安全衛生情報センター
本解説は、職場での熱中症予防対策を推進する上での留意事項を解説したものである。 1 WBGT値・気温に関する情報の入手方法について (1) 環境省においては、平成25年5月13日から10月18日までの間を予定して、ウェブサイト「環境省熱 中症予防情報」にて、住宅街やアスファルトの上等のWBGT値(暑さ指数)の予測値と推定値(実況推定 値)を掲載することとしているので、屋外にてWBGT値を測定していない場合は、これらの予測値・推 定値等が参考になること(ただし、あくまで予測や推定であり、実際の値とは若干異なることに留意 すること。)。また、同ウェブサイトでは、平成25年6月1日から民間のメール配信サービスを活用し たWBGT値(暑さ指数)の個人向けのメール配信を予定しており、屋外等のウェブサイトを閲覧できない 環境ではこうしたサービスも参考になること。 PCサイト:http://www.wbgt.env.go.jp 携帯サイト:http://www.wbgt.env.go.jp/kt (2) 屋内にてWBGT値が測定されていない場合には、別紙2の「WBGT値と気温、相対湿度との関係」(日 本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3)が参考になること。ただし、室内で日射が 無い状態(黒球温度が乾球温度と等しい。)の値を示したものであり、屋外等輻射熱が大きい場所では 正確なWBGT値と異なる場合もあることに留意すること。 (3) 身体作業強度等に応じたWBGT基準値については、別紙3によること。 (4) 気象庁においては、翌日又は当日の最高気温が概ね35℃以上になることが予想される場合に、以下 のサイトで「高温注意情報」を発表するので参考にすること。 PCサイト:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/netsu.htm また、5日後から14日後にかけての7日間平均気温がかなりの高温になることが予想される場合に、 以下のサイトで毎週火・金曜日に高温に関する異常天候早期警戒情報を発表するので参考にすること。 PCサイト:http://www.jma.go.jp/jp/soukei/ さらに、毎週金曜日に1か月予報を、毎月25日頃に翌月以降の3か月予報を発表するので逐次活用す ること。 PCサイト:http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/ なお、過去の気候系の特徴は、気候系監視年報でまとめられている。 PCサイト:http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/diag/nenpo/index.html 2 作業中での定期的な水分及び塩分の摂取について 身体作業強度等に応じて必要な摂取量等は異なるが、作業場所のWBGT値がWBGT基準値を超える場合 には、少なくとも、0.1%〜0.2%の食塩水、ナトリウム40〜80mg/100mlのスポーツドリンク又は経口 補水液等を、20〜30分ごとにカップ1〜2杯程度摂取することが望ましいこと。 3 東京電力福島第一原子力発電所において、東京電力をはじめ協力会社等が一丸となって廃炉措置に取 り組んでいるところである。昨年度も7、8月の14時から17時の炎天下での作業について、工程に配慮し つつ原則として作業を行わないこと等の熱中症対策に取り組んだ。 その結果、平成24年に熱中症(疑いを含む)は7件(平成23年は23件)で重症者・死亡者は発生しなかっ た。これについては本年も同様の対策を行うこととなったので参考にされたい。 PCサイト: http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/d130426_05-j.pdf の80頁参照。別紙2(PDF:353KB)