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別添3

                                     基安発第0520002号
                                      平成17年5月20日


建設業労働災害防止協会会長 
社団法人 全国建設業協会会長
社団法人 日本土木工業協会会長   殿


                              厚生労働省労働基準局安全衛生部長


   既設下水道管に新設下水道管を接続する下水道工事における労働災害の防止の徹底について


 建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を求めてきたところですが、先般、
別添のとおり、既設下水道管に新設下水道管を接続する下水道工事において、既設下水道管からの下水
の流入を防ぐために仕切として接合部分に設置された鋼製の隔壁が、台風による集中豪雨により溢れた
雨水が既設下水道管に流入したため水圧によって破壊し、工事中の新設下水道管で点検作業を行ってい
た労働者が濁流に巻き込まれて死亡するという災害が発生しました。
 本労働災害について隔壁の破壊原因を調査したところ、隔壁の設計水位を既設下水道管の管頂とした
ことにより、隔壁の耐力が十分ではなかったことが原因と推定され、今後、梅雨時を控えて同種の災害
発生も懸念されるところです。
 つきましては、貴団体におかれましても、同種災害の発生を防止するため、下記の対策を講じるよう、
会員事業場に周知徹底していただきたく要請いたします。
 なお、関係発注機関に対しても、適切な設計水位の見積もり及び設計水位に対して十分な耐力を持つ
隔壁の設計を要請することとしているので、念のため申し添えます。


                       記


1 降雨量並びに既設下水道管及び付設の立坑の水位の把握の方法をあらかじめ定めておき、降雨があ
 った場合にはその方法により把握し、かつ、記録しておくこと。

2 緊急時の警報及び避難の方法をあらかじめ定めておくとともに、定期的に避難訓練を行うこと。

3 短期間の集中豪雨等により水位が隔壁の設計水位を超え、隔壁が破壊することにより労働者に危険
 をおよぼすおそれのあるときは、下水道工事の作業を行わないこと。作業中の場合には、直ちに作業
 を中止し、労働者を安全な場所に退避させること。

4 接合部分に仕切として設置する隔壁の設計に当たっては、工事施工箇所付近の地形、過去の浸水被
 害の状況、既設下水道管に付設された立坑の設置状況等を勘案し、集中豪雨により既設下水道管に流
 入する水量を予測し、適切な設計水位を見積もること。
  なお、設計水位を見積もることが困難な場合には、設計水位は地表面とすること。