別添2 基安安発第1125001号 平成20年11月25日 社団法人建設荷役車両安全技術協会会長 殿 厚生労働省労働基準局 安全衛生部安全課長 コンクリートポンプ車による労働災害の防止について 本年10月に福岡県内でコンクリートポンプ車のブームが落下し、ブームの下で作業をしていた労働者3 名が被災し、うち1名が死亡する労働災害が発生しました。 本災害は、コンクリートポンプ車の第一ブームの先端にある第二ブームとの連結軸が破断することによ り発生したものです。 災害発生原因等は、所轄の労働基準監督署で調査しているところですが、当該コンクリートポンプ車は 災害発生の約2月前に特定自主検査を受けていたにもかかわらず連結軸が破断したものであり、同様の連 結軸を有するコンクリートポンプ車については、今後も類似の災害が発生するおそれがあります。 このため、貴協会におかれましては、会員検査業者等において、下記の事項が実施されるようお願いい たします。 記 1 検査台帳等から、タイホウ物産製のコンクリートポンプ車のうち、TC4-55BL、TC3-55BL、TC55-2B等片 持ち連結構造のもの(以下「対象機種」という。)を有することが判明した事業者等に対し、ブームの連結 軸について、連結軸の外側及び内側から、き裂及び損傷の有無を確実な方法で調べ、問題がある場合には、 補修又は取替等の措置を講じるよう注意喚起を行うこと。 2 対象機種の特定自主検査を行う際には、記1の点検等の実施の有無を確認し、これを行っていない場合 には、ブームの連結軸にき裂や損傷がないか、連結軸の表面及び裏面から確実な方法で調べ、問題がある 場合には、事業者等に補修又は取替等の措置を要請すること。 (参考)災害概要 コンクリート打設作業中に第一ブームの先端にある第二ブームとの連結軸が破断し、ブームが落下して、 ブーム下で作業をしていた労働者3名に激突し、1名が死亡、2名が重傷を負った。破断箇所は、第一ブー ムの先端にある連結軸のつけ根(下図参照)である。 使われていたコンクリートポンプ車は、タイホウ物産製 TC4-55BL(平成2年製造)であるが、このブー ムの連結軸が中空で、片持連結構造であることから、長期間の使用において、腐食及びき裂を生じ、圧送 時の振動でき裂が進行して破断したことが考えられる。 別添3