。
  (2) 職場の空気環境
    たばこの煙が職場の空気環境に及ぼしている影響を把握するため、別紙2「受動喫煙防止措置の
   効果を確認するための測定方法の例」を参考としながら、定期的に職場の空気環境の測定を行い、
   適切な職場の空気環境を維持するよう努めること。
  (3) その他
   ① 受動喫煙に関する教育等
     事業者は、管理者や労働者に対して、受動喫煙による健康への影響、受動喫煙の防止のために
    講じた措置の内容、改正法の趣旨等に関する教育や相談対応を行うことで、受動喫煙防止対策に
    対する意識の高揚を図ること。
   ② 情報の収集、提供等
     各事業場における受動喫煙防止対策の担当部署等は、他の事業場の対策の事例、受動喫煙によ
    る健康への影響等に関する調査研究等の情報を収集し、これらの情報を衛生委員会等に適宜提供
    すること。また、これらの情報の収集のため、行政が実施する説明会等に積極的に参加すること
    や、効果のあった対策の事例等の情報を積極的に外部に公表することも望まれる。

5 健康増進法との関係
  労働安全衛生法の適用を受ける事業場が、多数の者が利用する空間を兼ねている場合は、施設管理者
 が施設を利用する者の受動喫煙防止対策に努めなければならないことを規定する健康増進法(平成14年
 法律第103号)の適用を受けることとなるので、留意すること。

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別紙2PDFが開きます(PDF:376KB)