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じん肺管理区分決定の審査におけるCR写真の取扱いについて
(平成21年10月1日 基安労発1001第1号により廃止)

改正履歴
基安労発第19号
平成13年6月25日

都道府県労働局労働基準部長 殿
厚生労働省労働基準局
安全衛生部労働衛生課長

じん肺管理区分決定の審査におけるCR写真の取扱いについて


 じん肺法(昭和35年法律第30号。以下「法」という。)に基づくじん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定においては、同法の規定に基づきエックス線写真を用いることとされている。
 エックス線写真に関しては、医療機関において、デジタル写真の一種であるComputed Radiographyによる写真(以下「CR写真」という。)が普及しつつあり、さらに、専門家の検討により、一定の条件下でCR写真をじん肺健康診断やじん肺審査に活用することが可能であるとする検討結果が得られたところである(別添参照)。
 これらのことから、今般、法に基づく健康診断等にCR写真を用いる場合の留意事項を下記のとおり定めたので、その実施及び貴管下の関係医療機関への周知につき遺憾なきを期せられたい。


第1 CR写真の各種条件について
じん肺健康診断において、CR写真を用いて検査を行う場合には、当該CR写真については、以下に定めるところによること。
(1)
撮影条件 ・撮影は110〜140kVで行う。
・焦点被写体間距離については、180〜200cmとする。

装置等 (1)グリッド
・高密度グリッドを使用するときは、撮影電圧が120kV前後なら格子比を12:1とする。
・撮影電圧がそれ以上の場合は、可能であれば、格子比を14:1とすることが望ましい。
(2)空間分離能(画素数)
・フィルムのサイズがフルサイズ(半切)の場合は、イメージングプレートの読取り時の面素数を3500pixel×3500pixel以上とする。
・フィルムのサイズが2/3サイズ(B4又は大四ツ切)の場合は、イメージングプレートの読取り時の画素数を1760pixel×1760pixel以上とする。

(2)
◎階調処理
肺野部の最高濃度が1.6〜2.0程度、中央陰影の濃度がO.15〜O.25程度であること。
◎周波数処理
低空間周波数(0周波数)成分に対して高周波数成分(例えばO.2cycle/mm以上)におけるレスポンスが1.0〜1.2倍程度の範囲であること。なお、濃度に応じて周波数応答を変化させる場合であっても、上記範囲内であること。

第2 CR写真によるじん肺審査について
地方じん肺診査医は、じん肺管理区分の決定の申請にCR写真が添付されていた場合には、以下に定めるところにより審査を行うこと。
1 審査を行う前に、提出されたCR写真について、次の事項を確認すること。また、第1に示したCR写真の各種条件を満たしていること。
(1) 全肺野の細部まで十分に読影が可能であること。
(2) 適正な濃度とコントラストであること。
(3) 陰影が強調されすぎていないこと。

2 1の確認を行うに当たっては、法第40条第1項の規定に基づき、必要に応じて、提出されたCR写真の撮影を行った医療機関又は医師に対し、当該写真の撮影条件又は画像処理条件等について質問を行うこと。

3 CR写真によるじん肺のエックス線写真像の区分の判定は、従来どおり、「じん肺標準エックス線フィルム」(昭和53年発行)を用いて行うこと。