安全衛生情報センター
厚生労働行政の運営につきましては、日頃から格別の御協力を賜り厚く御礼申し上げます。 近年、高齢化の進展等により、労働安全衛生法に基づく一般健康診断の結果、異常所見が認められる者 が5割を超えるなど、健康上何らかの問題や疾病を抱えながら働く方々が増加する傾向にあります。 一方で、診断技術や治療方法の進歩により、疾病を抱えていても離職や休職をせずに治療を受けながら 仕事を続けられる可能性が高まってきており、例えば、がんの治療のため、仕事を持ちながら通院してい る方は33万人に上るという推計もあります。 しかしながら、疾病を抱える方の中には、仕事上の理由で適切な治療を受けることができなかったり、 疾病に対する自分自身の不十分な理解や職場の理解・支援体制不足により、治療と仕事を両立することが 困難になったり、離職を余儀なくされたりする事例がみられます。また、多くの企業が疾病を抱えた従業 員の対応に苦慮しているという現状もあります。 疾病を抱えた方々が、適切な治療を受けながら、仕事を続けられるように支援することは、国民の健康 の保持増進や活躍の促進のみならず、企業にとっても人材の確保や生産性の向上につながるものであり、 さらには社会の活力の維持向上にもつながるものと考えられます。 こうした治療と職業生活の両立支援のためには、企業のみならず、産業医等の産業保健関係者、医療関 係者、地域の支援機関などの関係者がそれぞれの取組を進めつつ、必要に応じて連携することが重要とな りますが、特に企業における取組を促進するため、厚生労働省では、今般、企業向けのガイドラインとし て、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。) を別添のとおり定めるとともに、参考資料として、事業者と医療機関との情報共有のための様式例を示し、 特に課題となっているがん患者に対する支援に役立つよう、がんに関する基本情報や支援に当たっての留 意事項を「がんに関する留意事項」としてまとめました。 治療と職業生活の両立支援を進めるに当たっては、労働行政と都道府県の保健医療福祉行政との連携が 非常に重要だと考えており、都道府県におかれましては、ガイドラインの内容を御了知いただくとともに、 都道府県と労働局、産業保健総合支援センターとの連携や、貴管内の市町村、がん診療連携拠点病院等の 医療機関及びその他の関係機関に対するガイドラインの周知に御協力いただきますよう特段の御配慮をよ ろしくお願いいたします。 なお、都道府県と労働局との連携については、都道府県労働局あてにも指示するとともに、ガイドライ ンについては、経済団体や医療機関団体にも周知等を依頼していることを申し添えます。別添(PDF:1,201MB)