| ||
改正履歴 |
基安発第0403001号 平成19年4月3日 都道府県労働局長 殿 厚生労働省労働基準局安全衛生部長 エピクロロヒドリン、塩化ベンジル、1,3−ブタジエン、ホルムアルデヒド 及び硫酸ジエチルによる労働者の健康障害防止対策の徹底について 平成16年12月27日の労働政策審議会建議において、「国は未規制の有害化学物質について、化学物質に 係る労働者の作業内容等のばく露関係情報等に基づき、リスク評価を行い、健康障害発生のリスクが特に 高い作業等については、特別規則による規制を行う等のリスク管理を講じることが必要である」とされた ところである。 これに基づき、平成18年度は、エピクロロヒドリン、塩化ベンジル、1,3−ブタジエン、ホルムアルデ ヒド及び硫酸ジエチルの5物質について「化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会」 を設置して検討を行い、今般その検討会報告書が別添1(PDF:674KB)のとおり取りまとめられたところで ある。 今後、本報告書を踏まえた法令の整備等を行うこととしているが、ホルムアルデヒド、1,3−ブタジエ ン及び硫酸ジエチルについては、法令の整備を待たず、速やかに下記の措置をとるよう関係事業者等に対 し周知、徹底を図られたい。 また、本報告書ではリスクは低いとされたが、エピクロロヒドリン及び塩化ベンジルも、有害性の高い ものであるので、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第576条、第 577条、第593条、第594条等に基づく措置を講ずることにより、労働者へのリスクを未然に防ぐよう、関 係事業者等に対し周知、徹底を図られたい。なお、これらの安衛則に基づく措置については、法令の整備 を行うホルムアルデヒド、1,3−ブタジエン及び硫酸ジエチルについても同様に講じられるべきものであ る。 あわせて、別添2により関係事業者団体等の長に対して傘下会員事業者への周知等を要請したので了知 されたい。 記 1 ホルムアルデヒドに係る措置 (1)ホルムアルデヒドを製造する設備は、密閉式の構造のものとすること。また、当該設備で製造する ホルムアルデヒドを労働者に取り扱わせるときは、隔離室での遠隔操作によること。 当該設備で製造するホルムアルデヒドを計量し、容器に入れ、又は袋詰めする作業を行う場合で、 これらの措置を講ずることが著しく困難であるときは、ホルムアルデヒドが作業中の労働者の身体に 直接接触しない方法により行い、かつ、当該作業を行う場所に囲い式フードの局所排気装置又はプッ シュプル型換気装置を設けること。 (2)ホルムアルデヒドのガス又は蒸気が発散する屋内作業場((1)の場合を除く。)については、発散 源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けること。ただし、これらの設備 等の設置が著しく困難な場合は、全体換気装置の設置等、労働者の健康障害を予防するため必要な措 置を講ずること。 (3)ホルムアルデヒドを製造し、又は取り扱う屋内作業場については、6月以内に1回、空気中における 当該物質の濃度を測定し、その記録を作成し、30年間保存すること。また、測定結果の評価に応じて、 必要な改善を図ること。 2 1,3−ブタジエンに係る措置 サンプリングの作業又は保守、点検、修理等の作業により、1,3−ブタジエンのガス又は蒸気が発散 する屋外作業場については、発散源を密閉する設備を設置すること。ただし、この設備の設置が著しく 困難な場合は、労働者に呼吸用保護具を使用させる等、労働者の健康障害を予防するため必要な措置を 講ずること。 3 硫酸ジエチルに係る措置 混合、加熱等の作業であって硫酸ジエチルを触媒として使用する作業により、硫酸ジエチルのガス又 は蒸気が発散する屋内作業場については、発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換 気装置を設けること。ただし、これらの設備等の設置が著しく困難な場合は、全体換気装置の設置等、 労働者の健康障害を予防するため必要な措置を講ずること。
参考 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
※1 | [1]IARC(国際がん研究機関)による発がん性分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||
[2]中央労働災害防止協会安全衛生情報センターのホームページにあるモデルMSDSに記載されている有害性情報(NITE(製品評価技術基盤機構)によるGHS 分類結果等)から抜粋したもの(参考情報)。詳細については、以下のアドレスを参照のこと。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
IARC:1 |
人に対して発がん性がある。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
IARC:2A |
人に対しておそらく発がん性がある。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
※2 | α−塩化トルエン類の複合ばく露として評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||
(参考) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
|