造船業における塗装作業による有機溶剤中毒予防対策の徹底について
基安発第0803002号
平成16年8月3日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部長
造船業における塗装作業による有機溶剤中毒予防対策の徹底について
有機溶剤による健康障害防止対策については、第10次労働災害防止計画の重点として施策を推進してい
るところであるが、別紙のとおり造船業においては、平成15年の1年間に塗装作業中の5件の災害により7名
の労働者が有機溶剤中毒に罹患し、うち4名が死亡するという過去10年来最悪の事態となっている。
これらの労働災害は、十分な換気能力を有する換気装置を設置していなかったこと、呼吸用保護具が短
時間でその機能を失う等の有機溶剤が高濃度に達することが予想される作業環境であったこと等適切な対
策がなされなかったために、関係請負人の労働者が死亡ないし中毒に至ったものであり、誠に遺憾である。
一方、近年、造船業の受注量は近年になく増大しており、これを反映して工事量も増加傾向にあること
から、十分な労働衛生対策が講じられない場合には造船業における有機溶剤中毒の増加が懸念されるとこ
ろである。
ついては、造船業における塗装作業による労働災害防止のためには、特定元方事業者を中核とした統括
安全衛生管理の徹底が不可欠であることから、別添のとおり日本造船工業会会長等に対し要請を行ったの
で、各局においても、造船業の事業場に対して、労働安全衛生法第29条及び第30条に基づく措置を含め、
別添要請文の記に掲げる事項の徹底について、効果的な指導を行われたい。