別表 林業における快適職場形成のための対策の方向及び改善事例
項 目 |
対策の方向 |
改 善 事 例 |
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1 作業環境 |
(1) 空気環境 | [1]
土場等のほこりや粉じんの発散を抑制すること。 [2] 集材機等の排気ガスによる影響が及ばないこと。 |
・丸太巻立作業はほこりが立つため、ポンプで散水した。 ・樹皮粉じんを防ぐため、貯木場に散水栓を設置した。 ・集材機の据え付け位置を変更した。 |
(2) 気象等による温熱条件 | [1]
夏季において、直射日光による影響を緩和する設備を設ける等の措置を講じること。 [2] 冬季において、暖房設備を設ける等の措置を講じること。 [3] 気象条件、温度、湿度、作業の強度、性別、年齢等に応じた作業衣等を用いること。 [4] 気象条件が悪い場合は、危険を予知し、作業を中止すること。 |
・夏季に、作業場所付近に天幕、シート等を設け、日除け付き保護帽を使用した。 ・冷暖房設備を備えた運転室付きの集材機を導入した。 ・冬季において、保温性、防水性、通気性を兼ね備えた防寒作業服、防寒手袋、防寒スパイク長靴、使い捨てカイロ等を支給した。 ・チェーンソーにハンドルヒーターを導入した。 ・雨天用として、滑り止め作業靴を支給した。 ・雨天作業場を設置した。 ・炎天、厳寒、風雨等の状況に応じ、就業時間及び休憩時間の繰り上げ、繰り下げを行った。 ・炎天下が予測される際には、立木の下で作業ができるように間伐作業等に切り替えた。 |
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(3) 視環境 | [1]
日照時間の短い時期は、照明設備の設置又は手元が暗くなった時の作業終了若しくは作業内容の変更を行うこと。 [2] 機械等の色彩は、作業者への心理的効果等を配慮し、明るい色を使用すること。 |
・土場作業において、手元が暗い時に投光器を導入した。 | |
(4) 作業空間等 | [1] 車両系の機械を用いる土場は、広く取ること。 | ・機械集材作業における山土場敷きを広く取り、混雑を排除した。 | |
(5) 作業地へのアクセスと到達条件 | [1]
作業地が集落から離れている場合は、林道、作業道を整備すること。 [2] 林道、作業道について、道幅が狭い、急カーブがある、急勾配がある等の場合は、道幅を広くする等の改良をすること。 [3] 作業現場の近くまで乗り入れ可能な通勤用バス、乗用モノレール等を導入すること。 [4] 集落から離れた箇所においては緊急時の連絡体制を確立すること。 |
・ブルドーザーにより作業道を整備し歩行を容易にした。 ・作業道の整備と併せ、4WD車を導入し作業現場の近くまで乗り入れできるようにした。 ・急傾斜地の歩行を補助するロープを設置した。 ・乗用モノレールを導入し、容易に山奥の作業現場まで行けるようにした。 ・緊急連絡用の機器等を常備した。 |
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(6) 地表条件等 | [1]
急峻で足場が悪い箇所においては、滑り止め作業靴を使用すること。 [2] 車両系の機械を用いる土場であって、ぬかるみ状態の場合は、鉄板を敷くこと。 |
・地表条件の悪い場所において、スパイク付き地下足袋や長靴を支給した。 ・フォークリフトでのトラック積み込み作業を行うぬかるみ状態の土場に、鉄板を敷いた。 |
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(7) 害虫等の状況(蜂、アブ、蝮等の危害のおそれのある環境下) | [1]
防蜂網又は誘引捕殺器を導入すること。 [2] 防除薬剤を使用すること。 [3] 緊急時の連絡体制を確立すること。 |
・蜂による被害を防止するため、誘引捕殺器を導入した。 ・蜂による被害を防止するため、防虫網を導入した。 ・蜂の巣を確認し、生息箇所の多い場所を明示した。 ・緊急時の措置に関する講習を行った。 |
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2 作業方法 |
(1) 不良姿勢作業 | [1]
伐木造材作業においては、軽量チェーンソーや高性能林業機械を使用すること。 [2] 集材作業においては、運転座席の改善(回転座席やサブ計器盤の設置)を図ること。 [3] 地拵え、下刈り、除伐作業においては、軽量な林業用刈払機や薬剤散布機を導入すること。 [4] 地拵え、下刈り、除伐作業においては、連続して無理な姿勢が続かないように作業仕様の工夫をすること。 [5] 植え付け作業においては、機械化を進めること。 |
・伐木造材作業において、プロセッサ、ハーベスタ、グラップルソー等を導入した。 ・集材作業において、タワーヤーダや自走式搬器等を導入した。 |
(2) 重筋作業 | [1]
伐木造材作業においては、高性能林業機械を導入すること。 [2] 集材の横取り作業においては、架線の索張り方法を改善すること。 [3] 荷掛け作業においては、プラットホームとウィンチの組み合わせ等を行うこと。 [4] 架線の架設、撤去作業において、作業が軽減できるタワーヤーダを導入すること。 [5] 路網を整備し、機械の導入を容易にすること。 [6] 造林用苗木の運搬作業においては、ヘリコプターやブルドーザー、簡易架線による運搬を導入すること。 [7] 地拵え、下刈り、除伐作業においては、軽量な林業用刈払機や薬剤散布機を導入すること。 |
