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別紙

               レーザー光線による障害防止対策要綱

1 目 的
  この要綱は、レーザー機器を取り扱う業務又はレーザー光線にさらされるおそれのある業務(以下
 「レーザー業務」という。)に常時従事する労働者の障害を防止することを目的とする。

2 用 語
  本要綱において用いる用語の意味は、次のとおりとする。
  (1)レーザー(LASER:Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)光線
   特定の物質に人工的に光や放電などの強いエネルギーを与えて励起させ、それが元の状態に戻ると
  きに発生する電磁波を制御された誘導放射の過程により増幅させたものをいう。レーザー光線は、180
  nmから1mmまでの波長域にあり、単一波長で位相のそろった指向性の強いものである。
       注) nm:ナノメータ=10-9m
  (2)レーザー発振器
   レーザー光線を生成し、又は増幅することができる機器をいう。
  (3)レーザー機器
   レーザー光線を計測、通信、加工等に利用するための機器をいう。レーザー機器は、レーザー発振
  器、レーザー光路、加工テーブル、制御装置、電源装置等から構成される。
  (4)被ばく放出限界(AEL:Accessible Emission Limit)
   レーザー光線の波長と放射持続時間に応じて、人体に許容されるレーザー光線の最大被ばく放出レ
  ベルをいう。
  (5)レーザー機器のクラス
   レーザー機器のクラス分けは、日本工業規格 C6802「レーザ製品の安全基準」の「8.クラス分け」
  によるものとする。

3 適用範囲
  この要綱は、クラス1M、クラス2M、クラス3R、クラス3B及びクラス4のレーザー機器を用いて行うレー
 ザー業務について適用する。
  ただし、当分の間、医療用及び教育研究機関における教育研究用のレーザー機器を用いて行うレーザ
 ー業務については適用しない。

4 レーザー光線による障害を防止するための措置
  (1)労働衛生管理体制の整備
   労働安全衛生法の規定による労働衛生管理体制の整備を図るほか、クラス3R(400nm〜700nmの波長域
  外のレーザー光線を放出するレーザー機器に限る。)、クラス3B及びクラス4のレーザー機器について
  は、レーザー機器の取扱い及びレーザー光線による障害の防止について十分な知識と経験を有する者
  のうちからレーザー機器管理者を選任し、次に掲げる事項を行わせること。
   イ レーザー光線による障害防止対策に関する計画の作成及び実施
   ロ レーザー管理区域(レーザー機器から発生するレーザー光線にさらされるおそれのある区域をい
    う。以下同じ。)の設定及び管理
   ハ レーザー機器を作動させるためのキー等の管理
   ニ レーザー機器の点検、整備及びそれらの記録の保存
   ホ 保護具の点検、整備及びその使用状況の監視
   ヘ 労働衛生教育の実施及びその記録の保存
   ト その他レーザー光線による障害を防止するために必要な事項
     なお、衛生管理者を選任すべき事業場にあっては、上記のレーザー機器管理者が行う業務は、
    衛生管理者の指揮のもとで行わせるものとすること。

  (2)レーザー機器のクラス別措置基準
   レーザー機器のクラス分けに応じ、別記に掲げる「レーザー機器のクラス別措置基準」に基づいて
  必要な措置を講じること。