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別紙 (令和3年4月20日 基発0420第3号により廃止)

        熱中症の予防対策にWBGTを活用する場合の留意事項等について

1 WBGTについて
  WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度(単位:℃))は、労働環境において作業者が受ける
 暑熱環境による熱ストレスの評価を行う簡便な指標である。暑熱環境を評価する場合には、気温に加え、湿度、
 風速、輻射(放射)熱を考慮して総合的に評価する必要があり、WBGTはこれらの基本的温熱諸要素を総合し
 たものとなっている(WBGTの値の測定方法等については、別添1のとおり。)。

2 WBGTの活用について
  WBGTの活用に当たっては、次の3に示す事項に留意するとともに、測定したWBGTの値が作業内容
 に応じて設定されたWBGT基準値(日本工業規格Z8504(人間工学-WBGT(湿球黒球温度)指数に基づく
 作業者の熱ストレスの評価-暑熱環境)附属書A「WBGT熱ストレス指数の基準値表」に示される基準値を
 いう。以下同じ。)(別添2)を超える場合には、熱中症が発生するリスクが高まると考えられるため、平成
 8年5月21日付け基発第329号「熱中症の予防について」に示されている熱中症の予防対策をより徹底して
 実施することが望まれる。
  また、別添2の表に基づき、労働者が作業をする前の週における毎日の熱へのばく露の有無により、労働者
 の熱への順化の有無を判断した上で、その行う作業内容に応じて設定されたWBGT基準値を測定したWB
 GTの値が超えるかどうかを判断すること。

3 WBGTを活用する場合の留意事項
  熱中症の防止のためには、個々の作業場所に適した方法で、労働者の年齢、健康状態等を考慮し、適切に
 作業環境等の管理を行う必要があり、次の(1)から(4)までの事項に留意しつつ、WBGTを活用することが
 適当である。
 (1)中高年齢労働者への配慮
   WBGT基準値は、成年男性を基準に設定されていることから、労働者の年齢に合わせた作業強度を設
  定するなど、中高年齢労働者に配慮した対策が必要である。
   なお、中高年齢労働者は、加齢に伴い、脱水していても口渇き感が少ないことがあることから、進んで
  水分を摂取する必要があることにも併せて留意すること。
 (2)労働者の健康状態への配慮
   WBGT基準値は、健康な状態を基準に設定されていることから、個々の労働者の健康状態を把握し、
  健康状態に合わせて作業強度を設定するなど、労働者の健康状態に配慮した対策が必要であること。
 (3)暑熱環境に対する順化への配慮
   梅雨から夏季になる時期において急に暑くなった場合など、気温の急な上昇による暑熱環境下での作業
  を行う場合には、労働者が暑熱環境に順化していないため、作業時間を徐々に増加させることが必要であ
  ること。また、長期間暑熱環境から離れ、その後再び、暑熱環境下での作業を行う場合も同様であること。
 (4)作業を管理する者及び関係労働者へのWBGTの周知
   作業を管理する者及び関係労働者に対し、作業場所のWBGTの値が作業内容に応じて設定されたWB
  GT基準値を超えた場合には、熱中症が発生するリスクが高まること及び熱中症の予防措置を徹底するこ
  とが特に重要であることの周知を図ることが必要であること。