安全衛生情報センター
福井県の事業場において、オルト−トルイジン等の化学物質を取り扱う作業に従事していた複数名の労 働者が膀胱がんを発症した事案が発生し、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所が災 害調査を行ったところである。 この調査結果によると、オルト−トルイジンを取り扱う作業に従事していた労働者について、オルト− トルイジンに汚染された保護手袋の使用などにより、長期間にわたり経皮ばく露(皮膚から体内に吸収さ れること)があったことが示唆されたところである。 このため、発がん性のおそれがある化学物質については、経気道ばく露(呼吸により体内に吸収される こと)だけでなく、経皮ばく露、経口ばく露(口から体内に入ること)による健康影響のおそれについても 留意する必要があり、広く周知する観点から関係団体に対し別紙のとおり、事業場における発がん性のお それのある化学物質に係る健康障害防止対策の徹底について要請しているので、了知されたい。