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別添

                第一種圧力容器の成形の基準


1 管台、マンホール等を胴又は鏡板に取り付ける場合であって、内側に露出した縁の部分は、丸みを付け
 るか、面取りを行うこと。

2 胴板、鏡板及びその他の耐圧部分に使用する板は、次により成形すること。
(1) 炭素鋼及び低合金鋼を鍛造により成形を行う場合は、材料に適した鍛造温度で行い、鍛造成形後、第4
 3条第3項に規定する熱処理を行うこと。
(2) 炭素鋼及び低合金鋼を冷間加工又は熱間加工(フェライト鋼は482℃を超える温度、オーステナイト鋼
 は316℃を超える温度での加工をいう。)により成形する場合は、次の@から[3]までのいずれかによること。
  [1] 成形後の伸び率が5%以下となるように行うこと。
  [2] 規格通達の別表「許容応力表」(圧力容器関係)の母材の区分が1のうち、グループ番号が1又は2に
   対応する種類の記号の鋼材にあっては、次のa)からc)に掲げる事項に該当する材料を除き、成形後の
   伸び率が40%以下、板厚の減少率が10%以下となるように行うこと。
    ただし、121℃以上482℃以下の温度で成形を行ってはならないこと。
    a) 衝撃試験が要求される材料
    b) 成形加工前の板の厚さが16mmを超える材料
    c) 致死的物質を保有する第一種圧力容器に用いる材料
  [3] 成形加工後に熱処理(第43条に規定する溶接後熱処理を含む。)を行うこと。
(3) 9%ニッケル鋼を成形する場合であって、次の[1]又は[2]に該当する場合には、その規定により成形を行
 わなければならないこと。
  [1] 熱処理後に最終の焼き戻し温度未満の温度で成形を行い、成形後の伸び率が5%を越える場合は、
   552℃以上585℃以下の温度で、2時間又は厚さ25mm当たり1時間のいずれか大なる時間を保持時間とす
   る熱処理を行うこと。
  [2] 当該材料規格の焼き戻し温度以上で成形を行う場合は、溶接取り付けの前又は後に、材料規格に規
   定される熱処理を再度行うこと。
(4) オーステナイト系ステンレス鋼を成形する場合であって、次の[1]に該当する場合は、[2]により熱処理
 を行うこと。
  [1] 成形終了時の温度が、次表の左欄に掲げるステンレス鋼の種類に応じて同表の右欄に掲げる最低熱
   処理温度未満である場合であって、かつ、成形後の伸び率が、同表の左欄に掲げるステンレス鋼の種類
   に応じて同表の中欄に掲げる伸び率の値を超える場合
  [2] 熱処理は、次表の左欄に掲げるステンレス鋼の種類に応じて同表の右欄に掲げる最低熱処理温度以
   上の温度で、10分又は厚さ25mm当たり20分のいずれか大なる時間を保持時間として行い、保持終了後は
   急速冷却を行うこと。(表)

(5) ニッケル・クロム・鉄合金を成形する場合であって、次の[1]に該当する場合は、[2]により熱処理を行
 うこと。
  [1] 成形終了時の温度が、次表の左欄に掲げるニッケル・クロム・鉄合金の種類に応じて同表の右欄に
   掲げる最低熱処理温度未満である場合であって、かつ、成形後の伸び率が、同表のニッケル・クロム
   ・鉄合金の種類に応じて同表の中欄に掲げる伸び率の値を超える場合
  [2] 熱処理は、次表の左欄に掲げるニッケル・クロム・鉄合金の種類に応じて同表の右欄に掲げる最低
   熱処理温度以上の温度で、10分又は厚さ25mm当たり20分のいずれか大なる時間を保持時間として行い、
   保持終了後は急速冷却を行うこと。(表)

(6) (2)から(5)までに定める伸び率の算定は、次に定めるところによること。
  [1] 一次曲率を有する円筒及び円すいの場合
     ε=50t/Rf×(1-Rf/R0)
  [2] 二次曲率を有する鏡板の場合
     ε=75t/Rf×(1-Rf/R0)
  [3] 管の曲げ加工の場合
     ε=100r/R0又はε=100(tA-tB)/tA のいずれか大なる値

  これらの式において、ε、t、Rf、R0、r、tA,及びtBは、それぞれ次の値を表すものとする。
     ε  成形後の伸び率(単位 %)
     t  板の厚さ(単位 mm)
     Rf  板の曲げにあっては成形後の板厚中心線における半径で、管の曲げにあっては成形後の管の
       中心線の曲げ半径(単位 mm)
       ただし、円すい及び半だ円体形にあっては、次の算式により得られる値とする。
      a) 円すいの場合  Rf=Do/2cosθ-tr/2
      b) 半だ円体形の場合の中央部 Rf=0.9045×(Do+Di)/2
      c) 半だ円体形の場合のすみの丸みの部 Rf=0.1727×(Do+Di)/2
       これらの式において、Do,θ,tr及び Diは、それぞれ次の値を表すものとする。
       Do 円すいの場合にあっては小径端部の外径、半だ円体形の場合にあっては
         フランジ部の外径(単位 mm)
       θ 円すいの頂角の2分の1の値(単位 度)
       tr 円すいの厚さ(単位 mm)
       Di 半だ円体形の場合のフランジ部の内径(単位 mm)
     Ro  成形前の板厚中心線(管にあっては成形前の管の中心線の曲げ半径)における半径。
        ただし、平板及び直管の状態にあっては無限大とする(単位 mm) 
     r   管の外径の2分の1の値(単位 mm)
     tA  曲げ加工前の管の厚さの平均値(単位 mm)
     tB  曲げ加工後の管の外側の面での最小の厚さ(単位 mm)