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(平成22年12月24日事務連絡により廃止)
参考2
                         インジウム・スズ酸化物の有害性情報等 


1 化学名
   酸化インジウム/酸化スズ(混合物)
2 化学式
   In2O3/SnO2
3 物理化学的性質
   外観は黒みがかった灰色〜緑色固体
   密 度:約 7.15g/cm3(酸化インジウム:酸化スズ=64-100 %:0-36 %)
   融 点:常圧下では、1500℃から昇華が始まる。
   溶解性:水に不溶、加熱した塩酸及び王水に可溶。
4 危険有害性
(1) 危険性
   室温において、発火、爆発の危険はない。1500℃以上の高温においてヒューム及びガスを発生する
  可能性がある。還元雰囲気下又は減圧雰囲気下ではより低温でヒューム及びガスが発生する。
(2) 有害性
   インジウム・スズ酸化物としての有害性情報は得られていない。個別成分については以下のとおり。
   なお、人に対する健康影響については、インジウムの製造中にインジウム化合物にばく露される労
  働者が、骨及び関節の痛み、神経及び胃腸の不調、心臓の痛み並びに一般的な衰弱を訴えたとの事例
  が報告されているが、空気中の濃度及びばく露期間は報告されていない。
 
酸化インジウム
酸化スズ
急性毒性
(50% 致死量
等を含む)
LD> 10g/kg (ラット、経口)
LDLo 5g/kg (マウス、腹腔)
LD50 20g/kg (ラット、経口)
LDLo 6.6g/kg (マウス、腹腔)
吸入による呼吸困難が報告されている。
亜急性毒性
ウサギ:100mg/kg静注では、遅発性に(1〜3.5ヶ月)致死的であり、35〜68mg/kg投与では、3週間後から重篤な遅発性反応が起きた。
ラット:24〜97mg/m3 (平均粒径5μm)を1日4時間3ヶ月ばく露すると広範な肺浮腫が発生した。病変は、ばく露中及び12週間後もほとんど変化はなく線維化もなかった。
ラット:最高 1.0 % の4〜13週間混飼投与で貧血が認められた。長期吸入によりじん肺(スズ肺)を起こすが、呼吸機能は損なわれない。
ばく露限界濃度
【ACGIH, OSHA】
0.1mg/m3
(インジウムとして、TWA)
2.0 mg/m3
(スズとして、TWA)
         <注>
      ACGIH:米国産業衛生専門家会議
       OSHA:米国労働安全衛生庁
       TWA:時間荷重平均


5 主な用途等
    パソコンや携帯情報端末等の液晶ディスプレイ用、タッチパネル用、太陽電池用などの透明電極に
   使用される。
  
<参考文献>
  1)「ザックス 有害物質データーブック」 丸善
  2)「産業中毒便覧」 医歯薬出版株式会社
  3)「国際化学物質安全性カード(ICSC)」 化学工業日報
  4)MSDS-OHS (MDL INFORMATION SYSTEMS)
  5)「インジュウム、ガリウム等  III-V族半導体材料の有害性に関する文献のレビュー」(平成12年
   度 災害科学に関する委託研究報告書)
  6)許容限度値及び生物学的ばく露指標に関する文書-第6版-(平成11年度 労働省委託研究報告書)