10.施工
基本的事項 |
評価内容 |
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(1) 計画・工程 | ・設計図書、契約関係書及び調査資料等に基づき、立地条件(地形、地質、湧水等)、環境保全等に適合した計画とすること。 ・条件変化に対処する補助工法についても検討すること。 ・準備工事から工事終期の後片付けまでの期間及び工事検査受検期間を含めた全体工程について工程表を作成すること。 ・工程表は、立地条件(地形、地質、湧水等)、施工条件(トンネル断面、延長、工期等)、環境条件等に見合ったものとすること。 ・工程表は、機械、設備等の整備期間、労働者の休日等について考慮したものとすること。 |
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(2) たて坑 | ||||
[1]規模 | ・作業設備、作業方法を検討し、適切な規模とすること。 | |||
[2]埋設物の防護 | ・各種埋設物の管理者の定めた防護基準にしたがった計画書を作成すること。 ・防護計画を関係労働者に周知すること。 |
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[3]土止め壁 | ・地質、地層、含水、湧水等の状態及び掘削の方法に応じた形式とすること。 ・土圧、水圧等の外力に対し十分対応できる堅固な構造とすること。 ・杭打ちについては、地下埋設物、近接構造物及び周辺の環境を考慮して適切な施工機材を選定し、安全な作業方法を定めること。 |
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[4]覆工 | ・覆工部材は、上載荷重に耐え維持補修も容易にできる構造とすること。 | |||
[5]掘削 | ・周辺環境、地形、地質及び湧水量に適合した工法及び使用機械とすること。 ・掘削の方法及び掘削の順序を合理的に定めること。 ・危険箇所には立入禁止等の措置を講じること。 |
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[6]運搬 | ・残土処理計画に基づき運搬経路、安全運行管理規程を定めること。 | |||
[7]土止め支保工 | ・地質、地層、含水、湧水、上載荷重等に留意し、外力に十分対応できる堅固な構造とすること。 ・掘削の進行に伴い遅滞なく所定の位置に確実に設置し、管理すること。 |
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[8]たて坑構築(鉄筋工、コンクリート工) | ・規模、構造に応じた施工計画を定めること。 ・構築のための足場、作業床、型わく支保工の組立図、それらの強度計算書を作成すること。 |
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[9]たて坑保守・点検 | ・保守・点検基準を定めること。 ・保守・点検の責任者を定めること。 ・保守・点検の結果を記録し、これを保存すること。 |
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(3) トンネル | ||||
[1]初期掘進 | ||||
イ.支圧壁 | ・土質の変化等により過大な力が作用しても、破壊、変形を生じない十分な強度とすること。 ・計画推進反力に対して十分耐えられる構造とすること。 |
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ロ.発進台 | ・シールドの自重及び推進反力によって、変形や狂いの生じない構造とすること。 | |||
ハ.仮壁壊し | ・仮壁壊しのための作業基準を定めること。 ・発進口前方の地山の安定確認を行うこと。 ・鏡切りは原則として下方からの分割切断とすること。 ・切断した鋼矢板、H型鋼などの転倒、落下などによる事故防止対策を定めること。 ・切断後は早期にシールド機の貫入を行うこと。 |
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ニ.発進 | ・初期掘進計画を策定すること。 ・初期掘進のための作業基準を定めること。 ・掘進を管理するための計測設備を設けて、一連の稼働状況の把握を行い、不測の事態に対応できる監視体制とすること。 ・立地条件(地形、地質、湧水等)等が変化した際の対応策を定め、地山に適合した補助工法を検討すること。 ・次の事項を関係労働者に周知すること。 (イ) シールド機械の運転操作に関する合図の方法 (ロ) 操作者の氏名及び操作方法 (ハ) 作業主任者の氏名及びその職務の内容 |
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[2]本掘進 | ・到達までの掘進計画を策定すること。 ・本掘進のための作業基準を定めること。 ・掘進を管理するための計測設備を設けて、一連の稼働状況の把握を行い、不測の事態に対応できる監視体制とすること。 ・発進から到達までの異常事態の発生に備えた対処方法を定めること。 ・立地条件(地形、地質、湧水等)等が変化した際の対応策を定め、地山に適合した補助工法を検討すること。 ・次の事項を関係労働者に周知すること。 (イ) シールド機械の運転操作に関する合図の方法 (ロ) 操作者の氏名及び操作方法 (ハ) 作業主任者の氏名 |
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[3]到達 | ・到達時の作業基準を定めること。 ・微速前進開始位置及び停止位置を定めること。 ・泥水使用時の減速開始位置を定めること。 ・シールド本体とたて坑壁面の間隙からの土砂流入及び出水対策を定めること。 ・たて坑壁面への推力の影響による土止めの補強を行うこと。 |
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[4]セグメント | ||||
イ.計画 | ・セグメントヤードの計画書を作成し、ヤードを確保すること。 ・セグメントの設計計算書を確認し、組立図を作成すること。 |
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ロ.取扱い、組立て | ・取扱い基準を定めること。 ・組立ての範囲及び手順を定めること。 ・次の事項を関係労働者に周知すること。 (イ) 合図の方法 (ロ) エレクター操作者の氏名及び操作方法 (ハ) 作業主任者の氏名及びその職務内容 |
