液状薬剤の誤飲による災害防止について
基安化発第0123001号
平成16年1月23日
都道府県労働局労働基準部
労働衛生主務課長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部
化学物質調査課長
液状薬剤の誤飲による災害防止について
有害化学物質を取り扱う事業場においては、その取扱い作業におけるばく露防止対策はもとより、事業
場内での飲食に伴う有害化学物質の摂取の防止も重要であり、このためには、飲食を行う場所と作業場所
との分離並びに飲食物と有害化学物質の保管場所の分離及び有害化学物質に係る注意喚起のための表示が
基本である。
飲食に伴う有害化学物質の摂取は、基本的には手指等を介して有害化学物質により飲食物が汚染される
ことによるものであるが、近年、飲料の空容器に移し替えた消毒剤、有機溶剤等の液状薬剤を労働者が飲
料と誤認して飲み、急性薬物中毒となる災害が相次いで発生している(別添参照)。いずれの災害におい
ても、有害化学物質の小分け用容器として飲料の容器が安易に転用されており、外観から飲料と誤認しや
すいことに加えて、飲食物との保管場所の分離や内容物の有害化学物質に係る表示等の基本的な化学物質
管理がなされていなかったことが原因としてあげられる。飲料用容器を液状薬剤の小分けに用いることは
容易に行いうるものであることから、これらの災害事例のような誤飲災害は今後も起こることが懸念され
る。
ついては、このような誤飲災害防止のため、貴局におかれては、各種の安全衛生指導等の機会をとらえ
て事業者に対し下記による所要の措置が講じられるよう指導されたい。
記
1 飲料用の空容器を液状薬剤の小分け容器に使用しないこと。
2 液状薬剤の容器は、小分け用のものについても他のものとの誤認のおそれのない専用容器とし、容器に
内容物、有害性、取扱上の注意事項等を明確に表示すること。
3 液状薬剤等と飲料とは、保管場所を別にすること。