別添
平成12年3月17日 | ||
別記事業者団体等の長殿 | ||
労働省労働基準局長 | ||
「安全文化」の創造に向けた取組の推進について |
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労働基準行政の推進につきましては、日頃から御理解、御協力を賜り厚くお礼申し上げます。 さて、昨年、ウラン加工施設における臨界事故、H−Uロケットの打ち上げ失敗、鉄道トンネルにおけるコンクリート落下事故等が相次いで発生したことを契機として、同年10月、政府に関係省庁で構成される「事故災害防止安全対策会議」が設置され、これらの事故災害の背景に共通して存在する問題点の洗い出し、問題点に対する共通対応方策の検討がなされ、同年12月、事故災害防止安全対策会議報告書が取りまとめられたところです。 同報告書においては、安全な社会を実現するための基本的理念として、「安全文化」の創造、すなわち組織と個人が安全を最優先する気風や気質を育て、社会全体での安全意識を高めていくことの重要性が提言されるとともに、政府や事業者が取り組むべき具体的な施策が示されております。 労働省としては、今後、同報告書を踏まえ、「安全文化」の創造に向けた取組の推進を図ることとしておりますが、そのためには、行政と関係者が、緊密な連携・連絡を確保しつつ取り組む必要があります。 つきましては、貴団体におかれましても、下記事項についてその徹底を図られるとともに、会員事業場に対しても、周知徹底されるようお願いいたします。 |
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記 | ||
1 | 安全衛生管理活動の推進 | |
(1) | 危険予知活動の推進 ヒューマンエラーによる労働災害、事故等を防止するためには、事前に労働災害、事故等を防止するために講ずべき措置を確認し、指差呼称により措置の実施を確実にする危険予知活動が効果的であるので、日常的な安全衛生活動に積極的に取り入れること。 また、安全衛生関係団体が行う危険予知活動に係る指導者養成研修を受講する等指導者の養成を図ること。 |
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(2) | (2)労働災害再発防止対策の徹底 労働災害が発生した場合には、その原因や背景に存在する組織管理、検査点検、教育訓練等の要因を分析し、同種災害の再発防止対策に万全を期すこと。 また、労働災害の発生につながるおそれのあるヒヤリハット事例についても、労働者から報告を行わせ、ヒヤリハットの原因となった潜在的な危険要因を低減するための対策を講じること。 |
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(3) | (3)緊急事態への適切な対応 爆発、火災、化学物質の漏洩等の緊急事態が生ずる可能性を評価し、緊急事態が発生した場合に労働災害を防止するための措置を定めておくとともに、定期的に緊急事態を想定した訓練を実施すること。 |
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2 | 安全衛生教育の充実及び安全衛生意識の高揚 | |
(1) | 雇入れ時における安全衛生教育の充実 安全衛生教育は、労働者の就業に当たって必要な安全衛生に関する知識等を付与するために不可欠なものであり、労働災害の防止の実効をあげる上で極めて重要である。 特に、雇入れ時教育は、経営トップの安全衛生に関する基本的な考え方を労働者に伝える最初の機会であり、そこで働く労働者の安全衛生に対する考え方や行動に大きな影響を与え、企業において安全衛生を最優先する気風を醸成するための重要な位置を占めている。 このため、雇入れ時教育を実施する際には、経営首脳が自らの事業場における安全衛生に関する基本的考え方を明確に示し、それを労働者に周知するなど、雇入れ時教育の適切な実施に努めること。 |
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(2) | インターンシップを通じた安全衛生意識の高揚 安全衛生意識の高い労働者を育てるためには、就業前の教育が効果的と考えられることから、インターンシップ(学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと)を導入している場合には、インターンシップのプログラムに事業場における安全衛生活動に関する事項を盛り込むことにより、学生の安全衛生に対する意識の高揚を図ること。 |
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(3) | 安全衛生優良者等の顕彰 事業場又は事業者団体において、安全衛生に対して取組が優れていると認められる者、優れた安全衛生改善事例の考案者等について顕彰を行うこと。 |
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(4) | 事業場の一般公開 労働災害を防止するためには、労働者の家族も含め、広く国民一般の理解が必要であることから、労働者の家族や地域住民に対し、職場見学会等を実施すること。 |
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3 | 作業手順の策定 非定常作業を含め、作業手順を策定するとともに、危険有害な作業については、作業手順の安全性を保証する責任者を選任し、当該作業手順の作成、変更時に責任者が審査、承認する仕組みを導入すること。 |
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4 | 機械設備の安全の確保 | |
(1) | 機械設備の安全性の向上の促進 機械設備による災害の原因としては、機械設備の故障、異常、作業者の不安全行動があるが、いかなる事態であっても安全が確保されるようにする必要があることから、新設・更新に際しては、可能な範囲で機械設備のフェールセーフ化、フールプルーフ化を進めること。 |
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(2) | 検査点検体制の充実強化 機械設備が安全に使用されるためには、所定の機能が維持されることが必要である。このため、定期的な検査や日常の点検の適正な実施を徹底すること。また、検査点検の実施に当たっては、定期自主検査指針の活用、検査点検の基準の整備等を進めること。 |