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ハ.止水 | ・止水の方法を検討すること。 | |||
[5]裏込め注入 | ||||
イ.設計 | ・次の内容に適合したものとすること。 | |||
項目 |
内容 |
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材料 | (イ)
地山の土質に最も適した材料を使用すること。 (ロ) 各種材料の配合が適切であること。 (ハ) 周辺環境に直接、間接に影響を与えない材料であること。 |
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注入圧 | セグメントに偏圧がかからず、かつ、外周に十分ゆき渡る注入圧を設定すること。 | |||
ロ.裏込め注入作業 | ・注入計画に見合った注入機械及び設備を選定すること。 ・注入作業及び機械工具の取扱い基準を定めること。 |
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[6]二次覆工 | ||||
イ.計画 | ・次の内容に適合したものとすること。 | |||
項目 |
内容 |
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コンクリート材料 (配合) |
(イ)
地質、土圧等を考慮して強度を定めること。 (ロ) 各種材料の配合が適切であること。 |
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巻厚 | 地下水圧、トンネル断面の大きさ、地質、土被り、変圧等を考慮すること。 | |||
ロ.型わく及び型わく支保工 | ・組立図が用意され、施工法に応じた強度を有するものとすること。 ・作業手順を定めること。 |
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ハ.コンクリート打設 | ・作業主任者を選任すること。 ・打設計画に見合った能力を有する打設設備を選定すること。 ・作業計画を作成し、関係労働者に周知すること。 ・強度試験、スランプ試験等による品質管理基準を定めること。 |
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[7]特殊施工の施工計画 | ||||
イ.地中接合 | ・地中接合を行う場合は、双方のルートを調整し、地山の安定を考慮した施工計画とすること。 | |||
ロ.急曲線施工 | ・補助工法、シールド機械の構造、セグメントの割付け、裏込め注入等を検討した施工計画とすること。 | |||
ハ.長距離施工 | ・長距離施工に伴う立地条件、施工条件を考慮し、シールドの耐久性、施工設備の高度化を検討した施工計画とすること。 | |||
ニ.地中切拡げ | ・地中切拡げにあたっては、地山条件を考慮し、適切な工法を選択した施工計画とすること。 | |||
ホ.近接施工 | ・近接工事の計画、設計、施工にあたっては、既設構造物に与える影響について検討すること。また、必要に応じて対策工の実施や計測管理等の措置を盛り込んだ施工計画とすること。 | |||
ヘ.双設トンネル | ・双設トンネルの計画、設計,施工にあたっては、地山、立地条件(地形、地質、湧水等)、施工条件(トンネル断面、延長、工期等)を考慮した施工計画とすること。 | |||
ト.補助工法・地盤強化工法 | ・所定の目標を満足し、かつ、他への影響が最も少ない工法を選定すること。 | |||
イ 薬液注入工法 | ・目的に見合う作業方法及び機械設備を選定すること。 | |||
ロ 噴射注入工法 | ・作業及び機械工具の取扱い基準を定めること。 | |||
ハ 凍結工法 | ・排水は、排水基準に適合したものとすること。 ・解体・撤去の作業方法を定めること。 |
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チ.地下水位低下工法 | ・所定の目標を満足し、かつ、他への影響が最も少ない工法を選定すること。 | |||
イ ウエルポイント | ・目的に見合う作業方法及び機械設備を選定すること。 ・作業及び機械工具の取扱い基準を定めること。 |
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ロ ディープウエル | ・解体・撤去の作業方法を定めること。 | |||
(4) 施工中の調査、測定 | ・施工中は、次の事項について調査、測定を行うこと。 | |||
項目 |
内容 |
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切羽圧力 | (イ) 設定された圧力の状況 (ロ) 作泥量の状況 (ハ) その他 |
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セグメント | (イ) セグメントの状況 (ロ) セグメントの継手目地の状況 (ハ) その他 |
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掘進 | (イ)
掘進の状況(蛇行・回転の防止) (ロ) その他 |
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裏込め注入 | (イ) 注入圧の状況 (ロ) 注入量の状況 (ハ) 注入材料の配合の状況 (ニ) その他 |
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掘削土量 | (イ) 掘削土量の状況 (ロ) 掘削設備等の状況 (ハ) その他 |
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埋設物 | (イ) 埋設物の状況 (ロ) その他 |
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周辺環境 | (イ)
諸設備等からの振動・騒音の状況 (ロ) 地盤沈下、隆起の状況 (ハ) 地下水、河川、下水等の状況 (ニ) その他 |
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