・木材積み込み作業にグラップルクレーン付きトラックを導入した。 ・山土場の積み込み作業にフォークローダを導入した。 ・長尺物の取り扱いにホイールローダを導入した。 ・集材作業において、タワーヤーダ、自走式搬器を導入した。 ・苗木の運搬に簡易架線を導入した。 ・苗木を林道から植え付け現場までブルドーザーで運搬した。 ・地拵え作業において、ブルドーザーで笹、潅木等を片づけた。 |
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(3) 振動・騒音作業等 | [1]
伐木造材のチェーンソーは、軽量、低振動及び低騒音機種を選択すること。 [2] 伐木造材のチェーンソー作業においては、耳栓、イヤーマフを使用すること。 [3] 集材作業においては、低騒音機種を選択すること。 [4] 地拵え、下刈り、除伐作業の刈払機は、林業用軽量、低振動、低騒音機種を選択すること。 |
・チェーンソーに防振装置を装着した。 ・集材機のマフラーを改善して消音化を図った。 |
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(4) 緊張作業 | [1]
チェーンソー等の高速回転の機械を使用する作業においては、高性能林業機械を導入すること。 [2] 架線集材作業の荷掛け作業においては、高性能トランシーバを導入すること。 [3] 架線集材作業の荷掛け作業においては、見やすく、わかりやすい信号を選択すること。 [4] 車両系の機械を用いる集材作業においては、運転室の視界が広い機械を導入すること。 |
・伐木作業にハーベスタを導入した。 ・各作業場所に高性能トランシーバを導入した。 ・運転席のオペレーターの視野を広くするためキャビンを変更した。 |
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(5) 機械操作等 | [1]
車両系の機械については、操作レバーの位置、操作方法が同一の機械を選択すること。 [2] 車両系の機械については、広い運転室の機械を選択すること。 |
・トラクタの更新の際に、操作レバーの位置、操作方法が同一の機械に統一した。 ・トラクタに電動ミラーを取り付けた。 |
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3 疲労回復支援施設 |
(1) 休憩室等 | [1]
休憩室等は作業場所の近くに設置すること。 [2] 休憩室等の広さは、同時に利用する作業者の数に応じた広さとすること。 [3] 休憩室等は常時清潔に管理すること。 [4] 休憩室等は臥床ができる等、疲労やストレスを効果的に癒すことができるよう配慮をすること。 [5] リフレッシュカーを配備すること。 |
・休憩小屋や移動式の休憩所を設置し、寒暖に対応できるようにした。 ・大型の休憩ハウスを設置し、足を伸ばして十分休めるようにした。 ・通勤用バスを改造し、休憩時間に十分体を休ませ、仮眠できるようにした。 ・通勤用バスを休憩の代わりにするため、冷暖房装置を取り付けた。 ・休憩所に畳の部分を設置し、臥床できるようにするとともに、テレビ、ラジオ、カセットデッキ、屋外放送設備等を設置した。 ・少人数での移動作業において、2〜3人用の小型テントを使用した。 |
(2) 洗身施設 | [1]
現場事務所等に簡単な操作で使用できるシャワー等の洗身施設を設置すること。 [2] 洗身施設は常時清潔に管理すること。 [3] 作業場所の近くにリフレッシュカーを配備すること。(再掲) |
・現場事務所等に汗を流すことができるシャワー室を設置し、作業服を着替えて私服で帰宅することができるようにした。 ・作業終了時に汗を流すことができる、シャワー等を備え付けたリフレッシュカーを配備した。 |
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(3) 相談日の設定等 | [1]現場事務所等に現場における疲労やストレス等に関し、さまざまな相談に応じることができる体制(相談室の設置、相談日の設定等)を整備すること。 [2] 相談に応じることができる専門家、仕事のベテランを確保すること。 [3] 相談に応じることができる外部機関と連携すること。 |
・作業経験豊富な者を巡回させ、安全作業、保健、衛生等について相談及び指導にあたらせている。 | |
(4) 運動施設等 | [1]
現場事務所等に軽い運動をすることができるスペース、マッサージ機等の設備を確保すること。 [2] 運動施設を備えた外部機関と連携すること。 |
・スポーツ大会等のレクリエーションを実施した。 | |
4 職場生活支援施設 |
(1) 洗面所・更衣室等 | [1]
現場事務所等に、洗面所・更衣室等(トイレ、ロッカーを含む。以下同じ。)を設置すること。 [2] 洗面所・更衣室等は常時清潔に管理すること。 [3] 作業場所の近くに移動式トイレを設置し、清潔に保つこと。 [4] 作業場所の近くにリフレッシュカーを配備すること。(再掲) |
・移動式水洗トイレを設置した。 ・リフレッシュカーを導入し、トイレ、手洗い等を配備した。 |
(2) 給湯設備等 | [1]
現場事務所等に給湯設備等を設置すること。 [2] 作業場所の近くに冷水・湯水ポットを置くこと。 [3] 作業場所の近くにリフレッシュカーを配備すること。(再掲) |
・通勤用バスに電気保温ポットを設置した。 ・冷水・温水ポットを携帯させた。 |
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項 目 |
対策の方向 |
改 善 事 例 |